現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > もはや本革シートは過去のもの!? いまクルマのシートは「環境性」「持続性」を考えた素材に置きかわっていた

ここから本文です

もはや本革シートは過去のもの!? いまクルマのシートは「環境性」「持続性」を考えた素材に置きかわっていた

掲載 28
もはや本革シートは過去のもの!? いまクルマのシートは「環境性」「持続性」を考えた素材に置きかわっていた

 この記事をまとめると

■いま、本革シートが合皮やファブリックのタイプに置き換えられている

レザーシートは憧れるけど「キズ」がつくと見るも無惨! キズはDIY補修できるのか?

■環境負荷を軽減するために今後は動物由来の素材はなくなっていく

■環境対応やサステナビリティを考慮した新素材のシート表皮が登場することになる

 シート生地は環境負荷の少ない素材へとシフトしている

 クルマのシート生地といえば、高級車やスポーツカーは本革というイメージをもっている人が少なくないだろう。それが近年は、合皮やファブリックへシフトする動きがある。

 たとえば、ホンダの新型燃料電池車である「CR-V e:FCEV」。11月上旬に首都圏で実施された、同モデルの公道試乗会で配布された資料のなかに、「シートはバイオ合皮を適用」との記載があった。

 背景にあるのは、環境への対応だ。ホンダが企業として「環境負荷ゼロ」を目指しており、ホンダ社内と社外に向けた方針として「トリプル・アクション・フォー・ゼロ」を示している。

 その一環として、次世代車のシートでは、バイオ技術を活用した。バイオ合皮でありながら、横基調の幅の広いキルティングを施すことで、肌触りの良さや、張力を増すことでの座り心地のよさを実現している。

 この資料を基に、ホンダのデザイナーにシート素材について聞くと、サステナビリティ(持続的な社会)を実現するためには、本革などの動物系天然素材の活用は今後なくなっていくと考えるのが妥当、という話をしていた。

 一方で、「感触が大事」という観点でステアリングについては当面、本革が使われる可能性があるとも指摘した。

 環境負荷の少ない新素材の登場に期待

 そもそも、クルマのシートはさまざまな役目がある。一般論としていえば、ドライバーがクルマを運転する際にハンドルや各種ペダルを的確に操作するために、ドライバーの身体をしっかりとホールドする必要がある。

 こうした点を重視しているのが、いわゆるバケットシートと呼ばれる競技車両を原点としたシートだ。バケットシートに限らず、クルマのシートは身体をしっかりホールドすることが大事だ。

 さらに、シート内部にコイルバネが装着されているのだから、シートは乗り心地(座り心地)としてサスペンションの役割もある。

 シートに関連した操作性と乗り心地(座り心地)とのバランスは、シートを装着するクルマの商品コンセプトや運動特性によって違いが出る。

 そうしたなか、日系メーカーが実施する最近の新車発表会や報道陣向け試乗会では、シートに焦点をあてた話題が増えている印象もある。商品としてのクルマの熟成度が上がるほど、ヒトとクルマの物理的な接点であるシートの重要性が高まるのだ。

 もうひとつは、クルマに対する趣向性がシートに与える影響が大きい。時代を振り返れば、1940年代から50年代、そして60年代と時代が進むにつれて、それまで一部の富裕層や官公庁向けだったクルマが庶民向け商品へと、その役割が拡大していった。それに合わせて、クルマには高級車、ファミリーカー、スポーツカーなど多様な種類が登場したわけだが、「シート=車内空間」という観点で「シート=家具」という考え方も出てきたものと思われる。

 自宅でくつろぐようなクルマのシート、または自宅では味わえないような高級な雰囲気の車内空間に似合うシート、という発想だ。そこでクルマのシートでも本革という仕様が広がった。または、馬具もクルマのシートに対する影響があったのではないだろう。

 いずれにしても、環境対応やサステナビリティの観点を考慮した各種の新素材を応用したクルマのシート表皮が今後、登場することになるだろう。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

