アウディの新型「S3セダン」に小川フミオが試乗した。今や希少なコンパクト高性能セダンとは?
ちょうどいいサイズのスポーツ・セダン
29歳、フェラーリを買う──Vol.130 愛車遍歴~BMW編
大きすぎないサイズのセダンで、ただし、乗って楽しいものが欲しい……そう思っているひとは少なくないのでは。お勧めの1台は、アウディの新型「S3セダン」だ。310psのパワフルなエンジンに、4輪駆動システムの組合せで、“気分がアガる”のは間違いない。
いまのS3シリーズ(セダンとハッチゲートをそなえたスポーツバックの2モデル)の発売は、ベースモデルのA3とおなじく2021年の5月だった。私は新型A3に乗ったとき、そのスムーズな駆動系に感心した。今回、S3セダンでは、ダイレクト感のあるスポーティな操縦感覚がつよく印象に残った。
S3セダンは、1984cc直列4気筒ガソリンターボ・エンジンを搭載する。けっこう高圧の1.8バールの過給圧をもつターボチャージャーがインタークーラーとのセットでそなわる。最高出力は228kW(310ps)、最大トルクは400Nm。数値から期待できるとおりの加速性を味わえる。
そもそもSモデルとは、ベースモデルをスポーティに仕上げたもの。S3セダンは、140kWのA3 40TFSIクワトロがベースなので、ツインクラッチ式の7段「Sトロニック」変速機や、前後サスペンションは共用。そのうえで、上記のとおりパワフルなエンジンを搭載し、車高を15mm低く設定している。
エクステリアとインテリアも独自のデザイン要素が加えられた。ボンネットの先端には、「往年のAudi quattroを彷彿とさせる」とアウディがみずから述べる3本のスリットが設けられた。
シングルフレームグリルの内部はハニカムパターンとなり、フロントバンパーは大型化している。大きなエアインテークをもつフロントバンパーと、リアディフューザー、さらに、左右4本出しのテールパイプがアグレッシブな印象で眼をひく。
インテリアでは、黒を基調にステッチが入ったスポーツシートを採用。「プレミアムスポーツの雰囲気を強調」したとアウディではする。
ダッシュボード上面にはレースカーのように反射の少ない人工スウェードが貼られ、そこのステッチの飾りがスポーティな気分を高めてくれる。
希有な存在
乗り出してすぐ気がつくのは、いさましい排気音だ。つぎに、路面のインフォメーションが逐一手のひらにつたわってくるステアリングである。もうすこしインシュレーションを効かせて、手のひらが感じる振動を抑えてもいいのでは? などと私は思ったものの、走らせているうちに、このダイレクト感も悪くないと考えるようになった。
私が評価するダイレクト感とは、アクセルペダルへの反応の速さと、トルクがたっぷりあるよく回るエンジンと、車線変更時やコーナリング時の俊敏な車体の動きだ。ドライブモードセレクター(ダンピングコントロールサスペンションとセットで11万円のオプション)は「オート」が快適であるものの、「ダイナミック」に切り替えると、S3セダンのスポーティな持ち味が“全開”になる。
高めのエンジン回転が維持され、すこし操舵感が重めになるものの、おもしろいようにくいくいと車体が反応するステアリングなど、このあと、さらにスポーティな「RS3」もこれから日本に上陸すると思うが、S3セダンでもじゅうぶん楽しいドライブが味わえるのだ。
室内には、排気音をふくめたエンジン音やロードノイズがそれなりに入ってくるとはいえ、うまく”丸めて”あって、耳に痛く感じる要素はない。私には印象がいい仕上げだと思えた。オーディオも再生領域が広くて、交響曲もジャズカルテットもラップも楽しめるはず。
全長は4505mmと、日本の路上であつかいやすいサイズにとどまっている。室内は後席にも175cmのひとが2人並んで座っていられる。
パッケージングは上手で、加えて、トランク容量は425リッターあるので、こちらも実用的だ。
S3セダンの価格は661万円。価格からすると、内装の仕上げがややシンプルでありすぎる気がしないでもない。ただし、12.3インチのバーチャルコックピットプラスが標準装備で、そのうえドアの建て付けにはじまり、各部の仕上げは質感が高く、操作類の扱いやすさなど、メリットは多い。
そもそも、コンパクトなサイズで、運転が楽しいセダンという存在じたいが希有である。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
国民ブチギレ!? なぜ「13年」で”自動車税”高くなるのか 軽自動車は20%加算も!? 「やってらんない税」「税金安くしろよ」の声上がる 理不尽な重課措置の仕組みとは
トヨタ「ノア“SUV”」!? 斬新”格納式座席“で超広々空間出現! まさかの”SUVミニバン”「ノア アクティブ クロス」が今なお話題に
出た~~!大型連休に大量出没「サンデードライバー」の困った行動とは 「周囲の怒り」食らわないために守るべき「運転時の当たり前」
新型コンパクトSUV ホンダ「WR-V」の快進撃が止まらない! 月間受注1万台超えは計画の4倍以上 なぜ人気? “コスパ”だけでないその理由とは
全長3.4mでも「7人乗り」!? 大人4名で「車中泊」も可能! 斬新すぎる“超狭小”ミニバン「ドミンゴ」が凄い!
子育て世帯に最適なクルマとは? 「ミニバン買おう」「やっぱり軽自動車」より遥かに大事なことがあるんです
2択アンケート「中国車のイメージは、最先端のEV? 時代遅れのコピー車?」【クルマら部 車論調査】
BEVが世界的に失速したわけじゃなくハイブリッドがより絶好調なだけ! これを機に地球環境とクルマについて世界規模で考えるべき!!
ガス欠の反則金「9000円」知らない人多い? 違反になることも、どんな場所で? 給油ランプ光ると後何キロ走るの?
国民ブチギレ!? なぜ「13年」で”自動車税”高くなるのか 軽自動車は20%加算も!? 「やってらんない税」「税金安くしろよ」の声上がる 理不尽な重課措置の仕組みとは
みんなのコメント