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マレーシアには自国自動車メーカー「プロトン」と「プロドゥア」が存在! BEV化の流れが押し寄せるなか「中国ブランド」の脅威に抗えるか?

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マレーシアには自国自動車メーカー「プロトン」と「プロドゥア」が存在! BEV化の流れが押し寄せるなか「中国ブランド」の脅威に抗えるか?

 この記事をまとめると

■12月4~11日にマレーシアで「クアラルンプール国際モビリティショー2024」が開催

原油が採れる量の問題じゃない! 日本のガソリン価格高騰はほぼ「産油国の政治的思惑」によるものだった

■マレーシアには「国民車」的存在のプロトンとプロドゥアという自国ブランドがある

■マレーシアは2023暦年締め新車販売台数でインドネシアに次ぐ2位となっている巨大市場

 マレーシアで6年ぶりのモーターショーを開催!

 2024年12月4日(水)にマレーシアの首都クアラルンプール市内にあるMITEC(マレーシア・国際・貿易&展示・センター)にて、11日までの会期で「クアラルンプール国際モビリティショー2024(KLMS2024)」が開幕した。

 それまでは、結果的には不定期開催ではあったものの、「クアラルンプール国際モーターショー」として、2018年までに9回開催されており、2024年に6年ぶりにショーの名前を変えて開催された形だ。

 ほぼ時を同じくして、タイの首都バンコクにて「第41回タイ国際モーターエキスポ2024(通称バンコクモーターエキスポ)」も開催されているのだが、あえて筆者がKLMS2024を取材先に選んだのは、久しぶりにマレーシアで開催される自動車ショーであることと、マレーシアには「国民車」とも呼ばれる、プロトンとプロドゥアというふたつの自国ブランドがあり、これらのブランドブースを会場で見たいということからKLMS2024を選んだ。このふたつのブランド車はほとんどマレーシア以外の国では展開されていないからだ。

 似たようなクルマでは、かつてウクライナ紛争前だったものの、すでにクリミア半島に侵攻したロシア下で開催された、モスクワモーターショーには中国と韓国系ブランド以外、西側諸国ブランドはブースを構えていなかったなか、ロシアブランドという事情から、モスクワモーターショー以外ではほとんどお目にかかれない、ロシアブランドの「ラーダ」ブース及びラーダ車が見たくてモスクワに行ったことが筆者はある。今回のマレーシア行きも、同じような感覚で心を躍らせていた。

 他国では見ないクルマが街を駆け抜ける!

 空港から市内へタクシーで向かったが、街を走るクルマはプロトンとプロドゥア車ばかり、プロトンは中国ジーリー傘下で、プロドゥアはダイハツが資本参加しているので、いずれも「どこかで見たことのある」モデルばかりなのであるが、微妙に顔つきが異なっていたりして、ほかの東南アジア諸国とは見える風景が異なっている。

 実際にショー会場を訪れると、プロドゥアは市販車が置かれていなかったものの、プロトンにはジーリーモデル系ではない、プロトンオリジナルのコンパクトセダン「サガ」が置いてあり、思わず感激してしまった。

 日系ブランドでは、トヨタ、日産、ホンダ、三菱、マツダがブースを構えていた。トヨタは新型カムリのマレーシアプレミアと、カローラクロスの改良モデルを、日産はキックスeパワーのマレーシアでの発売、ホンダはプレリュード・コンセプトのアジアプレミアなど、魅力的なモデルを会場内で発表して存在感を示していた。

 自国ブランドを有するマレーシアは、人口がタイの約半分となるものの、2023暦年締め新車販売台数では、東南アジア有数の自動車生産国であるタイを上まわり、インドネシアに次ぐ2位となっている。

 開幕式にはダトゥク・セリ・ファディラ・ユソフ副首相が出席し登壇。マレーシアをBEV(バッテリー電気自動車)の生産拠点として新たなイノベーションを起こしたいと語っていた。しかし、その肝心のBEVは街なかを見るとタイの首都バンコクはおろか、インドネシアの首都ジャカルタより目立っておらず、普及は伸びているもののまだまだこれからといった様子がうかがえる。KLMS2024には中国系ブランドも出展しているが、BEVを前面に押し出すことなく、HEV(ハイブリッド車)など、ICE(内燃機関)搭載車の展示も目立っていた。

 自国ブランドがあるだけに、このままタイやインドネシアのように中国系ブランドの存在感がひたすら増していくのか、その先行きはじつに興味深いものとなっている。

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