1984年フェラーリGTO
フェラーリ・スペチアーレ・モデルの起点となったのは、1984年に登場した(288)GTOだ。GTOはFIAが制定した新車両規定のグループBクラスの公認を得るために製作されたホモロゲート・モデル。限定車ということから発表と共にコレクターからオーダーが殺到し、義務生産台数の200台を大幅に超える272台が生産された。参加するレースが開催されず闘う場を失うが、コレクターズカーという新たな市場を切り開いた。
●90度V型8気筒DOHCターボ
2855.08cc、400hp/7000rpm、1160kg、305km/h
1987年フェラーリF40
フェラーリ社設立40周年を記念して送り出されたのがF40である。ル・マン24時間レース参戦も画策しF40LMとも称され、エンツォ・フェラーリが発表会に参列した最後のモデルでもある。GTOの発展型として製作され、剛性を高めるためコンポジットパーツがフレームに接着。レーシングマシンを思わせるスタイリングが大きな反響を呼んだ。折からの世界的なバブル景気もあり最終的に1311台が送り出された。
●90度V型8気筒DOHCターボ
2936cc、478hp/7000rpm、1100kg、324km/h
1995年フェラーリF50
F40に続くスペチアーレの第3弾がF50だ。その名とおり創立50周年を記念した限定車で、量産したF40の反省から349台の限定車とされた。「公道を走るF1」と謳われ、カーボンモノコックやサスペンション、シャシーの構造材として使用されるノジュラー鋳鉄のシリンダーブロックなど、F1マシン直系のテクノロジーが投入された。昨今のオークションでは、究極のエンジン車としてプレミアムモデルの最高値を記録している。
●65度V型12気筒DOHC
4698cc、520hp/8500rpm、1230kg、325km/h
2002年エンツォ・フェラーリ
スペチアーレの4作目は、創始者であるエンツォ・フェラーリの名が与えられ、399台の限定車とされた。エンツォ・フェラーリの哲学を直接受け継いだルカ・ディ・モンテゼーモロが采配を振り、その名に恥じぬF1直系のテクノロジーで構成された。スペチアーレとして初の2ペダルでパワーステアリング、そして操安デバイスが採用され、誰にでも乗れる仕立てとされた。デザインは当時ピニンファリーナに在籍していた奥山清之氏が担当した。
●65度V型12気筒DOHC
5998cc、660hp/7800rpm、1255kg、350km/h
2013年ラ フェラーリ
エンツォ・フェラーリから11年のブランクののち、2013年に499台の限定車として送り出されたスペチアーレがラ フェラーリだ。フェラーリ初のハイブリッドモデルで、F1由来のハイブリッドソリューション『HY-KERSシステム』を装備。V12エンジンの800psに電動モーターを加えた統合出力は960psに達する。2016年にはオープン版のラ フェラ―ル・アペルタが209台限定で製作された。
●65度V型12気筒DOHC
6262cc、800ps/9000rpm+163ps、1585kg、350 km/h 以上
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