新しいメルセデス・ベンツ「GLC350e 4MATIC Sports Edition Star」に、サトータケシが乗った。ドイツが手掛けた最新電動モデルの魅力に迫る!
大いに頼りになるPHEV
メルセデス・ベンツGLC350e 4MATIC Sports Edition Starは、GLCのプラグイン・ハイブリッド(PHEV)モデル。外部電源から充電することができ、電気がたっぷりあるときには電気自動車として走り、電気が足りなくなったら今度はエンジンが始動してハイブリッド車として振る舞う。
こう書くとイソップ寓話のコウモリみたいだけれど、PHEVは卑怯者として嫌われるのではなく、大いに頼りになる。
まずはメルセデスがダイナミックセレクトと呼ぶドライブモードセレクトで「EL(エレクトロニック)」を選び、EV走行から試す。
排気量2.0リッター直列4気筒ガソリンターボエンジンと9段ATの間に位置するモーターの最大トルクは440Nmと2.0リッターのディーゼルターボ並みで、しかもエンジンと違ってモーターは電流が流れた瞬間に最大の力を発揮するから、発進加速に不足はない。静かに、そして力強く、スーッと動き出して、そのままスムーズにスピードに乗る。
カタログでは、フル充電すると118km(国土交通省審査値)のEV走行が可能とある。次第に数字が増すトリップメーターの距離と、段々と減っていく航続可能距離の値を見比べて暗算すると、EV走行できる距離はカタログ値の7~8割といったところか。フル充電の状態であれば、最低でも80kmはEVとして走るから、ウィークデイの買い物や送り迎えなどは、すべて電気自動車としてこなすことができそうだ。
エンジン車のエンジンブレーキにあたる、回生ブレーキの強さはパドルシフトで調整できる。回生ブレーキを最も強力にすると、アクセルペダルをオフにしたときの減速Gはかなりの強さで、慣れるまで(といっても、最初の2、3回)は「オットット」と、なる。でも慣れるとほとんどブレーキペダルを踏む必要がなくなる。ペダルを踏み変える必要がないと、こんなに運転が楽ちんになるのかと驚く。
優れた乗り心地PHEVということでついEV走行に目が行ってしまうけれど、それよりなにより、このクルマの美点は乗り心地がいいことだった。多くのクルマが苦手とする、路面が荒れて、洗濯板状にしわしわになった箇所を強行突破しても、「タン、タタ、タン」と、軽やかに、リズミカルに乗り越えてくれるのには感心した。
このクルマにはAIRMATICサスペンションが標準装備されており、このエアサスと可変ダンピングシステムの組み合わせは、乗り心地だけでなく操縦性の向上にも寄与していると感じる。
高速コーナーでも良好な乗り心地を保ったまま、安定した姿勢で踏ん張り、快適な乗り心地とコーナリング能力のバランスのよさが際立っているのだ。加えて、メルセデス自慢の4MATICが4輪に適切にトルク配分を行うことで、一糸乱れぬ、と、表現したくなるフォームでコーナーをクリアする。とても車重が2.3トンもあるSUVのコーナリングだとは思えないほど、“足のいいヤツ”だ。
こんなにきれいに曲がるのか、だったらこうだ! と、ダイナミックセレクトで「S(スポーツ)」を選ぶと、パワートレインの主役がエンジンに交代する。この直4エンジンがなかなかに切れ味の鋭いヤツで、遮音がしっかりしているからエンジン音のボリュームは控えめながら、健康的な快音とともに回転を上げ、それに比例して力感もみなぎる。
ディスプレイの表示を観察すると、エンジンが主役になってはいるもののモーターも適宜アシストしているようで、お互いの得意分野と苦手な領域を、上手に補完していることがわかる。
こうやって好き勝手に走っているとバッテリーはぐんぐん減るので、ここでダイナミックセレクトを操作して「B(バッテリー)」を選ぶと、充電しながら走るようになる。こうしてたっぷり電気を貯めておけば、深夜の住宅街や早朝のキャンプ場ではEV走行をすることができる。
どんなに環境にいいと言われても、カッコが悪かったりつまらないクルマだったりしたが、普及しないはず。
その点、このクルマは快適なうえにファン・トゥ・ドライブ。PEHVとかエコカーである前に、とてもいいクルマに仕上がっている。
文・サトータケシ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
“クルマ”に貼ってある「謎のちょうちょマーク」意味知ってる? 意外と知らない「大事な意味」とは? 貼らないと違反の場合も…! 遭遇したらどうすれば?
愛知と三重の「この場所」に、なぜ橋を作らないのか?
われらファンは一生乗り換えられんぞ! いまだにファンが泣いている「やめてほしくなかった」メーカーの技術&クルマ
ホンダが新たな「シビック タイプR」世界初公開へ! 究極のピュアスポーツカー目指した“黒仕様”「レーシング ブラックパッケージ」 オートサロン2025で披露し市販化へ!
「車線変更?絶対入れてやらん ブォォォン!!」 意地でも譲らないドライバーの“アタマのなか” 交通心理士がズバリ解説
「車線変更?絶対入れてやらん ブォォォン!!」 意地でも譲らないドライバーの“アタマのなか” 交通心理士がズバリ解説
【打倒アルファード?】帝王メルセデスが新型“高級ミニバン”のデザインをチラ見せ。今わかることは?
飲酒運転したら「ウクライナへ車を送る」驚愕の法律ができたワケ 軍用車に改造も!? 欧州の“飲酒大国”
【イタリア】ランボルギーニが「3列ミニバン」開発してた! 460馬力の「V型12気筒エンジン」搭載した斬新コンセプトカー! ガルウイング採用の「ジェネシス」は名門ベルトーネも協力!
ホンダが新たな「シビック タイプR」世界初公開へ! 究極のピュアスポーツカー目指した“黒仕様”「レーシング ブラックパッケージ」 オートサロン2025で披露し市販化へ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
先月下旬に3日間お借りしましたが、ホントによく出来た車で、EL(EV)モードなら外気温3度以下でも一度もエンジンはかからず、完全な電気自動車として快適に走行出来ました。
往復400キロ弱の旅行も急速充電を利用しながらELモードだけで完走。私の走り方だと満充電で120キロ程度走れる計算でした。
これでヒートポンプ式のヒーターを備えていたら最高ですが、営業の人に質問しても分からない、との事でした。笑
BEVが不安な方で、でもBEV並の快適性を求めるならこの350eは超お勧めです。妻の車の買替え候補でしたが、通勤用のHEVもあるので結局 同社のBEVにしました。
今のメルセデスSUVはどれもただのデブでカッコ悪い。