申し込みのチャンスは購入時のみ、納車後に付けることはできないメーカーオプション。それだけに、ギリギリまで予算とにらめっこをして悩みぬくという人も多いだろう。付けなかった後悔と、付けたことの後悔、どっちをとるか? 判断は難しいところだが、ディーラーの営業マンによれば、メーカーオプションに関しては「付けときゃよかった」という声を聞くことのほうが多いという。
ということで今回は、そのなかでも特に「付けておきゃよかったー!!」の声を聞くことが多いメーカーオプションをディーラーの営業マンが教えてくれた。新車購入の際に参考にしてほしい。
営業マンがこっそり教える「付けておきゃよかったー!!」と後悔の声多数のメーカーオプションとは?
文/藤原鉄二、写真/ダイハツ、トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、三菱、写真AC
危険な目に遭って「安全装備」の必要性を実感したという声が多数
ヤリスクロスの場合はパノラミックビューモニター(360°モニター)が全車メーカーオプション設定。本体価格は3万3000円(税込)
付けなかったことへの後悔の声が圧倒的に多いのが安全装備関係のメーカーオプションだという。価格が高いため躊躇しがちだが……。
「後付けできるものが増えているから必要と思った時に付けるとおっしゃる方もいるのですが、いろいろ付けているうちにかえって高額になることがあります。予算にある程度幅をもたせている方であれば、車両本体価格は多くなりますが、多くの安全装備が標準装備とされているグレードをお薦めしますね。
ただ、自分は大丈夫、事故は他人事と思われている方も多くて……。実際に危険な目に遭ったことがない方は安全装備に投資する価値をイマイチ感じられないという方もいるんですよね」
出費を抑えたいけれど……と迷っている場合は、車両全周囲検知システムを薦めるという。標準装備とする車種も増えてきたが、エントリーグレードなどではメーカーオプションであることが多いシステムだ。
「付けなかったことの後悔を口にするのは、駐車中にクルマをこすってしまったと修理に出してくるお客様ですね」
車両全周囲検知システムの場合は、社外品で類似の機能を持つものを取り付けできる場合もあるが、カメラの取り付けなど、かなり大がかりな作業となるため、取り付け費用がかさむ。ということで、「だったら付けておけばよかった……」ということになる可能性もある。
「あとは自動ブレーキですね。ただし、こちらは中高年以降の方がほとんどですが。運転していて事故には至らなかったものの、ヒヤッとした体験をしたというお客様は付けておけばとおっしゃいますね」
自動ブレーキに関しては、2021年11月から国産新型乗用車への装着が義務付けられたものの、現状ではメーカーオプション設定の車種が多い。もし、自分以外の家族なども運転をする機会が多いような場合には、付けておくと安心のシステムだ。
「急発進防止装置のように後付けできるものも多くなってきていますが、メーカー純正のものなら信頼性に関しては問題ないですが、汎用品の場合はピンキリで……。個人的にはお薦めしがたいかなと」
安全装備に関しては、事前にどんな装備が必要かを慎重に確認して、あとは予算と照らし合わせつつ営業マンと相談して決定することをお薦めする。
快適装備なら一押しは「電動スライドドア&アクセサリーコンセント」
予算に限りがある場合、真っ先にカットするのが快適装備だろう。とはいえ、他をカットしても「これだけは!」という装備は知りたいところだ。
「電動スライドドアや電動バックドアは便利な装備です。知り合いのクルマに付いていて使ったところ意外なほど便利で、付けておけばよかったと思ったという方が多いですね。特に、ファミリーユースの方からの声が多いです」
電動スライドドアや電動バックドアは車種によって価格差があるが、工賃なども含まれると5万円以上はかかってしまうのが一般的。ここが難点だが……。
もうひとつ、付けておけばよかったの声が多いのがハイブリッドカーやPHEVにオプション設定されているアクセサリーコンセント。ただし、価格は5万円前後と意外と高額。例えば、カローラクロスの場合は100V・1500Wで4万4000円(税込)となっている。
「自然災害などが多くなっている昨今、アクセサリーコンセントを選択するお客様は増えています。ただ、実際には意外と使用しないなぁというお客様も多いのも事実です。そのため、万一の備えを気にする方、キャンプなどのアウトドアレジャーを楽しむといった方にはお薦めしています」
否定的な声も多いものの……「サンルーフ」
カローラクロスのZ、Sグレードで選択可能なパノラマルーフ電動サンシェード。本体価格は11万円(税込)。賛否両論のサンルーフだが、SUVなどでは装着する人が多いという
「いらない」と否定的な意見が多いイメージのメーカーオプションのひとつがサンルーフ。しかし、「付けておいたらよかったかも」という声も意外と多く聞かれるという。
不人気の最大の理由は車体本体価格が高くなる点。サンルーフのタイプによっても異なるが、一般的には10万円ほどは高くなってしまう。また、車重が重くなることで燃費が悪くなる、断熱性が悪くなるため、エアコンの利きが悪くなる場合もあるなどのデメリットも指摘されるが……。
