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タイヤは「デカくて太けりゃいい」は今は昔のハナシ!?  タイヤサイズは今後どうなる?

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タイヤは「デカくて太けりゃいい」は今は昔のハナシ!?  タイヤサイズは今後どうなる?

ほとんどのスポーツカーのタイヤは普通乗用車と比べて太いため、「性能も太いほうがよさそう」とタイヤ交換時にノーマルより太くする人は多い。でも、本当にそれは正しいのか? 細いとダメなの? というわけで今回はタイヤのお話。

文/山口卓也、写真/トヨタ、写真AC

タイヤは「デカくて太けりゃいい」は今は昔のハナシ!?  タイヤサイズは今後どうなる?

■まずはタイヤに刻印された数字や記号の意味を知ろう

タイヤからはさまざまな情報が得られる。写真の215/50R17 91Vなら、タイヤ幅215mm、扁平率50%、ラジアルタイヤ、ホイール径17インチ、最大負荷能力615kg、許容最高速度240km/hということになる

タイヤの側面には、メーカー名やモデル名の他にタイヤサイズや製造年週が記されている。

■タイヤサイズ

タイヤサイズは「215/45R18 93W」などと記載され、タイヤ交換するならこの4つの数字とふたつのアルファベットに注目したい。

例えば「215/45R18 93W」の場合、3桁の数字「215」はタイヤ幅の呼称(mm)。ただ、数字がまったく同じでもメーカー間で微妙に実際の寸法は異なる。

その次の「45」は扁平率を表している。扁平率とは、タイヤの断面幅(総幅からタイヤ側面の模様や文字などを除いた幅)に対する断面高の比率のことで、計算式は次のとおり。

扁平率(%)=断面高/断面幅×100

アルファベット「R」はラジアルタイヤであることを示す。ラジアルタイヤは、カーカス(タイヤの骨格部)がタイヤの中心から放射状(RADIAL)に配置されているタイヤのこと。

現在ではほとんどのクルマがラジアルタイヤだが、これに対する「バイアスタイヤ」も存在する。バイアスタイヤは、カーカスを斜め(BIAS)に配置しているため、1枚ではねじれが起こる。それを防ぐため、逆方向に複数重ねて「ブレーカー」と呼ばれるパーツで締め付けている。主にモーターサイクル用、建設用車両、産業用車両などに使用される。

さらに次の「18」は適合するホイール径を表し、単位はmmではなくインチである。

そして「93」はロードインデックスと呼ばれ、規定の条件下においてタイヤ1本で支えることができる最大負荷能力(kg)を示す指数。ちなみに「93」は最大負荷能力650kgとなっている。

最後の「W」は許容される速度記号(スピードレンジ)を表し、「W」の許容最高速度は270km/h。許容最高速度は12段階の数値が設定されていて、他に速度を表示する記号には「V(許容最高速度240km/h)」や、「ZR(240km/h超)」のように速度レンジ(対応範囲)を表示するものもある。

■製造年週

さすがに1999年以前のタイヤを履いている人はほぼいないだろうが、2000年以降の製造のものには、例えば「X0122」のように製造年週(セリアル)が記載されている。

この4桁の数字のうち、最初のふた桁「01」は週(第1週)を表し、末尾ふた桁「22」は年(2022年)を表している。

[articlelink]

■タイヤ変更時の注意点は?

タイヤを変更する際、断面幅・扁平率・ホイール径が同じであればサイズ的に問題はない。しかし、最大負荷能力が不足するタイヤや許容最高速度の足りないものに変更するとタイヤ損傷となる場合があるので注意。

アウトドア派に人気のハイエースやキャラバンなどのバンタイプのタイヤ変更では、取り付けるタイヤのロードインデックスが車検証に記載してある最大重量をクリアしていればOK。しかし、検査場によっては「LT(ライトトラック)タイヤ」じゃないと車検に通らない場合があるので、心配な人は検査場に確認すること。

バンタイプでは、重い荷物を載せるためにタイヤへの高負荷が想定されており、サイズが同じ普通乗用車用タイヤでは最大負荷能力が足りないことが多いためだ。

そして、タイヤ外径を変えないことは最も重要。

外径が変わるとタイヤが1回転した時の長さが変わり、スピードメーターに誤差が出るようになる。そうなれば車検には通らないし、高速ではメーター表示のスピードと実際のスピードの違いが大きくなり、スピード超過につながる場合もある。

■で……タイヤは太くてデカいほうがいいんだよね?

