今年の成人式は自慢の愛車で会場に乗り付ける新成人が多かったように思う。バブル期の頃のように、ちょっと(かなり? )背伸びしてでも見栄を張り、欲しいクルマを手に入れる若い世代の方が増えてきたのだろうか。
見栄を張る=他人を意識して無理に外観を飾ることを意味する。文字どおり「無理をする」のだ。
なぜ続いてしまったのか? トヨタ系列販売店の不正車検問題の背景を斬る!!
とはいえ、見栄を張るにもそれなりに体力がいるし、周囲に迷惑をかけない前提で・・・といった、暗黙の了解のもとで行うことも必要だろう。
文/松村透
写真/トヨタ、レクサス、ポルシェ、マセラティ、ベントレー
■オトコの60回ローン&トラブル上等!? クルマで見栄を張れるときに張るべし?
すでに生産終了となっているマセラティグランツーリスモ。当時の新車価格は1000万円を優に超えるが、中古車なら頑張れば手が届く・・・かもしれない
そんな見栄っ張りユーザーが少なくとも手に入れた初期段階では「とてもそんな値段で買ったとは思えない7台の高級車」を紹介したい。
*中古車相場は2022年3月3日現在のものです
見栄というと、マイナスなイメージに捉えられがちだが、一生にいちどくらいそんな虚勢を張ってみる時期があってもいいのかもしれない。
■車両本体価格100万円でも初代レクサスLSが射程圏内に!?
車両本体価格100万円というと、20代前半&通学でクルマが必要な学生さんでもアルバイトをすれば何とか手が届く価格帯だと思う。とはいえ、ローンを組む場合は保証人が必要かもしれない。
現代のクルマと比較したら多少燃費は悪いが・・・しかし、よほどクルマ好きでないかぎり「そんな値段で買えるの? 」と同級生の友人ですら驚くであろうモデルをピックアップしてみた。見栄を張りたいけれど、同時に壊れまくるのはしんどいはずだ。
ハリアー
・生産時期:2003年2月~2013年7月
・エンジン:直列4気筒DOHC、V型6気筒DOHC
・排気量:2362cc、2994cc、3456cc
・最高出力/最大トルク:160ps/22.5kgm、220ps/31kgm、280ps/35.3kgm
・発売時の価格帯:261.5万円~571.2万円
・現在の中古車相場:39万円~139.9万円
2世代前のハリアーだけに古くなってきた感は否めない。しかし、大人気のSUVが100万円そこそこで買えるのは魅力だ
メーター周りを中心に時代の流れを感じるのは事実だが、スイッチ類が独立しており、直観的で使いやすそうなハリアーのインパネ
レクサスLS
・生産時期:2006年9月~2017年9月
・エンジン:V型8気筒DOHC
・排気量:4608cc
・最高出力/最大トルク:370ps/48.6kgm
・発売時の価格帯:770万円~1348.5万円
・現在の中古車相場:29.9万円~530万円
初期モデルや過走行の個体であれば、先代レクサスLSも100万円台で手に入れることができる。黄ばんだヘッドライトなどをきれいに仕上げることで、とても100万円で買えるクルマには見えない
もともと1000万円クラスの高級車だけに、ドアを開け、運転席に腰を下ろした時点で特別な空間が広がるレクサスLSの室内
■車両本体価格300万円でポルシェパナメーラのオーナーに!?
車両本体価格300万円になると、幅広い年齢層のユーザーが想定される。新車でも必要にして充分なモデルを選ぶことができるはずだ。
それをあえて選ぶことなく、憧れのクルマを現金でポンを買ってしまう人から、頭金ナシ&男の60回ローンで買う人もいるだろう。
そこで見栄を張りつつも実用的なチョイスともう1台は思い切ってポルシェパナメーラを推したい。ある程度はメンテナンス代がかかってもなんとか切り抜けられるかもしれない。
レクサスRX
・生産時期:2009年1月~2015年9月
・エンジン:直列4気筒DOHC、V型6気筒DOHC
・排気量:2671cc、3456cc
・最高出力/最大トルク:188ps/25.7kgm、280ps/35.5kgm
・発売時の価格帯:415万円~578.1万円
・現在の中古車相場:89.8万円~289万円
人気モデルとはいえ、ハイブリッドやボディーカラーにこだわらなければ、先代モデルのレクサスRXも300万円で狙える
曲線を多用したインパネには慣れが必要かもしれないが、ドアを閉めた瞬間から高級車であることを実感できるレクサスRXの内装
ポルシェパナメーラ
・生産時期:2009年7月~2016年6月
・エンジン:V型6気筒DOHC、V型8気筒DOHCターボ
・排気量:2995cc、3605cc、4806cc
・最高出力/最大トルク:300ps/40.8kgm、333ps/44.9kgm、440ps/53kgm、500ps/71.4kgm、570ps/76.5kgm他
・発売時の価格帯:929万円~2980.8万円
・現在の中古車相場:218.8万円~1780万円
いまやポルシェの屋台骨を支えているカイエンやマカンなどのSUVに比べて、パナメーラを見かける機会は少ない。そこをあえて狙うのも手だ
レザーやウッド、アルミなど、質感の高い素材が用いられたパナメーラの室内。911などにも通じるスポーティなデザインも魅力だ
■車両本体価格500万円でも安定志向に背を向け、マセラティ&ベントレーで攻める!?
