シエンタvsフリード 徹底比較！ 使いやすいコンパクトミニバンはどっち？

アルファードやヴェルファイアといった、LLサイズのミニバンでは大きすぎる。ノアやヴォクシー、セレナでもまだ大きい。もっとコンパクトなミニバンが欲しいという層にぴったりハマっているのが、コンパクトミニバンと呼ばれるトヨタ・シエンタとホンダ・フリードです。今回は、コンパクトミニバンに求められる使い勝手を中心に両車を比較していきます。

●ボディサイズは似ていても室内空間には差が！
コンパクトなボディで、取り回しに優れているというのがフリードとシエンタのアピールポイントの1つですが、両車のボディサイズを比較してみると、シエンタが全長4260mm×全幅1695mm×全高1675mm、フリードが全長4265mm×全幅1695mm×全高1710mmと、全高以外はコンパクトカーとほぼ同等のサイズ感です。

また、両車を比べると、全高こそわずかにフリードの方が高くなっているものの、どちらもほぼ同じサイズであることが分かります。

さらに、小回りが利くかどうかを表す最小回転半径では、両車ともに5.2mであることから、取り回しの良さもほぼ変わりません。






一方、室内の広さを比較してみると、意外にも差があるようです。シエンタもフリードもそれぞれ2列シート仕様と3列シート仕様が用意されていますが、2列シート仕様ではシエンタが室内長1900mm×室内幅1490mm×室内高1280mmであるのに対し、フリードは室内長2310mm×室内幅1455mm×室内高1275mmとなっています。

同様に、3列シート仕様では、シエンタが室内長2535mm×室内幅1470mm×室内高1280mmですが、フリードは室内長3045mm×室内幅1455mm×室内高1275mmとなっています。

つまり、室内長では2列シート仕様で410mm、3列シート仕様で510mmもフリードが長くなっています。ホイールベースは、フリードが2740mm、シエンタが2750mmとほとんど差がないことから、乗員のゆとりという点ではフリードの方が優れていると言えます。

しかし、3列目シートを使用した状態だと、フリードのラゲッジルームはほとんど荷物を積めません。一方で、シエンタは3列目シートを使用しても、ラゲッジルームには約40cmの奥行きがあります。

このことから、荷物を積むことが多いならシエンタ、6人以上乗ることが多いならフリードという構図が見えてきます。






●3列目シートの考え方に違いあり！
車内のユーティリティで押さえておきたいのが、3列目シートの使い勝手です。

どちらもシートアレンジの豊富さでは他のコンパクトカーを寄せ付けないほどですが、3列目シートの使い勝手に関しては両車で大きく異なります。なぜなら、フリードとシエンタ、それぞれ3列目シートの格納方式が違うためです。

シエンタでは、3列目シートを畳む場合、2列目シート下部に格納する「ダイブダウン式」が採用されており、フリードではシートを左右にそれぞれ押し上げる「跳ね上げ式」が採用されています。

このことから、シエンタは3列目シートを使わない場合、格納作業があり手間が掛かるというデメリットがある一方、ラゲッジスペースを拡大することができるメリットがあります。

フリードでは跳ね上げるだけでシートを簡単に収納できるメリットがありますが、跳ね上げられたシートによって後方視界がわずかに狭くなってしまうというデメリットがあります。

ただ、ダイブダウン式を採用しているシエンタの3列目シートは、格納しやすさを考慮し、座面や背面が薄く設計されています。一方、跳ね上げ式はしっかりとした3列目シートを備えることができるため、フリードなら長時間の乗車でも比較的快適に座ることができます。

このことからも、シエンタは3列目シートを補助的な役割としてとらえている一方で、フリードはあくまでも実用を意識していることがわかります。






●本体価格はシエンタが若干安い
本体価格を見てみると、シエンタが181万8500円～258万円、フリードは227万5900円～327万8000円となっています。

7人乗りのガソリン車の売れ筋グレードを見ると、シエンタの「G Cuero」は221万4000円、フリードの「G Honda SENSING」は218万2400円となっています。同様に、7人乗りのハイブリッド車の売れ筋グレードを見ると、シエンタの「G Cuero（ハイブリッド）」が258万円、フリードの「HYBRID G 」は265万5400円となっています。

細かな装備の差はありますが、価格帯はほぼ拮抗しています。そのため、シエンタとフリードを比較する際にポイントとなるのは、3列目シートの使用方法ということになりそうです。また、どちらも次期型の噂が出始めており、フリードは6月に軽いマイナーチェンジを受けたばかりですが、今夏に新型が登場するとされているシエンタについては、ディーラーに問い合わせたほうが良さそうです。






文：ピーコックブルー

Comments

クルマにこだわりがないなら使いやすいからこっちにする選択はあるかも知れないけど、クルマってスタイルや別の要素が大きいから。好きな方を選ぶべし！

車両本体価格で比較するのではなく、必要なオプション装備を含めた見積りをした上で価格を比較するべきである。
同じような装備の仕様で見積もればホンダ車もトヨタ車も価格差がない事がわかる。