この連載では、昭和30年~55年(1955年~1980年)までに発売され、名車と呼ばれるクルマたちを詳細に紹介しよう。その第79回目は、当時斬新だったリフトバック(LB)スタイルで一世を風靡した、トヨタ セリカLB 2000GTの登場だ。(現在販売中のMOOK「昭和の名車・完全版Volume.1」より)
時代を先取りした第3のドアを持つGTカー
2L直4DOHCエンジンでよりパワフルに
従来のクーペでもハードトップでもない、新しいジャンルのスペシャリティカーとして昭和45(1970)年 10月に発表されたのが、トヨタ・セリカである。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
スラントしたノーズにデュアルヘッドライトを採用し、ボディと一体化したバンパーによって新鮮さをアピールした。ボディサイドもジェット機の層流翼をイメージした、躍動感あふれるラミナーフローラインで引き締められている。
ボディタイプは、センターピラーレスの軽快なノッチバッククーペ・スタイルだ。そのスタイリッシュなボディは、ギャランGTOとともに第17回東京モーターショーの会場でセンセーションを巻き起こした。
エンジンは1.4L4気筒OHVのT型、1.6Lの2T型、 SUツインキャブ装着の2T-B型、DOHC+ソレックスキャブの2T-G型と、4タイプを揃えていた。後に名機としてその名を知られる2T-G型DOHCは、ソレックス40PHHキャブを2連装し、1588ccの排気量から115ps/6400rpm、14.5kgm/5200rpmを絞り出した。
GTを除くグレードでエンジンやトランスミッション、内装などの中から好みに応じて選べる「フルチョイスシステム」を採用したのもセリカの謳い文句のひとつだった。
セリカは爆発的なヒット作となったが、昭和 48(1973)年4月に強烈な兄弟車が出現する。それがセリカにリアゲートを装備したリフトバック(LB)だ。これは昭和46年秋のモーターショーに参考出品されたトヨタSV-1のプロダクションモデルで、セリカよりフロント部分が70mm長い。逆にリアは20mm短く、全高も20mm低くされている。
リアビューは、フォード・マスタングを思わせるスポーティなデザインだ。ファストバックの後端をヒップアップさせ、リアエンドに4分割のスマートなコンビネーションランプとガーニッシュを組み込んでいる。
インテリアは従来のセリカと基本的に同じだ。だが、高級感のある成型天井を採用し、オーバーヘッドコンソールを装備した。インテリアでカスタムS(セリカと同様にフルチョイスシステムを採用)以上を装着するモデルにはウォーニングランプも付く。
乗車定員はセリカが5名、LBは4名となる。リアシートを前に倒せば広いラゲッジルームになるのもLBのセールスポイントのひとつだ。
エンジンは、1.6LがOHVの2T型、2T-B型、およびDOHCの2T-G型で、2T型以外にはレギュラーガソリン仕様も設定した。だが、LBで注目されるのは昭和49(1974)年に投入された2Lシリーズである。
これはマークIIに搭載されていた18R型を移植したものだ。18R型4気筒SOHCは、ボア88.5×ストローク80.0mmの1968ccで、シングルキャブによって105ps/5500rpm、16.0kgm /3600rpmを発生した。この18R型エンジンは、LBだけでなくセリカにも搭載されている。
そしてLB2000GTの専用エンジンとなるのが、マークII 2000GSSから譲り受けた18R-G型 DOHCだ。ソレックス40PHHキャブレターと9.7の圧縮比により、145ps/6400rpm、18.0kgm/ 5200rpmrnを発生。ポルシェタイプの5速MTを駆使すれば最高速205krn//h、0→400m加速16.1秒を可能にした。
また、レギュラーガソリン仕様も設定されている。この18R-G型は後にクーペ版セリ力にも搭載されたが、当初はLBのみの設定だった。サスペンションは、ストラット/ラテラルロッドが付きの4リンクを踏襲する。
だが、車重の増加に伴ってサスペンションを強化している。タイヤもGTは185/70HR13ラジアルが標準となり、LSD(リミテッド・スリップ・デフ)もオプションで用意された。
2000GTのインプレッションを簡単に記すると、2Lツインカムが搭載されたが、当時厳しくなった排出ガス規制の影響で、ツインカムとはいえ、はつらつとしたところのないエンジンだったのは事実だった。また、ハンドリングはクーペに比べ大きく重くなったぶんだけ不利だった。
それでもセリカLB2000GTは、時代を先取りしたスポーツビークルであることは間違いなく、ハイウェイからアウトドアまで存分に楽しめるのがうけた。
セリカの人気を確固たるものにしたLBの登場を機に、これまでのセリカはクーペと呼ばれるようになった。セリカらしいセリカという意味では、ここが頂点になると言えるかもしれない。
EPISODE<SV-1の名で昭和46年のモーターショーに>
リアハッチゲートを設けて荷物の出し入れを容易にしたLB2000GTは昭和46(1971)年の東京モーターショーでSV-1の名称で出品された。従来の 1600GTは全体的に丸みを帯びたフォルムを持っていたが、こちらはリアを直線的にまとめた。ギャラン GTOに似ているという声もあったが、これはいずれの車種もマスタングを模範としていたから。
トヨタ セリカLB 2000GT(KPB210型)諸元
●全長×全幅×全高:4215×1620×1280mm
●ホイールベース:2425mm
●車両重量:1040kg
●エンジン型式・種類:18R-G型・直4DOHC
●排気量:1968cc
●最高出力:145ps/6400rpm
●最大トルク:18.0kgm/5200rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:185/70HR13
●新車価格:112万円
[ アルバム : トヨタ セリカLB 2000GT(KPB210型) はオリジナルサイトでご覧ください ]
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みんなのコメント
当時、デートカーブームの中ノッチバックのプレリュード、シルビアに対して、セリカが良かったのは3ドアハッチバックだったから。リアシートを倒せばスキーや旅行に使い勝手が良かった。
今、セリカ復活のうわさも聞くが、86は復活しても2ドアノッチバックだったので、是非ともセリカは3ドアハッチバックで復活してもらいたい。
ロータリー、トヨタ2000GT.27、GT-Rについで速かった。よく、調べてから記事書いたら?