新車で500万円というと高級車が手に届く予算感だ。その安全パイをあえて捨て「攻めの500万円」で選ぶならこの2台だろう。
新車時の車両本体価格はもともとこの価格の数倍だ。安いにはそれなりの理由がある。たくさんの故障する要因を抱えていたり、前オーナーが重整備になる前の段階で手放した可能性もありうる。
あえてイバラの道を進むと知りつつも、新車で500万円台のクルマとはあきらかに異なる世界を垣間見ることができるのは間違いない。
マセラティクラントゥーリズモ
・生産時期:2007年10月~2019年11月
・エンジン:V型8気筒DOHC
・排気量:4244cc
・最高出力/最大トルク:405ps/47kgm、450ps/52kgm、460ps/53kgm
・発売時の価格帯:1530万円~2377万円
・現在の中古車相場:280万円~2220万円
車両本体価格500万円は決して安い金額ではない。しかし、覚悟を決めればマセラティオーナーも夢ではないにいると気づくだろう
真紅のレザーシートもイタリア車独特の色合いとなるマセラティグランツーリスモの室内。この色気は日本車はもちろんのこと、ドイツも永遠に醸し出せない気がする
ベントレーコンチネンタルGT
・生産時期:2003年10月~2011年1月
・エンジン:W型12気筒DOHC
・排気量:5998cc
・最高出力/最大トルク:560ps/66.3kgm、610ps/76.5kgm
・発売時の価格帯:2145万円~2570万円
・現在の中古車相場:268万円~598万円
2世代前のベントレーコンチネンタルGTなのでクラシカルな印象は否めないが、それも味わいのひとつと解釈してもいいかもしれない
スイッチ類以外のほとんどがレザーとアルミ(一部はアルミ調だが)で構成されているベントレーコンチネンタルGT。アナログの時計はブラインリング製だ
■番外編:孤高の存在である国産V12エンジンを搭載したセンチュリーを選ぶ!
見栄に情緒を加えるとどんなチョイスになるか?ここは至高のV12エンジンを搭載したセンチュリーを推したい。
もうこんな日本車は2度と買えないことは多くの読者がうすうす気がついているはずだ。
過走行気味の個体が多いのは法人利用を目的としたためと推察される。自身の愛車遍歴のなかに唯一無二の国産V12エンジンを搭載したセンチュリーが加わるなんて、プライスレスかつ胸を張って自慢できることではないだろうか?
トヨタセンチュリー
・生産時期:1997年4月~2017年2月
・エンジン:V型12気筒DOHC
・排気量:4996cc
・最高出力/最大トルク:280ps/46.9kgm、280ps/49kgm
・発売時の価格帯:1113万円~1253.8万円
・現在の中古車相場:49.8万円~419万円
時代や流行り廃りとは一線を画す、孤高の存在といえるセンチュリー
和テイストあふれるセンチュリーの室内。本木目パネルの仕上げに感動するに違いない
語り継がれる存在となるであろうV12エンジン。このエンジンを搭載したクルマというだけでも乗る価値があるかもしれない
■まとめ:型落ちでも格安でもトラブル上等でもその時代の高級車を味わえるヨロコビ
もともと高額なクルマを安価で手に入れるのだ。多少のトラブルは覚悟の上と思っておいたほうがいいだろう
見栄を張るというとネガティブに捉えられがちだ。しかし、見栄を張るにも体力がいる。
若い時に無茶をしてでも手に入れたクルマを、何らかの理由で手放すことになったとする。
「いまは手放したけど、あの時俺はV12エンジンを搭載したセンチュリーを手に入れ、乗り回していたんだ」という過去の経験なり事実の有無が、その後の人生に影響をおよぼすことがある。
経験者であれば分かると思うが、この事実の有無がプライドというべきか、意外と精神安定剤になったりもする。「あの時、無理してでも乗っておいてよかった」と、自分自身の気持ちに折り合いを付けることができるのだ。
コンディション良好な個体ほど、海外へと流れる可能性もありうる
型落ちでも格安でも、その時代の高級車としてデビューしているわけで、大衆車とはあらゆる点で一線を画していることは間違いない。
海外へと流失したり、自然淘汰で市場から姿を消す前に。ボディを切り刻まれて原形を留めないほど改造されてしまう前に、レスキューを兼ね「ラストオーナー」として至高の1台を選ぶのもありかもしれない。
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くたびれきった中古激安欧州車を買ったところでその車は高級車ではありません。