アストンマーティン史上最強ハイパーカー「ヴァルハラ」の全貌がついに公開! 1079馬力のPHEVユニットを積んだF1由来のモンスター
アストンマーティン史上最強ハイパーカー「ヴァルハラ」の全貌がついに公開! 1079馬力のPHEVユニットを積んだF1由来のモンスター
WEB CARTOP
いったい誰向けだよ! 普通の実用車にオーバースペックエンジンをぶち込んだやりすぎ国産車3台
いったい誰向けだよ! 普通の実用車にオーバースペックエンジンをぶち込んだやりすぎ国産車3台
WEB CARTOP
アイサイトの機能と制御をアップグレードでさらに安全・安心になったスバルWRX S4/レヴォーグ/レイバック! 商品改良にあわせて特別仕様車を設定して魅力マシマシ
アイサイトの機能と制御をアップグレードでさらに安全・安心になったスバルWRX S4/レヴォーグ/レイバック! 商品改良にあわせて特別仕様車を設定して魅力マシマシ
WEB CARTOP
F40から40年を経て「12倍以上のお値段」で誕生! フェラーリF80は3リッターV6+モーターで1200馬力の怪物だった
F40から40年を経て「12倍以上のお値段」で誕生! フェラーリF80は3リッターV6+モーターで1200馬力の怪物だった
WEB CARTOP
ひと手間加えてシート剛性UP! 走り系ドライバー必見の新アイテム「シートレールアップデートキット」が発売開始
ひと手間加えてシート剛性UP! 走り系ドライバー必見の新アイテム「シートレールアップデートキット」が発売開始
WEB CARTOP
正真正銘のGT-Rの頂点! NISMOが生んだたった19台の至宝R34 GT-R「Z-tune」は震えがくるほどの中身だった
正真正銘のGT-Rの頂点! NISMOが生んだたった19台の至宝R34 GT-R「Z-tune」は震えがくるほどの中身だった
WEB CARTOP
巨大メーカーのフォードとVWが共に苦戦! 巷で言われる「BEVのつまづき」じゃない根深い原因とは?
巨大メーカーのフォードとVWが共に苦戦! 巷で言われる「BEVのつまづき」じゃない根深い原因とは?
WEB CARTOP
「日本カー・オブ・ザ・イヤー」決定の舞台裏を覗いてみた! 若手ジャーナリストが「10ベスト試乗会」に突撃!!
「日本カー・オブ・ザ・イヤー」決定の舞台裏を覗いてみた! 若手ジャーナリストが「10ベスト試乗会」に突撃!!
WEB CARTOP
塗装の原点「素材を守る」能力が凄い! 劣化した黒樹脂バンパーにも使える「野獣」の名をもつ塗料
塗装の原点「素材を守る」能力が凄い! 劣化した黒樹脂バンパーにも使える「野獣」の名をもつ塗料
WEB CARTOP
メルセデスAMGが本気出すとこうなる! ポルシェ911のライバル「AMG GT」はスポーツカーの理想型だった
メルセデスAMGが本気出すとこうなる! ポルシェ911のライバル「AMG GT」はスポーツカーの理想型だった
WEB CARTOP
アウディA3がマイナーチェンジでデザインとパワートレインを大幅アップデート! 豪華装備の限定車「1st edition」も登場
アウディA3がマイナーチェンジでデザインとパワートレインを大幅アップデート! 豪華装備の限定車「1st edition」も登場
WEB CARTOP
1人だけ横向きに座るの!? トラックみたいに3人並び?? 「そうまでして3人乗りにする?」なスポーツカー3台!
1人だけ横向きに座るの!? トラックみたいに3人並び?? 「そうまでして3人乗りにする?」なスポーツカー3台!
WEB CARTOP
4本まとめて新品に交換したのに納得いかん! 数年経ってみたらタイヤ減り方に差があるワケ
4本まとめて新品に交換したのに納得いかん! 数年経ってみたらタイヤ減り方に差があるワケ
WEB CARTOP
ボクシーもレガシーもエブリィもベルファイヤも全部違うってば! クルマ好きがムズつく間違えられやすい自動車用語
ボクシーもレガシーもエブリィもベルファイヤも全部違うってば! クルマ好きがムズつく間違えられやすい自動車用語
WEB CARTOP
WR-Vやフロンクスのかなり前から「当たり前」だった! 海外生産の「日本メーカー車」の日本導入
WR-Vやフロンクスのかなり前から「当たり前」だった! 海外生産の「日本メーカー車」の日本導入
WEB CARTOP
ルノー「普通のカタチ」やめて斬新デザインSUVを導入 スタイルと実用性の両立へ
ルノー「普通のカタチ」やめて斬新デザインSUVを導入 スタイルと実用性の両立へ
AUTOCAR JAPAN
いまの若者には意味不明!? ターボ車乗りがみんな付けてた「ターボタイマー」が消えた理由とは
いまの若者には意味不明!? ターボ車乗りがみんな付けてた「ターボタイマー」が消えた理由とは
WEB CARTOP
リヤもデカくすりゃより安心じゃない? なぜクルマのブレーキは後輪よりも前輪のほうが大きいのか
リヤもデカくすりゃより安心じゃない? なぜクルマのブレーキは後輪よりも前輪のほうが大きいのか
WEB CARTOP

みんなのコメント

28件
  • s04********
    自動車の革シートって食肉なった牛の革をつかっているから、車に使わなくなると革が余るだけ。 本当にエコなのは牛を食べない事じゃないの?
  • spg********
    >■環境負荷を軽減するために今後は動物由来の素材はなくなっていく

    石油由来の合皮か、天然素材の本革か、どちらが環境負荷が少ないか冷静に考えるべきだ。
    食肉の副産物である天然皮革、持続性さえ考慮できれば、その方が負荷は少ないのは明らかだ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

809.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

38.0438.2万円

中古車を検索
CR-Vの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

809.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

38.0438.2万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村