そんなデメリットを鑑みても、ファミリーユースのクルマ、アウトドアレジャーを楽しむことが多い人はサンルーフの良さを感じているようだ。
「そもそもサンルーフの設定があるクルマが減ってしまっているのですが、逆に、欲しいという人も以前より若干増えている印象です。いずれにせよ、迷っているような方には、細かい部分のメリットとデメリットをお伝えすることが多いです。ちょっと忘れがちなデメリットしては、故障した時の修理代が高額になることもあるということですかね。ただし、買い取り査定の時はプラス査定となることは多いですよ」
スタイリングを崩したくないならお薦め「ルーフレール」
すべての車種に設定があるわけではないが、ルーフレールを使用することがあると思う場合は付けておくことをお薦めするという。
「後付けができるディーラーオプションもありますが、スタイリングを壊さないのがメーカーオプションの魅力ですね。また、汎用品を取り付けてボディにキズを付けてしまったと言う方もいらっしゃいますし」
とはいえ、車種にもよるが4万円前後はかかることが多いため、使用頻度が低い場合は必要がない装備と言える。
「社外品でもよかったかなぁ」の声があるメーカーオプション
■カーナビ
「付けておいたほうがいい」の定番といえばカーナビ。室内の美観を損ねないなどの理由から純正品を選択する人は多い。しかし、実は「社外品でよかったかな」という声も多いという。
「出費が抑えられるということが付けない理由では多いのですが、たまに社外品のほうが純正品より多機能なものが選べると言う方もいらっしゃいます。逆のパターンもありで、そんなに多くの機能があってもどうせ使いこなせないし、ナビ機能しか使わないならスマホアプリでもいいと言うお客さんもいるんですよ」
また、ディーラーオプションは値引き幅が大きいということで、ディーラーオプションのカーナビを選択するという人も多いという。とはいえ、ナビには各種カメラ機能、安全装備などの先進機能と連携されている車両も多くなっているため、安全装備を付ける場合は必須となる装備である。
■オーディオ関係
豪華なサラウンドシステムなどのオーディオ機能だが、これは後悔の声のほうが多いという。
「音楽が好きなので飛びついてしまったが、実際、そんな車内で高音質の音楽を聴く機会がないし、付けなくてもよかったかなぁとおっしゃる方はいますね」
オーディオに関しては、ディーラーオプションでも設定があることが多く、価格も比較的抑えられるので、初期の出費を抑えたい場合はオーディオは付けなくてもいいメーカーオプションかもしれない。
【番外編】寒冷地ではなくても意外に需要が多く、意外とお得な「寒冷地仕様車」
寒冷地仕様車はドアミラーヒーターなど、寒冷地で快適に安全に運転ができる装備がてんこ盛り。写真のように雪がこびりついて……ということもない。また、霜、露、雨滴も素早く除去できる
寒冷地仕様車というと北海道などの寒冷地で乗る場合以外は必要のないものと思われがちだが……。
寒冷地仕様車とは、具体的には、バッテリーやオルタネーターの大容量化、防錆性の強化、車内暖房の強化、エンジンオイルの低粘度化、ウォッシャー液を入れるタンクの大容量化など、細かい部分にまで寒冷地での使用に支障が出ないような工夫が施されている。
一般的には、気温がマイナス10℃以下になることがある地域が寒冷地と分類される。例えば、北海道地区では寒冷地仕様が全車標準装備になっていて、車両本体価格が車両により多少異なるが、北海道地区価格として2~3万円ほど高くなっている。
「かなりの仕様変更が施されているにもかかわらず、2~3万円程度の上乗せならかなりお得だと思いますね。そのため、寒冷地にお住まいではなくてもウインタースポーツ、キャンプなどのアウトドアレジャーに多用するという方のなかには、寒冷地仕様車でもよかったかなとおっしゃる方がいます」
ただ、寒冷地仕様車は少し車重が重くなる、仕様が変更されている部分の修理が必要になった時に部品代などが余計にかかるなどのデメリットはある。
ディーラーオプションで代用可能なら……
メーカーオプションはオーダーしてしまってからでは付けられないので、念のため付けておこうという人は多いという。
「営業マンとしてはありがたいのですが、本音を言うと、無理してまで付けなくても……というケースもあります。メーカーオプションは付けておけば査定アップは期待できるものがほとんどなので、リセールなどを考えるなら付けてもいいと思いますが、予算に限りがあるなら営業マンとじっくり相談して決定したほうがいいです。値引き幅が大きいディーラーオプションで代用ができるなら、そちらを選択したほうがいいと思います」
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どの車種も排水のホースが詰まれば雨漏れを起こします。
車種によっては排水自体がなく、ボディーが錆びて穴が空いてしまっている場合もあります。
特に中古車を購入するなら気をつけて下さい。