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コンパクトカー大激戦に取り残される名門車 どうするどうなるパッソ/ブーン

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コンパクトカー大激戦に取り残される名門車 どうするどうなるパッソ/ブーン

 ダイハツが開発し、トヨタにOEM供給している「パッソ」、その姉妹車でダイハツ独自ブランドの「ブーン」の行方が注目されている。ヤリス、フィット、ノート、アクアの相次ぐ人気ニューモデルの登場で同コンパクトハッチバック車のマーケットは今、激戦状態となっている。さらにスズキのスイフト、それにマツダのMAZDA2も2022年から2023年にかけて世代交代するのはほぼ確実の方向にある。

 戦国時代の様相を呈しているコンパクトカー市場で、名門パッソ/ブーンはどのようなポジションをとるのか。次期型はどうなるのか。以下、現時点でわかっている情報を整理してお伝えしたい。

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文/遠藤徹
写真/トヨタ、ダイハツ、ベストカー編集部

[gallink]

■改良を加えれば今後販売は伸ばせる可能性があるだろう

 パッソ/ブーンは現行モデルの登場が2016年4月12日で2022年には6年が経過し、普通であれば世代交代(フルモデルチェンジ)の時期を迎える。しかしながらトヨタやダイハツの販売店筋に取材すると、「まだそのような情報は一切、流れていない。2024年以降になるのではないか」と語る。

パッソ パッソ/ブーンは現行モデルが6年が経過。普通であればフルモデルチェンジの時期である

 現行パッソ/ブーンは今年4月1日にマイナーチェンジし、商品ラインアップを強化したばかりだ。このため1~9月の登録累計はパッソが2万5147台、月平均2794台、前年実績比2.8%増、ブーン2395台、266台、44.4%減であり、ブーンは大幅マイナスだが、パッソは堅調な増加に転じており、まだ改良を加えることで販売は伸ばせる余地が感じられる。特にパッソは登録車の銘柄別ランキングでは1~9月で37位、4~9月は21位でモデルそのものが古いわりに健闘しているといえる。

 パッソはカローラ店の専売モデルであったものが、2020年5月からトヨタ全系列店扱いになり、販売力が大幅に増強されたのも貢献している。一方でブーンがマイナス基調から脱却できないのは、同じダイハツ系列店でマーケットニーズの高いロッキーやトールを扱い、こちらにセールスパワーが食われているためと思われる。

■足替わりに愛用するには最も買い得感が高い

 パッソ/ブーンのモデルが古くなっているのに比較的堅調に売れているのは、どんな要因があげられるか。

 同じコンパクトハッチバッククラス車といっても、エンジン排気量が1~1.2リッターのベーシックコンパクトと1.3~1.5リッターの上級コンパクトのふたつがある。ベーシックコンパクトはパッソ/ブーンのほかに、ヤリス1リッター、マーチ、スイフトがあり、これ以外のヤリス、フィット、ノート、MAZDA2は上級コンパクトクラスに属する。

 価格帯は車両本体がパッソ/ブーンが126万5000~190万3000円に対してヤリス1000が139万5000~163万円、マーチ128万9200~170万5000円、スイフト153万5600~203万7200円であり、売れ筋で比較するとパッソ/ブーンが最も安く、足替わりとして愛用するには最も買い得感の高いモデルといえる。

車両本体は126万5000~190万3000円。売れ筋で比較すると最も安く、最も買い得感の高いモデルといえる

 マーチも廉価度は高いが、現行モデルの登場が2010年7月13日と古く、安全装備の充実度も不足しているので、販売は極端に低迷している。

 上級コンパクトクラスだとヤリス1500が154万3000~252万2000円はじめアクア198万259万8000円、ノート(オーラを含む)202万9500~295万7900円、フィット155万7600~259万1600円、マツダ2=145万9150~267万8500円となっており、ベーシックコンパクトよりも30万円以上も高い。

■今後のニューモデル展開予想

 首都圏にあるカローラ店でパッソの売れ筋「モーだGパッケージFF」(車両本体価格172万7000円)にパールホワイト3,パノラミックビューモニター、フロアマット、サイドバイザー、ボディコーティング、ナビ、ETCなど31万円強のオプション&付属品をつけて弾いてもらうと法定、法定外費用、初回回答15万円程度の値引き額を差し引くと、総支払額225万円弱と出た。これは軽自動車のスーパースペースワゴン並みの価格である。

パッソ 内装

 またパッソ/ブーンの商品性の高さは上級コンパクト並みの安全対策や利便性の充実装備もあげられる。安全対策は衝突回避支援システム(スマートアシストIII)、利便性ではパノラミックビューモニターなどが標準ないしはオプションで選べるようになっており、ベーシックコンパクトタイプとしては、かなり充実度は高いといえる。

 今後のニューモデル展開はどのように進めることが予想できるか。

 政府は2030年までに電動化の流れで「100%ガソリン車をなくす」との環境政策を打ち出している。ダイハツは今現在では他社に比べて、ハイブリッド、電気自動車ともまだ実用化しておらず、遅れた感は否めない状況にある。

ブーン 内装

 ただこの11月1日にはSUVのロッキー/ライズに初の1.2リッターハイブリッドユニットを搭載して発売する。

 同ユニットは新開発の1.2リッター3気筒エンジンを発電に使い、バッテリーに供給し、モーター走行で走る「シリーズハイブリッド」である。この方式は日産の「e-POWER」に似ている。当面はFF車に設定し、近い将来には4WD車もラインアップに加えるものと思われる。つまり今後は次期型パッソ/ブーンにも搭載するはずだから、これを今後の電動化の主流にすべく対応するはずである。

■「あと2年くらい先になる」証言1首都圏カローラ店営業担当者

 パッソはコンパクトサイズながら、室内が広く、運転しやすく、価格も軽自動車のスーパースペースワゴン並みに安いので、堅調に売れている。安全対策や利便性の良い装備も同クラスでは先行しているのが売りとなっている。特に若い女性ユーザーが多く買い求めている状況にある。

コンパクトサイズながら、室内が広く、運転しやすく、価格も軽自動車のスーパースペースワゴン並みに安い

 カローラ店は2020年4月まで、専売だったこともあり、トヨタ系列店では最も販売台数が多い状況にある。来年4月で現行モデルモデル発売後6年が経過するので、フルモデルチェンジの時期になるが、まだそうした情報は流れていない。あと2年くらい先になると予想している。

■「どうしても二の次に」証言2首都圏ダイハツ店営業担当者

ブーン 最近は残価設定クレジットを利用で10万円相当のサービスパックをプレゼントなどして増販攻勢を盛り上げようと努力している

 ブーンは人気の根強さは保持しているが、パッソのセールスパワーやトヨタのブランドパワーに押されて、どうしてもユーザーを取られる傾向がある。ダイハツでは営業マンがよりマーケットニーズの高い、ロッキーやトールを優先的に売る傾向があるので、ブーンはどうしても二の次になっている。最近は残価設定クレジットを利用する場合は10万円相当のサービスパックをプレゼントするなどして増販攻勢を盛り上げようと努力している。

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みんなのコメント

21件
  • すごい、ミラージュが全く忘れられている。(><

    最近、マイチェンでダイナミックシールド顔になって、カッコ良くはなってるんだけどな。(^^;
  • 足なら軽でもいいんだよなぁ。
    燃費が特別いいわけでも無いし、
    維持費もかからないし。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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