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衝突安全性能を評価する「自動車アセスメント」とは? 意味と役割をわかりやすく解説

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衝突安全性能を評価する「自動車アセスメント」とは? 意味と役割をわかりやすく解説

自動車の安全性を客観的に評価

 ニュースや新聞で、目にしたり耳にする「アセスメント」という言葉。本来、アセスメント(assessment)とは、「客観的に評価したり査定する」ことを意味する言葉で、自動車アセスメント(JNCAP=Japan New Car Assessment Program)とは、直訳すれば”日本の新車評価プログラム”的な意味。そんな自動車アセスメントに関するブースが、大阪市のインテックス大阪で開催されている「大阪モーターショー2019」に出展していたので、どのようなことをしているのかを聞いてみた。

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 自動車アセスメントとして比較的馴染みがあるのが、衝突安全性能のテストだろう。クルマを壁などにぶつけて乗員へのダメージなどをチェックするテストで、ダミー(人形)を使った映像などを見たことがあるかと思う。この衝突安全性能のテストのほか、事故低減に大きく関わる予防安全性能テスト、チャイルドシートの安全性テストなどを行なっているのが、独立行政法人「自動車事故対策機構(NASVA=ナスバ)」だ。このナスバの栢多(かやた)浩一郎マネージャーにお話しを伺ってみた。

「自動車アセスメントは、衝突安全性能などの試験を行ない、その結果をもとに評価することで、安全なクルマを選んでいただくことや、予防安全性能を高めることで事故を防止すること、引いては自動車事故のない社会を目指して、安全・安心・快適な車社会を実現することを目的としています。衝突安全性能評価の試験は1995年から実施しており、当初は前面衝突試験だけでしたが、その後、側面衝突試験など数項目を追加して、結果を得点(100点満点)と★の数(最高ランクが5つ)で評価。この試験と評価を繰り返すことによって日本の車の衝突安全性能は非常にハイレベルになりました」。

 ちなみに2018年度の衝突安全性能評価のナンバーワンは、100点満点の96.5点(★5つ)を獲得したトヨタ・クラウンとスバル・フォレスター。大阪モーターショーのブースには、トヨタ・クラウンの衝突安全性能のテストを実施した車両が展示され、大きくつぶれた車体がその激しいテスト内容を生々しく物語っていた。テスト結果はナスバのホームページやパンフレットで確認できるので、クルマを購入する前に安全性能の参考にチェックすることをオススメする。もちろん、旧いクルマでも、衝突試験(年代によってはテスト内容や評価方法が現在と異なる)は行っているので、参考にできるはずだ。

新たな安全・安心の指針「予防安全性能評価」

 衝突安全性能評価以外に自動車アセスメントとして取り組んでいるのが「予防安全性能評価」というもの。最近のCMでも紹介されている「衝突被害軽減ブレーキ」や「ペダル踏み間違い時加速抑制」、「車線逸脱抑制」などの機能をテストして評価するというもの。こちらは得点(126点満点)と+の数(最高が+3つ)で評価を表示。2018年度のナンバー1はトヨタ・アルファード&ヴェルファイアで126点と+++の評価(どちらも満点)を獲得した。

 さらにナスバが取り組んでいるのが「チャイルドシートアセスメント」。これは子供の命を守るチャイルドシートの評価で、市販のチャイルドシートに全面衝突試験と使用性評価試験を実施。全面衝突試験は、クルマが前面衝突した時と同様の衝撃を発生させ、チャイルドシートの破損状態やダミー(人形)の頭部の移動量などを優・良・普・推奨せず、の4段階で評価するというもの。使用評価性能は装着のしやすさや着座のさせやすさなどを得点(5項目、各5点満点の合計点)で評価することで、安全なチャイルドシート選びの基準を提供している。

 最近では重大な交通事故が発生した場合に自動的に救急に通報する「事故自動通報システム」を搭載した車両もあり、そのシステムの評価なども新たに追加している。自動車アセスメントの評価結果は、私たちがクルマを購入する際、安全性の高さを示す判断基準として大いに活用したい情報といえる。ナスバのホームページで購入を予定しているクルマがどんな評価を受けているのかをチェックしてみるのも面白いかもしれない。

 もちろん、どんなに安全性の高いクルマ(チャイルドシート)に乗っても、シートベルトの着用をしなければその真価は発揮できない。

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みんなのコメント

3件
  • アセスメントなんてイミフだし、そもそもここは日本なんだから英語の使用を禁止にしてほしい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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