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玉座のような独立リアシート ベントレー・ベンテイガ EWBへ試乗 SUV新基準の快適性

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玉座のような独立リアシート ベントレー・ベンテイガ EWBへ試乗 SUV新基準の快適性

量産車として最高水準の車内空間

世界トップクラスにラグジュアリーでパワフルなベントレー・ベンテイガに、ロングホイールベース版のEWBが登場した。突出した仕上がりを確かめるのに、フロント側から始めるべきか、リア側から始めるべきか、少し悩んでしまった。

【画像】玉座のような独立リアシート ベントレー・ベンテイガ EWB 競合の高級SUVと比較 全143枚

そんな時は、その中間から確認していこう。ベンテイガ EWBは前後タイヤの間隔、ホイールベースが180mm伸ばされている。新基準の快適性とオンロードマナーを獲得するために。

ドライバーは、身軽な操縦性と高速域での安定性を向上させる、新しい四輪操舵システムの恩恵にあずかれる。一層、安楽さを高めたといっていい。

インテリアの素材や仕立ては、量産車として最高水準。小変更を経ているが、現行型は2015年の発表なだけあって、ダッシュボードの雰囲気には若干の古さも漂う。非常に精巧に作り込まれているけれど。

続いてリア側。電動でアシストされる長いリアドアを開くと、数ある高級車でも特に豪華でゆとりのある車内空間が広がる。ロングホイールベースのレンジローバーやロールス・ロイス・カリナンと比べても、さらにワンランク上だろう。

リアシートは、従来的な3名掛けのベンチーシートの他に、両サイドの快適性を高めた2+1レイアウトも選べる。試乗車のように左右で独立した、飛行機のビジネスクラスのような2名掛けも選択できる。

玉座のようなシートが2脚据えられ、乗る人に合わせて多様に角度などを調整できる。筆者が知っているどんな旅客機より快適に感じられた。

549psの4.0L V8にエアサス 乗り心地は向上

雑音や振動などを低減させるため、新たな努力も施されている。従来のベンテイガは、その分野で不満を感じられたわけではない。それでもロングホイールベース版は、ベントレーの新たなフラッグシップに相応しい。

運転手を雇えるオーナーにとっては、最適なチョイスになりそうだ。ミュルザンヌなき後では。

続いてフロントへ移ろう。今のところ、ベンテイガ EWBで選択できるパワートレインは、アウディも採用する4.0LツインターボV8エンジンのみ。最高出力は549psを発揮し、8速ATを介して4本のタイヤへ伝達される。必要に応じて、伝達割合も可変される。

車重は2514kgあるが、0-100km/h加速は4.5秒。最高速度は289km/hに届く。

通常のベンテイガでは、3.0L V6ガソリンエンジンと駆動用モーターを組み合わせた、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)もある。現状ではEWBにラインナップされていないが、半導体の供給が改善し需要が高まれば、追加される可能性は高い。

全体的なドライビングフィールは、通常のベンテイガのそれに近い。だが、ホイールベースが伸ばされたことで変化も生まれている。特に乗り心地は明らかに向上している。

サスペンションは3モード付きのエアスプリング。電圧48Vで制御されるアクティブ・ボディロール制御システムを搭載し、可能な限り水平が保たれる。

確かに、レンジローバーの方が低速域での質感や鋭い入力に対する処理は一枚ウワテ。それでもSUVとして、この乗り心地に不満を漏らす人はいるのだろうか。

印象的な四輪操舵 ベントレー至高の選択肢

ベンテイガ EWBで強い印象を残すのが、四輪操舵システム。駐車時などの低速域では、最小回転直径を11.8mまで縮小。高い速度域ではフロントタイヤと同方向にリアタイヤが向きを変え、安定性を高める。車線変更も非常に滑らか完了できる。

高速道路では、路上の王様といった動じない風格が漂う。ロンドンの狭い路地でも、想像以上に扱いやすい。唯一、1998mmというワイドなボディを除いて。

ただし試乗車の場合は、直進時が若干安定しない様子だった。ライバルモデルと比べると、ステアリングホイールの操作に集中力が求められた。

筆者が疑問を感じたのが、優しくアクセルペダルを倒すと躊躇するようにワンテンポおいて発進すること。これは、従来のV8エンジンを搭載したベンテイガでも共通していた。

そこから右足へ僅かに力を込めると、意図した以上の鋭さで加速が始まる。バッテリーEVの極めて正確な制御を味わえる現在では、より滑らかな動きを期待したいところだ。といっても、全体の仕上がりからすれば些細なことではある。

ベンテイガの能力は、EWBで間違いなく高められた。リアシートの空間や安定性、操縦性を向上させただけでなく、スタイリングの視覚的なバランスも整っている。

もはや、通常のホイールベースを選ぶ理由が思い浮かばないほど。英国価格は約1万6000ポンド(約265万円)上乗せになるが、このクラスのオーナーなら気に掛けない人も多いだろう。現在のベントレーでは、至高の選択肢といえそうだ。

ベントレー・ベンテイガ EWB アズール(英国仕様)のスペック

英国価格:21万1300ポンド(約3507万円)
全長:5305mm
全幅:1998mm
全高:1739mm
最高速度:289km/h
0-100km/h加速:4.5秒
燃費:7.7km/L
CO2排出量:−
車両重量:2514kg
パワートレイン:V型8気筒3996ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:549ps/6000rpm
最大トルク:78.3kg-m/2000-4000rpm
ギアボックス:8速オートマティック

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