現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ハンドルを持ち替える必要なし! トヨタbZ4Xの「ワンモーショングリップ」ってどんな技術?

ここから本文です

ハンドルを持ち替える必要なし! トヨタbZ4Xの「ワンモーショングリップ」ってどんな技術?

掲載 更新 9
ハンドルを持ち替える必要なし! トヨタbZ4Xの「ワンモーショングリップ」ってどんな技術?

 この記事をまとめると

■トヨタのEV「bZ4X」には、ワンモーショングリップという機能が採用されている

日産アリアかトヨタbz4X&スバル・ソルテラか? 大激戦が予想される「SUV電気自動車」を徹底比較してみた

■ステアリングシステムのギヤ比や操舵力を無段階で変化させることが可能

■仕組みやメリット、今後の可能性について詳しく解説する

 ステアリングの最大舵角を±150度に設定可能!

 トヨタが披露した電気自動車のbZ4Xには「ワンモーショングリップ」という機能が採用されている。ワンモーショングリップ装着車のステアリングホイールは、航空機に装着される操縦桿のような横長の形状だ。ドライバーは9時15分の位置を保持して、操舵中の持ち替えはしない。

 そしてワンモーショングリップが採用されるのは、ステアリングホイールの動きを電気信号に変換してステアリングシステムに伝えるステア・バイ・ワイヤ装着車だ。

 この方式ではステアリングホイールは一種のスイッチだから、ステアリングシステムのギヤ比や操舵力は、無段階で自由に変化させられる。少し回しただけで、進行方向が大きく変わる設定にすることも可能だ。

 そこでワンモーショングリップ装着車では、ステアリングの最大舵角を±150度に設定したから、Uターンを行う時でもステアリングホイールを持ち替える必要がない。

 ステアリングホイールと前輪のステアリングシステムが直接繋がっていないから、bZ4Xでは、タイヤからの不快な振動は遮断してドライバーに伝えない。その一方で路上のデコボコを乗り越えた時などは、情報伝達に必要な振動として伝える。bZ4Xは2022年の半ばに発売されるが、ワンモーショングリップシステムは、まず中国向けに設定される。その後に順次拡大する予定だ。

 ちなみにステア・バイ・ワイヤは、日本車では現行スカイラインがダイレクトアダプティブステアリングの名称で採用している。発売当初は峠道などで操舵感が過敏になったり、ゴムを捩るようなウネウネとした感触が気になったが、その後に改善された。

 自動運転に向けたメカニズムといえる

 ダイレクトアダプティブステアリングのメリットを実感できるのは、スカイラインハイブリッドに標準装着される運転支援機能のプロパイロット2.0を作動させている時だ。ステアリングホイールと前輪が直接繋がっていないため、前輪が細かな進路調節を行っても、ステアリングホイールにその動きを反映させない。プロパイロット2.0では、運転支援機能の作動中にステアリングホイールから手を離せるが、この時にステアリングホイールが小刻みに左右に動くと気になってしまう。そこをステア・バイ・ワイヤで違和感なく仕上げた。

 ただし現時点では、その程度の効果しかない。通常のパワーステアリングでも、上級車種にはステアリングのギヤ比がバリアブルに変わるタイプも多い。車庫入れなどのために低速域で操舵角が大きくなった時は、ギヤ比が次第にクイックになって操舵量を小さく抑える。

 この時にはステアリングホイールを右端から左端まで回した時のロック・トゥ・ロックが約2回転の車種もあり、峠道などを走っても持ち替える機会は少ない。9時15分の位置で保持していれば良い。従って操縦桿のような形状のステアリングホイールを装着しても、目新しさ以外の実質的なメリットは乏しい。

 ステア・バイ・ワイヤの本当の価値は、もっと別の機能にある。たとえばこれから安全装備が大幅に進化すると、ドライバーよりも車両制御のほうが危険回避を的確に行える。この時にはステア・バイ・ワイヤが効果的だ。ドライバーがパニックに陥ってステアリングホイールにしがみついた時でも、前輪は車両側の制御によって的確に操舵され、危険を避けられる。このような制御は、ステアリングホイールと前輪を分離したステア・バイ・ワイヤでないと難しい。

 さらにその先には自動運転があり、ワンモーショングリップのメカニズムも、そこに向けた技術ステップのひとつに位置付けられる。つまりユーザーにとって、現時点での実用的なメリットは乏しくても、商品化には意味があるのだ。

