この記事をまとめると
■ロールス・ロイス・ファントムシリーズIIが日本初上陸
手足の震えがとまらない! 助手席との会話不可! 数多のスーパーカーに乗ってきたジャーナリストが「走らせる」だけで苦しんだクルマ3選
■ハイライトは新デザインとなったパンテオングリルで、ファントムの存在感が大幅にアップ
■ロールス・ロイスの深淵なるビスポークの世界を体験できるゾーンも設けられていた
ファントムシリーズIIの存在感に圧倒されっぱなし
世界最高峰のクルマといえば、真っ先に名前の上がるブランドは「ロールス・ロイス」だろう。セダンのゴースト、SUVのカリナン、クーペのレイス、オープンカーのドーンなど、さまざまなモデルを用意するロールス・ロイスだが、それらすべてのモデルの頂点に立つのがファントムだ。現行型ファントムは、2017年に登場した第8世代であり、2020年5月にはマイナーチェンジを実施。シリーズIIへと進化を果たしている。
このほどロールス・ロイスは、そんなファントムシリーズIIを日本初上陸させてお披露目した。紹介してくれたのは、現行車のプロダクト・スペシャリストであるケンザ・サーディ氏。開発から市場投入に至るまで、ファントムシリーズIIに深く関わった、ファントムシリーズIIを知り尽くした人物だ。
ケンザ・サーディ氏が紹介してくれたファントムシリーズIIのハイライトは、グリル最上部に新たに水平ラインを追加した新デザインとなったパンテオングリルだそう。追加されたこのラインは、こちらも新たにデザインし直されたヘッドライトのLEDデイタイムランニングライトと一直線を結ぶ。グリルとデイタイムランニングライトによりファントムのマスクを水平に貫くラインが形成されたことで、その存在感がより強調されることになった。
また、今回のシリーズIIより、ゴーストで装備されて話題となったイルミネーションつきのグリルを採用。夜間に照らし出されるパンテオングリルは圧巻だ。
ファントムシリーズIIでは、新デザインとなったヘッドライトにも注目したい。デイタイムランニングライトの形状がグリルに合わせて変更されたのは先に述べたが、それ以外にもベゼル部に細かいホール加工を施すことで夜空に煌めく星々を表現。
インテリアのルーフにスターライトヘッドライニングが仕込まれるのは、ロールス・ロイスではよく知らているが、ファントムシリーズIIでは、ヘッドライトにも星が煌めくことになった。
ロールス・ロイスの真髄はビスポークにあり
ボディのサイドにまわり込むと、お馴染みのボディラインは健在。そのなかでひときわ個性を放つのが、新デザインの22インチ・ステンレススチール製ホイールだ。三角形をテーマに複雑に3D形状で削り出され、大柄なボディでのっぺりしがちなサイドビューにアクセントを与えている。
一方、贅を凝らしたインテリアは、ステアリングホイールが少しだけ太くなった以外に既存モデルからほとんど変更はない。といっても、ファントムに関しては、多くのモデルがビスポークで仕立てられるため、この世に同じインテリアを持つモデルなどはそうそう存在しないのだが……。
もちろん、今回のイベントで日本初お披露目されたファントムシリーズIIもビスポークによって仕立てられたものだ。コーディネートをしたのは、昨年10月にロールス・ロイスのアジア太平洋リージョナル・ディレクターに就任したアイリーン・ニッケイン氏。
一見するとマットブラックのように見えるボディカラーも、じつはトップコートされたパール塗装という複雑なカラー。ホワイトのレザーにピンクのパイピングが施されたインテリアも個性的だ。
ビスポークといえば、発表会の会場にはロールス・ロイスの世界観とビスポークの可能性を体験できるゾーンが設けられていた。そこにはビスポーク・セールスの責任者であるクリストファー・コーデリ氏とビスポーク・エンブロイダリーのスペシャリストであるジョシュア・リレス氏も来日しており、過去の施行事例を参考に、ロールス・ロイスの深遠なビスポークの世界を紹介してくれた。
ファントムシリーズIIの日本での価格は6050万円から、エクステンデッド(ロングホイールベース)に至っては7007万円からとなる。ビスポークプランによってはこのプライスに、かかった分だけの費用が追加されていく。気が遠くなりそうな金額ではあるが、世界に1台しか存在しない自分だけのファントムシリーズIIが手に入ると考えれば、それは相応しい対価なのかもしれない。
そして、そう信じ込ませてくれるだけの世界観が、ロールス・ロイスには確かにあることを教えてくれる発表会だった。
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