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背中の「オシャレ化」の難しさ! ジムニーオーナーを悩ませる5本目のタイヤ交換とは

掲載 更新 17
背中の「オシャレ化」の難しさ! ジムニーオーナーを悩ませる5本目のタイヤ交換とは

「交換すればいい」だけに留まらないジムニーのスペアタイヤ事情

 現行のJB64Wジムニーが登場したのが2018年の7月。既に2年余の月日が経っているが、納車までに要する期間はおよそ1年(指定したグレードやカラー、そして“運”によって前後はする)と、相変わらずの人気ぶり。さらに他のクルマに比べてカスタマイズをする層が幅広く、特にオフロードタイヤへの交換は、これまでその世界と縁もゆかりもなかった人にも人気のメニューとなっている。

最強ジムニーの唯一の弱点!? オーナーを悩ます「ドリンクホルダー問題」とは

 そのタイヤ交換、通常のクルマだとその数は4本になるが、ジムニーのスペアタイヤはリアゲートの外側に付いているため、ここも含め交換する人が多い。実際、「ジムニー用のタイヤ(タイヤ&ホイール)です」と謳って販売している通販サイトなどには、4本セットだけでなく5本セットも用意されている。

 その際「どうせ交換するなら少し見栄えがいい物を」と言うことで、ノーマルのそれよりも(もちろん車検に通る範囲で)トレッド幅や外径を広く(大きく)したりする人がほとんど。ただ、ここで問題が出てくる。今回のテーマでもあるスペアタイヤへの取り付け方法だ。そこで今回、その具体的な問題の中身と対処法を、広島県にあるシャコタンからジムニーなどの4WDまで強いプロショップ「Sスタイル」に聞いてみた。

ひと筋縄ではいかないジムニーのスペアタイヤ取り付け

 ここでノーマルのスペアタイヤがどうなっているのか、改めて見ていく。タイヤは「ブラケット」と呼ばれる固定具を使って留まっている。 このブラケットのボルトにホイールの表側がリアゲート側になる向きで穴を通し、専用ステーを使いナット3本で固定、ホイールの外側(内リム側)にカバーを付けてボルト締めされている。 固定のための工具はリアラゲッジのフロア下に入っている、タイヤ交換用の19ミリレンチを使えばOKだ。

 普通に考えれば「スペアタイヤを外して新しいタイヤホイールを同じ様に付けたら良いんじゃないの?」と思うだろう。確かにタイヤだけを交換する方法なら大丈夫。「それでも極端にタイヤ幅が広がると干渉リスクはあるので、ジムニー用と言われている(トレッド幅が)185ミリ、要確認にはなりますが、いっても195ミリあたりが限界な気がします」(Sスタイルの菅原社長談)。

 ただ、わざわざ社外品のタイヤ、しかもそれが最近流行のホワイトレタータイヤだったり(ジムニー用のホワイトレタータイヤは外側のみ白文字)、さらには一緒にホイールも交換したら、それは見せたい(タイヤ&ホイールの表側を外側にしたい)と思う人がほとんど。ここでいよいよ問題が発生。ホイールを固定するための3本のボルトにホイールの穴が入らなくなる(固定ができなくなる)のだ。

 本当にタイヤが付かないか、実車で検証してみた。使ったのはTOYO TIRESの「オープンカントリーR/T」の185/85-16in。ノーマルのスペアイヤとは逆向きに(ディスクを表向きにして)付けようとすると……確かにタイヤがゲートに当たり、ホイールを固定するためのボルトにホイール穴が入らなかった。ボルトの穴に通る前にタイヤがゲートに干渉してしまった。

やり方は色々あるものの浮かび上がる「車検問題」

 とはいえ、実際社外タイヤを装着している人も多く見られる。ではどうやっているのか。恐らく多くの人が採用しているオーソドックスなやり方が、タイヤブラケットをシエラ用に変える方法だろう。2つのブラケットの形を並べて比較するとよくわかるが、固定するゲートからホイール用ボルト部分部分までの距離(奥行き)が全く違う。つまりは太いタイヤがゲートに干渉しないで固定できるワケだ。

 実際に先ほどは付かなかった185サイズはもちろんのこと、さらに太い225サイズを試しに当てても難なく付いた。ボディとの隙間も確保ブラケットを交換するだけと、工数的にもシンプルなのが魅力だし、そのブラケット自体も5400円(編集部調べ)と比較的お手頃。

