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小沢コージのここからですか? なぜいまさらエンジン気筒休止なの? エンジンを半分ナマケさせる古典的アイデア再び

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小沢コージのここからですか? なぜいまさらエンジン気筒休止なの? エンジンを半分ナマケさせる古典的アイデア再び

■マツダはまだまだエンジンをあきらめてない

 こんにちは。愛のおクルマ伝道師、小沢コージです。今回はマツダが突如人気SUV、2代目「CX-5」に初搭載してきた新作2.5リッターガソリンンエンジンの「気筒休止システム」についてお話したいと思います。

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 これはある意味、テクノロジーのルネッサンス(復興)とも言うべき激シブ技術です。大抵は4気筒以上あるレシプロエンジンを、文字通り状況に応じて半分を休止させることで、低燃費を獲得しようという狙い。言わば両足で漕いでいた自転車のペダルを、パワーが必要ない時に限って片足で漕ぎ、ラクに高効率に走りましょうというアイデアです。

 擬似的には排気量可変システムのようなもので、4リッターV8エンジンを一時的に2リッター直4エンジンに、3リッターV6エンジンを一時的に1.5リッター直3エンジンに変えるが如き効果があります。

 ただしよく考えてみればわかりますが、発想自体は決して複雑なものではありません。ハイパワーのための大排気量多気筒エンジンを、フルに使わない時には半分休ませようというもの。80年代に発案され、1981年のキャデラック・フリートウッド用6.0リッターV8エンジン(L62 V8-6-4 エンジン)で初めて実用化され、日本のホンダV6エンジンなどにも使われてきました。そんな定番技術をなぜ今さらマツダが採用してきたのか。

 しかもかつては大抵3~4気筒休止できてロス軽減効果の高いV型エンジンに使われていたのに、今回マツダは直列4気筒エンジンに採用。2気筒分の削減効果しか得られず、これは2012年にVW(フォルクスワーゲン)が1.4リッター直4TSIターボに使って以来のことです。このあとメルセデス・ベンツも使うのですが。

 さらに言うとVWが4気筒あるうちの両端1&4気筒を休止させるのに対し、マツダがセンター側の2&3気筒を休止させる方式であること。この微妙なアマノジャクさがマツダらしくてたまりません。

■回りを気にしないオレ流マツダエコ技術

 小沢がスバリ勝手に申し上げると、これは気筒休止がまだ使えるエコロジー技術ということだけでなく、マツダはエンジン技術をまだまだあきらめてないぞ!というシブいメッセージでもあります。

 今や自動車業界はすっかり電動化ムード。エンジンを全く使わず、電気モーターだけで走るピュアEVや、日本でお馴染みのモーターとエンジンを両方使うハイブリッド、あるいは搭載電池量を多くし、半分ピュアEVとしても使えるプラグイン・ハイブリッドなどが主流とされています。よってこれらの電動化でエコ化には十分対応できるから、エンジンはさほど改善しなくてもいいんじゃない?という考えもあるようです。

 しかしマツダ開発陣は2025年でもピュアEVの世界的販売割合はせいぜい10~15%と予測しています。電動技術も徐々に取り入れられていきますが、当分のメインはエンジンであり、そちらを優先的に高効率化する方が”本当の意味でエコではないか”と考えているのです。

 したがって冷静かつ合理的にエンジン効率化技術を取り入れ続けているのです。その着実かつ長い道のりが始まったのは、2012年に始まったスカイアクティブ戦略から。まず入れたのはガソリンエンジンの「高圧縮比技術」やディーゼルエンジンの「低圧縮比技術」で見事に成功を収めました。

 特にクリーンディーゼルは今やマツダ大躍進のメイン技術です。その後もミラーサイクルや断熱技術など、本質的なエンジン効率化技術を入れられるものから冷徹に導入していっています。技術をその時のトレンドに沿って進化させるのとは少し異なるやり方なのです。

■乗ってもまるでわからないオカルトっぽさ

 肝心の新型気筒休止2.5リッターガソリンエンジンのフィーリングですが、正直乗っても全くわかりませんでした。今回、小沢は新エンジン搭載の改良版マツダ「CX-5」に乗り、横浜周辺の高速&下道を走りましたが、ホントに言われないとまるでわからない。いや言われてもわからないレベル。まるでキツネにつままれたような気分です。

 おそらくエンジン内では燃料がカットされ、吸排気バルブが閉じられたまま両サイド1&4気筒が空回りしているはずですが、体感的には全くわからないです。

 具体的にはアクセルを開閉度10%ぐらいで踏んでいる時に作動するようで、時速80km一定走行だとkm/Lを9%ほど改善できるとか。

 試乗車には作動のオンオフがわかるインジケーターが付いていましたが、それを見て「あ、今動いてる!」とやっとわかる程度。具体的には高速で巡航中、アクセルをオフにはしないものの緩めてダラダラ走っている時、街中も同様にパーシャルスロットルでゆっくりと、アクセルを緩めんがばかりでは走っている時に作動ランプが点滅していました。

 小沢はふと、学生時代の部活で、たらたらランニングしている“ふり”が上手い姑息な選手を思いだしました。発想はマジメなのに、出来としては騙しに近い雰囲気も少しあるのです。

 また面白いのは同じ気筒休止でもメーカーの個性が出ていること。前述した4気筒のセンター側ではなく、両サイドを空回りさせるマツダ方式は、気筒1番目に爆発させるとフライホイールから遠くて振動が出やすくなっちゃうからだし、気筒休止のための「スイッチャブルHLA」はエンジンヘッドの高さを抑える効果があるし、振動を減らすためのマツダ独自の「振り子ダンパー」も初採用。

 どれも過去の自動車技術から発掘し、再生させたようなシブいメニュー。絶妙にマツダのフィロソフィーに沿った他がやらないテクノロジーなのです。

 一見ジミだけど語る事が山の様にある技術ばかり。自動車って本当に深いですよねぇ。

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