現在日本で販売されている日産「スカイライン(V37型)」は、セダンのみのラインアップだが、かつてのスカイラインには、クーペも存在した。セダンよりも全高は低く、流麗なルーフラインが美しいクーペだが、実は現行モデルにもクーペのボディスタイルは存在する。インフィニティ「Q60」だ。
文:立花義人、エムスリープロダクション
写真:INFINITI
幻の…V37スカイラインクーペ!! 400Rの実績があれば日本でもいけるぞ!! 美しきインフィニティQ60の姿と実力
現行スカイラインは、北米がメインターゲット
アスリートのような塊感のあるフォルムや、メリハリのあるフェンダー、ボンネット、サイドビューなど大胆で動きのあるスタイリングが魅力的な現行V37 型スカイライン。いかにも、北米で好まれそうなデザインをもち、日本での発表(2013年11月)よりも前に「インフィニティQ50」として北米で発表(2013年9月)となっていることを考えれば、現行モデルは、北米をメインターゲットとして開発されていることがわかる。
現行型のインフィニティQ60。クーペならではのスタイリングが楽しめる
その後2019年のビッグマイナーチェンジによってVモーショングリルや日産バッジへの変更(もともとインフィニティエンブレムが装着されていた)がなされ、プロパイロット2.0の搭載などテクノロジー面でも話題となったが、もともとのデザインを考えると、インフィニティの流れを汲んでいた頃のほうが自然だったようにも感じる。
現行型のスカイラインNISMO。現在は日産のデザイン言語に合わせてVモーショングリルや日産バッジが装着される
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大人のGTクーペにふさわしい上品な仕上がり
冒頭でも触れたように、先代モデル(V36型)や先々代(V35型)などには、日本向けにもクーペモデルがあった。クーペならではの流麗なスタイルによる迫力と存在感はなかなかのものであり、凝った造形のV37にもクーペがあったらいいのに、と考えている人は少なくないだろう。
ただ、北米では「インフィニティQ60」として、いまも販売されている。2016年の北米国際自動車ショーで初公開されたQ60は、フロントの表情や全体的なスタイリングはQ50に準じているが、ボリューム感たっぷりなリアフェンダー周りの造形がただならぬ雰囲気をまとわせており、小ぶりなリアコンビネーションランプと相まって、大人のGTクーペにふさわしい上品な仕上がりとなっている。
デビュー当時に搭載されたエンジンラインアップは3種類。155kW(211ps)の最高出力を誇る2.0L 直4ガソリンターボと、224kW(304ps)と298kW(405ps)という出力の異なる2種類の3.0L V6ガソリンツインターボだ。トランスミッションはすべて7速AT。現在は、2.0Lターボエンジンは現在ラインアップになく、3.0Lのみとなっている。
セダンとは前後のバンパーやヘッドライト、テールライトのデザインが異なり、さらに、ルーフ後端がなだらかに傾斜したことでキャビンが小さく見える。スタイリッシュでカッコ良い!!
400Rの反応を考えるとクーペもイケるのでは!??
2019年に登場した、日本のスカイラインのパフォーマンスグレード「400R」は、日産がターゲットとしていたよりも若い年齢層にも注目され、人気を集めた。この400Rの反応を考えると、クーペも日本に入れてみてもいいのでは、と思う。
たとえば、400Rと同じエンジンを搭載する「Q60 RED SPORT 400」というグレードは、クーペならではの短いオーバーハングのデザインや、前後で異なるトレッド幅(FRモデル)など、パフォーマンス志向の強いユーザーには強く刺さるモデルであり、400Rに注目したユーザーにとっては、嬉しいモデルであるはず。
Q60は日産栃木工場で製造されており、左ハンドルだけでなく、右ハンドル仕様もつくられている。売れるかどうかは別にしても、こういうクルマはセダンとクーペの両方がラインアップされていたほうがが注目されやすいと思われ、日本のV37スカイラインにもクーペがあったら、日本でのスカイランのイメージはもうすこし違っていたのでは、と思う。
405psエンジンを搭載する上級グレードになると北米での価格は58,200ドル(2024年2月現在のレートで約874万円)からとなるが、ベーシックなグレードならば41,750ドル(約627万円)からというプライスとなる。円安のため高く感じるが、車格とパフォーマンスを考慮すると決して高くないのではないだろうか。
インフィニティQ60のリアシート。セダンほど広くはないが、使い勝手は悪くなさそう
◆ ◆ ◆
そうはいっても、とにかくセダンが売れない日本において、使い勝手がさらに劣るクーペの需要がないことは確か。クーペは、クルマ自体の魅力は非常に高く、なんといってもデザインが美しい。こういうクーペが日本でも買えたらいいのになぁ、とついつい思ってしまうが、スカイラインが生き残っているだけでも、有難いと思わなければいけないのかもしれない。
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正直、飽きている