 ただ問題が車検になると引っかかるという点。その一番の理由が、交換することで軽自動車の規格サイズを越えてしまうためだ。ジムニー純正のブラケットは、ホイールカバー固定用ステーがないとボルトがバネの力で畳まれて、バンパーよりも内側に収まる(軽自動車規格内に収まる)仕組み。いっぽうのシエラ用は、付けた部分がバンパーよりも出てしまっている。

 実はこの部分、非常に曖昧でグレーなのが現状だという。「全国色々な同業の方に聞いても、車検場で“タイヤは外してから持ってきてくれ”と言われたり、タイヤを付けたままでも何も言われずラインを通過したり。継続はいいけど新規になるとダメだったりもするようです。地域によって見解が違ったり、もっと困った事に、同じ地域でも検査する人によって別れたりもする。なので結局、検査の時はタイヤを外し、一緒にステーも外すのが現状だと無難、としか言いようがないんです」。

代表的なスペアタイヤ取り付け「3つの方法」

 この「グレー問題」はひとまず棚上げにして、改めて取り付け方法について見ていく。まず先述したシエラ用純正ブラケット。確かに価格的にも取り付け難易度的にも魅力なのだが、意外な問題もあるという。それが入手方法だ。いわゆる自動車整備屋さんやディーラーであれば難なく単体で取り寄せられるが、一般の人はそう簡単にはいかない。それでも色々な方法が考えられるが、とにかく一般人にとっては少なからずハードルになるだろう。

 次に社外品に交換する方法が思い浮かぶ。一般ユーザーにとっての入手難易度なら最も手軽だし、実際に各メーカーから色々な形状のアイテムが出ているが、基本的には固定部分を外側に出してゲートまでの奥行きを稼ぐ、という理論は同じ。ちなみに写真はシルクロードの「フェイスアップキット」というもの。

 最後にカスタマイズ系ユーザーにとってはある意味最も親しみやすい(?)方法、ワイドトレッドスペーサーの活用だ。確かにこれも同じ理論であるが、スペーサー単体だと純正ブラケットに対してグラ付きが出てしまうのが問題。 それを解消するために用意するのがブレーキローターだ。ローターがあるとブラケットにしっかりと密着するし、スリットタイプにすれば見た目もいいかも知れない。 どちらも大概2個1セットで売っているので、例えば同じような方法でスペアタイヤを付けたいジムニー仲間がいれば“割り勘”をすれば出費も抑えられる。編集部がネット価格を調べたところ、2つで約8000円だった。前述の通り左右セット(つまり2個付いている)なので、割り勘なら1人4000円で買える計算だ。

 その際に注意すべきポイント。ワイトレ・ローターいずれもジムニー用(5Hー139.7)を揃えることだ。「軽自動車用でいいんでしょ?」と、最近の軽自動車に多い4H-100サイズを買っても付かない。言われてみれば当たり前だが、意外と盲点だったりもする。

盲点だけどズシリとくる「重量問題」もあった

 スペアタイヤを社外タイヤホイール&タイヤに交換して固定する方法はこの3通りがほとんど。そして例の「グレー問題」以外に意識すべきが重量の問題だ。特に最後に紹介した“ワイトレ&ローター”導入術はホイールセッティング同様、太くなったら同様にスペーサー幅を増やせば、理論上はどんなサイズでも付けられるが、3つの方法のうち、一番重くなるのがデメリット。

 さらにタイヤサイズを225あたりにすると、純正のタイヤから比べるとタイヤだけでも重くなる。「あまりに重いとゲートのヒンジに負担が掛かりすぎて、嫌な音が出たりします。自分の先輩がシエラに225/75サイズのタイヤをスペアとして付けたら、やっぱり嫌な音がしたそうです」(前出の菅原さん)。

 昔からのジムニーユーザーで競技に参加している人は、これら(特に重量)を嫌って“レス”にする人もいる。同様に現行のジムニーからその数を伸ばした、オシャレ系ユーザーもあえての“レス”は多い。“レス”なら今回紹介したモヤモヤする「グレー問題」からは解き放たれるが、いざという時にスペアタイヤがない、という新たな問題も挙がってくる。

【取材協力】Sスタイル広島県広島市西区中広町3丁目19-26tel.082-548-9602http://odkstyle999.jp営業時間:10:00~19:00定休日:イベント参加日

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みんなのコメント

17件
  • こういうのは大っぴらに言わない方がいい
  • カバー外しただけと思ってたら、こんな努力があったのか


    関係ないけど知り合いのジムニー乗りは、リフトアップまでしてるのに砂利道嫌がるし潮風にも当たりたくないとか言っている
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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