タイヤが大径になったことでスポーティなフォルムと高いグリップ力と剛性感を両立させることに成功したといわれている。ということは、やはり大径タイヤ=カッコいいというイメージは揺るぎない事実か!? 写真はプリウスZ(PHEV)

太いタイヤは見た目にカッコイイというのもあるが、多くはタイヤのグリップ(摩擦力)を得ることがその目的。

細いタイヤと比較して路面との接地面積が大きいので、加速時やコーナリング時にある特定のタイヤへ大きな荷重がかかった時に大きなグリップを発揮できる。同じゴム素材であれば細いよりは太いほうが高いグリップを発揮する。

だが、一般道を走る普通乗用車のタイヤをただ太くしてもあまり意味はない。意味はないどころかデメリットだらけになる。接地面積が広い=摩擦力が大きいことが、逆に転がり抵抗の増大となってしまう。

きれいに整備されたサーキットではなく、荒れた路面もある一般道では路面の凹凸にハンドルを取られやすくなることもある。大径化とともに行われやすい偏平タイヤ(数字の小さい)はエアボリュームが少なくなって乗り心地も悪化……そう考えるとあまりメリットはなさそうだ。

となると、「自分のクルマのベストサイズは?」を考えたい。やはりメーカー指定のサイズが基本だろう。一般道で考えられるあらゆるシーンで、高燃費やハンドリングの軽快さ、乗り心地のよさ、総合的な走行性能などを考えた場合に、最も高いポテンシャルを発揮できるように設定されているのがノーマルサイズだからだ。

ただ、「見た目にカッコイイ」のは、ノーマルサイズより太くて大径なタイヤだと私も思います……。

■時代は細幅&大径へ……

初代アテンザ (2002年発売)SPORT「20F」。23Zには18インチタイヤが標準装着されていた

大径タイヤ時代の先駆者といえる1台がマツダの初代アテンザ。2003年に、18インチタイヤが装備されたSport 23ZとSport Wagon 23Zが追加された。そしてその後も続々と大径タイヤを標準装備とするクルマが登場した。

しかし、当初はまだまだ大径タイヤはスポーツグレードや高級車の専売特許というイメージが強かった。そんなイメージを払拭したのが新型プリウスだろう。

新型プリウスの上位グレードであるZ、Gは195/50R19サイズが標準装備に。いわゆる「細幅&大径」ってやつだ。

先代のプリウスツーリングセレクションは215幅で17インチだったのに、新型では195幅で19インチ。先代から2インチアップとなり、標準とは思えない19インチに驚くが、逆に幅は20mmダウンしている。

横から見ると、ホイールが大きくなったことで迫力が増し、「すごくカッコよくなった!」と感じる。でも、幅はかなり細い(真後ろから見ないとわからないけど)。

細幅タイヤにするメリットは、幅が狭くなることで接地面積が減り、転がり抵抗は少なく、タイヤ重量も軽くなる。空気抵抗も少なくなるので燃費は向上する。ハンドル切れ角は大きくできるので、狭い道路の多い街中での取り回しもラクになる。

大径タイヤの最大のメリットは、やはり見た目がスタイリッシュになることだろう。また、扁平率を下げるとタイヤ剛性は上がり、走行時の変形量が少なくなるのでハンドリングはシャープに、転がり抵抗も少なくなる。結果、やはり燃費はよくなる傾向となる。

細幅タイヤにすることで少なくなった接地面積は大径化によって縦方向に伸び、グリップも犠牲にしていない。プリウスの細幅と大径はセットで考えられた結果なのだ。

細幅&大径・低偏平タイヤについては下記の記事も参考に。

国産車も「19インチ」は当たり前!!  大径タイヤ採用のメリットはスタイリングだけってマジですか?

今回はタイヤサイズについて話をしたが、「太くてデカい!」じゃなくて「細くてデカい!」がカッコイイと言われる時代がやって来た感じはする。皆さんはどう思いますか?

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みんなのコメント

83件
  • santaku
    最近はミニバンもアホみたいにデカいのばかり…
    アレじゃタイヤ交換の度に困るんだろうけど、結局怪しい輸入タイヤとか入れちゃうんだろうなぁ…
  • ham********
    一昔前は、205/60R15なんて、超高性能車の証だったもんな。
    今は・・・
    2Lクラスで20インチなんて無駄。
    無意味。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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