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市販車なのに見た目も中身もスゴい! 大胆にモディファイされた車3選

掲載 更新 10
市販車なのに見た目も中身もスゴい! 大胆にモディファイされた車3選

■外観も中身も大胆にモディファイされたクルマを振り返る

 自分のクルマを好みに仕立てるチューニングやカスタマイズは、日本でも昔から盛んにおこなわれてきました。昭和の時代だと、チューニングはアウトローなイメージがありましたが、業界団体の努力によって、今では合法の範囲で十分に楽しむことができます。

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 こうしたチューニングやカスタマイズは、専門のショップやチューナーに依頼するか、DIYでおこなう「プライベーター」が一般的ですが、近年は自動車メーカーやメーカーの関連会社も、コンプリートカーというかたちでチューニングをおこなっています。

 とくに、自動車メーカーがチューニングしたクルマはクオリティや耐久性が高く、街のショップではできないような改造も可能です。

 そこで、市販車ながら大胆にモディファイされたクルマを、3車種ピックアップして紹介します。

●三菱「パジェロ エボリューション」

 2019年に惜しまれつつ生産を終えた三菱「パジェロ」ですが、1990年代初頭に起こった「RVブーム」の頃は、ブームをけん引する存在で、空前の大ヒットを記録していました。

 そのヒットの背景には「パリ-ダカール・ラリー」に代表されるラリーレイドでの活躍があり、パジェロのブランドイメージと知名度の向上が図られたといえるでしょう。

 そのため三菱は1997年に、パジャロのさらなる戦闘力アップを目的に、パリ-ダカール・ラリー用マシンのベース車として、「パジェロ エボリューション」を開発しました。

 パジェロ エボリューションは2代目の3ドア。ショートボディをベースに仕立てられて、外観ではクロカン車には似つかわしくないアグレッシブなデザインのエアロパーツを装着。

 具体的には4輪に大型のオーバーフェンダー、大型フィン付リアスポイラー、ステップ付サイドエアダム、専用デザインの前後バンパー、大型エアインテーク付きのアルミ製ボンネットが取り付けられ、見た目の迫力だけでなく、実戦での効果が優先されていました。

 エンジンは最高出力280馬力を発揮する3.5リッターV型6気筒自然吸気ガソリンのみで、トランスミッションは5速MTと5速ATを設定し、駆動方式はパートタイム式とフルタイム式の両方の特徴を併せ持つ「スーパーセレクト4WD」を採用。さらにトルセンLSDとビスカスカップリングを組み合わせた「ハイブリッドLSD」が装着され、高い旋回性能を実現しました。

 ほかにもシャシ剛性のアップとブレーキの強化に、足まわりでは前輪ダブルウイッシュボーンのトーションバースプリングをコイルスプリングへ変更。後輪はリジットアクスルから新開発のマルチリンクにコンバートされ、4輪独立懸架化されました。

 戦うためにモディファイされたパジェロ エボリューションは実際に1998年の「パリ-グラナダ-ダカール・ラリー」の市販車改造クラスへ実戦投入され、総合で1-2-3フィニッシュを飾るなど、大活躍しました。

●日産「NISMO 400R」

 日産は1995年に「R33型 スカイラインGT-R」を発売。R32型からエンジンやドライブトレインは引き継いでいましたが、ボディサイズの拡大や足まわりとブレーキを中心に改良され、さらに走行性能と運動性能が高められました。

 このR33型 スカイラインGT-Rをベースに、NISMOがさらにチューニングをおこない、1996年に発売されたコンプリートカーが「NISMO 400R」です。

 搭載されたエンジンは「RB26DETT型」をベースに排気量を2.8リッターにアップし、専用の鍛造ピストン、コンロッド、クランクシャフト、N1レース用ターボチャージャー、強化エンジンブロック、燃焼室形状を変更したシリンダーヘッド、専用プログラムのECUなどにより、最高出力400馬力までチューンナップ。これが「400R」の名の由来です。

 なお、このエンジンは「RB-X GT2型」と呼称され、中低速域のトルクアップを重視したセッティングとなっており、400馬力は控えめな数値だったといわれています。

 外観は専用デザインの各エアロパーツとボンネットに加え、オーバーフェンダーを装着して全幅を50m拡大。軽量化とともに迫力あるリアビューを演出するチタン製マフラーも、400R専用です。

 一方、足まわりやブレーキ、ホイールなどは、ポテンシャルの高さから既存のNISMO製パーツが組み込まれました。

 当時、NISMO 400Rは1200万円(消費税含まず)と、ノーマルよりも700万円ほど高額な価格で販売されましたが、チューニング内容や、信頼性と品質の高さを考慮すると、妥当な価格だったといえるでしょう。

●メルセデス・ベンツ「190E 2.5-16 エボリューションII」

 メルセデス・ベンツとモータースポーツの関わりは古く、その歴史は第二次世界大戦以前から始まっています。

 そして、近年はF1や「ル・マン24時間耐久レース」以外で力を入れていたのが、市販車ベースのマシンで戦うツーリングカーレースです。

 1986年には、ベーシックなセダンの「190E」をベースに、コスワースが開発した最高出力175馬力の2.3リッター直列4気筒DOHCエンジンを搭載する高性能モデルの「190E 2.3-16」が登場し、ドイツツーリングカー選手権(DTM)に参戦。

 その後、1988年にDTMのレギュレーション変更に合わせて排気量を2.5リッターにアップし、最高出力200馬力を発揮した「190E 2.5-16」がデビューしました。

 さらに1989年には、より戦闘力を高めたエボリューションモデルの「190E 2.5-16エボリューションI」が、1990年には最高出力235馬力を誇る「190E 2.5-16エボリューションII」が、それぞれ500台限定で販売されました。

 この190E 2.5-16エボリューションIIは、ベースがオーソドックスなセダンとは思えないほどアグレッシブな外観で、前後のアンダースポイラーにサイドステップ、巨大なリアウイング、4輪にはオーバーフェンダーが装着されるなど、実際のレースで空力的な効果が発揮されることを前提にモディファイしていました。

 一方、内装は比較的おとなしく、スポーツシートや追加のサブメーターが装着されたくらいでエアコンやオーディオなどの装備が充実しているなど、まさにメルセデス流のスポーツカーといえました。

 なお、190E 2.5-16エボリューションIIは最終的には502台が生産されたといわれますが、十分に希少なモデルであり、直近ではアメリカのオークションにおいて約4120万円で落札され話題となりました。

※ ※ ※

 クルマのチューニングやカスタマイズは奥が深く、非常に難しい面もあります。

 たとえば、エンジンをチューニングすれば間違いないなく耐久性は落ちてしまい、エアロパーツを取り付けてダウンフォースを稼ごうとすると前後の空力バランスが崩れ、かえって旋回性能が低下するケースも珍しくありません。

 しかし、実際にチューニングして性能の向上が体感できるのはとても楽しく、どんどんチューニングにハマっていくことになるでしょう。

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みんなのコメント

10件
  • 「NISMO 400R」オーバーフェンダーを装着して全幅を50m拡大。

    おお。50mも。
  • 個人的にはW124の500Eなんだよな。
    直6の3ℓまでしか積んでない車に、無理矢理SLに積んでたV 8、5ℓを載せただけでなく足回りをポルシェの力を借りて、そっくり作り変えていた。
    外観もさりげなくだが、明らかに張り出し具合が違う前後のフェンダーは、この車が只者ではないことを主張していた。
    当時のメルツェデスにしては大胆でありながら、かなり丁寧な仕事をしていた車だった。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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