こんな記事も読まれています

トヨタのラリー育成は4名全員がプログラム継続。3期生の松下、後藤はラリー3にステップアップ
トヨタのラリー育成は4名全員がプログラム継続。3期生の松下、後藤はラリー3にステップアップ
AUTOSPORT web
新生EVツーリングカーの2年目に向け、2025年STCCカレンダー発表。ヨーテボリ市街地を含む全5戦に
新生EVツーリングカーの2年目に向け、2025年STCCカレンダー発表。ヨーテボリ市街地を含む全5戦に
AUTOSPORT web
なぜ「モータースポーツ新会社」設立? GRとは違う「TGR-D」誕生!? トヨタ会長が語る会社分割の狙いとは
なぜ「モータースポーツ新会社」設立? GRとは違う「TGR-D」誕生!? トヨタ会長が語る会社分割の狙いとは
くるまのニュース
エリーゼを「徹底」レストモッド! アナログ・オートモーティブ・スーパースポーツへ試乗 ローバーKは維持
エリーゼを「徹底」レストモッド! アナログ・オートモーティブ・スーパースポーツへ試乗 ローバーKは維持
AUTOCAR JAPAN
ベントレーがストリート感漂う「PICANTE」とコラボしカプセルコレクションを発売! テーマは「旅」…懐メロも入ったプレイリストも公開中
ベントレーがストリート感漂う「PICANTE」とコラボしカプセルコレクションを発売! テーマは「旅」…懐メロも入ったプレイリストも公開中
Auto Messe Web
2025年のMotoE暫定カレンダーが発表。ハンガリー大会が新たに追加も年間7大会14レースに減少
2025年のMotoE暫定カレンダーが発表。ハンガリー大会が新たに追加も年間7大会14レースに減少
AUTOSPORT web
2025年ジャパンカップのエントリー受付がスタート。3月にはプレシーズンテストも開催へ
2025年ジャパンカップのエントリー受付がスタート。3月にはプレシーズンテストも開催へ
AUTOSPORT web
「早く月曜日になってくれ」勝田貴元が明かすシート喪失の重圧と、来季決定の瞬間/ラリージャパン
「早く月曜日になってくれ」勝田貴元が明かすシート喪失の重圧と、来季決定の瞬間/ラリージャパン
AUTOSPORT web
“エンジンルーム”に「謎のスピーカー」搭載!? なんのため? 新型「Gクラス」に備わるユニークな機能とは
“エンジンルーム”に「謎のスピーカー」搭載!? なんのため? 新型「Gクラス」に備わるユニークな機能とは
くるまのニュース
“オーバーフェンダー”が高性能車の証! メルセデスAMGのド迫力クーペ「CLE53」はサーキットも視野に入れた「生まれながらの武闘派」
“オーバーフェンダー”が高性能車の証! メルセデスAMGのド迫力クーペ「CLE53」はサーキットも視野に入れた「生まれながらの武闘派」
VAGUE
次期型BMW iX3 「ノイエ・クラッセ」初のモデル、試験生産開始 2025年投入
次期型BMW iX3 「ノイエ・クラッセ」初のモデル、試験生産開始 2025年投入
AUTOCAR JAPAN
ブガッティが家具ショップをオープン! タイムレスな芸術性の高いインテリアの名前に「シロン」!? ドバイのショールームを紹介します
ブガッティが家具ショップをオープン! タイムレスな芸術性の高いインテリアの名前に「シロン」!? ドバイのショールームを紹介します
Auto Messe Web
珍しい「高速道路に信号機!?」撤去へ 首都高「箱崎ロータリー」 12月で見納め
珍しい「高速道路に信号機!?」撤去へ 首都高「箱崎ロータリー」 12月で見納め
乗りものニュース
フィアット「500e」がイタリアのハイブランドとコラボ! “ジョルジオ・アルマーニ”エディションがLAショーで米国初公開
フィアット「500e」がイタリアのハイブランドとコラボ! “ジョルジオ・アルマーニ”エディションがLAショーで米国初公開
VAGUE
ポルシェが高級スキー板を開発!? レジェンドと共同開発、価格は約27万円
ポルシェが高級スキー板を開発!? レジェンドと共同開発、価格は約27万円
レスポンス
ヒュルケンベルグ、終盤の追い越しで8位「タイヤに苦労しつつ、最善の結果を出せた」重要な4点でハースは6位に浮上
ヒュルケンベルグ、終盤の追い越しで8位「タイヤに苦労しつつ、最善の結果を出せた」重要な4点でハースは6位に浮上
AUTOSPORT web
ホンダ新型「“スポーティ”SUV」公開! ターボエンジン搭載でめちゃ楽しそう! 精悍エアロ採用の「リミテッドE」比国に登場
ホンダ新型「“スポーティ”SUV」公開! ターボエンジン搭載でめちゃ楽しそう! 精悍エアロ採用の「リミテッドE」比国に登場
くるまのニュース
“今年の10台”に選ばれた ホンダ新型「フリード」はなぜ人気? 全長4.3mのコンパクトミニバンがヒットした理由とは
“今年の10台”に選ばれた ホンダ新型「フリード」はなぜ人気? 全長4.3mのコンパクトミニバンがヒットした理由とは
VAGUE

みんなのコメント

9件
  • 老害事故起きるぞ
  • そんなのより
    左にウインカー出したら
    右にハンドル切れないような車作って欲しい。
    あと、直進の道で不必要に左右に
    ハンドル切れないような車。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

456.9948.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.02050.0万円

中古車を検索
スカイラインの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

456.9948.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.02050.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村