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こんなの俺たちのスカイラインじゃない! いつから日産スカイラインは日本人の「憧れのクルマ」ではなくなってしまったのか

掲載 更新 135
こんなの俺たちのスカイラインじゃない! いつから日産スカイラインは日本人の「憧れのクルマ」ではなくなってしまったのか

 この記事をまとめると

■日産スカイラインは1957年に登場した長寿モデル

400馬力の「400R」に日産ファン乱舞! スカイラインに「やっと」熱い走りが蘇ったワケ

■過去のモデルを知る人からは現行型に対する否定的な意見も聞かれる

■その理由や真意について解説する

 もっと売れたスカイラインは4代目ケンメリ

 長くつづくモデル名には、各世代に思い入れがあることが多い。そのためフルモデルチェンジをすると必ずといっていいほど「こんなの俺たちの●●じゃない」という批判的な声がSNSなどをにぎわす。

 そんな長寿モデルのひとつが、日産スカイラインだろう。1957年に初代スカイラインが登場したとき、その製造事業者は日産に吸収される以前のプリンス自動車で、1968年にフルモデルチェンジした3代目からが日産スカイラインとなっている。3代目といえば「ハコスカ」の愛称で知られ、最初にGT-Rが誕生したスカイラインとしても印象深い。

 そんなスカイラインが日本市場でもっとも愛されたといえるのが、「ケンメリ」の愛称で親しまれた4代目スカイラインだ。ハコスカGT-Rが築いたスポーツイメージを全モデル的に受け継いだスポーティなルックスは、日本車にスポーツセダンというジャンルを確立させたといっても過言ではない。

 実際、4代目スカイラインは59カ月のモデルライフにおいて63.8万台ものセールスを達成。これは歴代スカイラインにおいて最多販売レコードとなっている。

 ちょっと刺激的な『いつから日本人の好きなスカイラインじゃなくなってしまったのか』というタイトルをつけたが、数字だけで判断するならば日本市場がもっとも愛していたスカイラインは4代目ということになり、それ以降は販売台数を減らしていった。

 グリルレスのRSグレードが「鉄仮面」と呼ばれた6代目スカイラインの総販売台数は31.2万台となっているから、ピークに対して半減してしまったのだ。誤解を恐れずにいえば、スカイラインというブランドは4代目が確立し、それを徐々に消費しているというカタチになっている。

 その象徴といえるのが丸4灯テールだろう。スカイラインといえば丸4灯テールというイメージを持っているファンも多いだろうが、ハコスカのテールレンズは角タイプであって、丸4灯が採用されたのは4代目のとき。その後、スカイラインには欠かせない要素となり、丸4灯モチーフは現行モデルでも採用されているのは、大ヒットした4代目にあやかっているともいえる。

 さらにスカイラインには直列6気筒エンジンを積んでいるべし、という思いを持っているファンも少なくないだろう。とはいえ、初代から8代目(R32型)まで4気筒エンジンを積んだグレードは設定されていた。4代目のケンメリにしてもデビュー時にはプリンス自動車由来の4気筒を積んだグレードと、日産由来の6気筒を積んだグレードがあった。

 直列6気筒エンジンの設定しかないスカイラインは、じつは9代目(R33)と10代目(R34)だけだったりする。

 ところで、スカイライン像を強くしたモデルは4代目だけではないだろう。

 今はプレミアムセダン需要を満たすことが役割

 おそらく現在のスカイライン像に大きく影響しているのは8代目で復活した第二世代のGT-Rで間違いない。その心臓部はGT-R専用の2.6リッターツインターボ「RB26DETT」エンジンで、もちろん直列6気筒だった。スカイラインはFR駆動を基本とするのは現在にも続く伝統だが、第二世代GT-Rには「アテーサE-TS」とネーミングされたトルクスプリット式4WDシステムを採用したことの印象も強い。

 ただし、この4WD駆動系についてはスカイラインのメカニズムというよりもGT-Rの専売特許といった風に捉えているファンも多いだろう(実際にはスカイラインの4WDにも使われてきている)。

 そしてR34スカイラインの生産が終了した(通常モデルは2001年、GT-Rは2002年)ことによって、直列6気筒のスカイラインは消滅する。振り返ると、エンジンが直列6気筒でなくなった時点で「こんなの俺たちのスカイラインじゃない」と強く言われるようになったのではないだろうか。

 とはいえ、それまでも7代目がハイソカー風のキャラクターになったときも「こんなモデルは認めない」という熱狂的なファンはいたし、9代目のボディが大きくなったことで「駄作」という烙印を押すファンは少なくなかった。いつの時代でも、それぞれのファンが自分なりの思い入れから独自のイメージを持ち、その認識とのずれを感じると「これは違う」と批判されてきたのがスカイラインともいえる。

 現在のスカイライン(V37)が13代目にあたる。最新ラインアップでは405馬力の3.0リッターV6ツインターボを積む400Rグレードがスポーツイメージを強め、一方でV6ハイブリッド車には条件次第では手放し走行も可能な先進運転支援システム「プロパイロット2.0」を搭載するなど、日産の技術を象徴するモデルとなっている。

 今後についていえば、そうした最新テクノロジーに基づくスポーツイメージを活かして、日産ラインアップにおけるプレミアムセダン・セグメントのニーズを満たす役割を一身に担うことが期待されているのが、これからのスカイラインといえる。

 思えば、4代目の生産終了から44年も経っている。

 クルマに求められる機能も変わってくるし、世界的な情勢、日本市場のニーズも大きく変化している。しかし熱心なファンはそれだけの時間が経っていることを忘れてしまったかのように、何十年も前のイメージを最新モデルに重ねてしまい不満を唱えてしまう。

 スカイラインに限った話ではないが、熱心なファンであるほど愛するモデルに対して一家言あるだろう。しかし、カーボンニュートラルが求められる現代において、将来的にエンジン車が消えていくことは既定路線ともいえる。その中で、いつまでも「直列6気筒エンジンでなければ認めない」などと主張することは、ナンセンスにも思えるのだ。

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