バイク感覚も盛り込んだオープン2シーター
ホンダ・ビートは、1991年に発売された軽オープン・ミッドシップスポーツだ。スペックではなく操作する楽しさを重視したスポーツカー(ホンダとしてはそう呼ばなかったが)として評価は高く、現在も多くのマニアに愛されている。ホンダの四輪車は、やはり軽のオープン・スポーツであるS360(市販には至らず)を起源とするだけに、同社としても本領を発揮したモデルであったと言えるだろう。
立派に成長したなぁ!初代の完成形「1962年型コルベット」をレベル製プラモデルで学ぼう!【モデルカーズ】
【画像48枚】リアキャリアも追加したビートと、その制作工程を見る!
ビートのプラモデル化はアオシマから1/24スケールでなされており、現在(2023年2月)も入手は容易である。ここでお目にかけているのは、このキットを美しく、しかも独自のアレンジを込めて仕上げた作品だ。これは自動車模型専門誌「モデルカーズ」214号(2015年)の巻頭特集にて掲載されたものだが、その作例制作について、作者・Ken-1氏のコメントをお読みいただきたい。
「今回担当させていただくのはアオシマ製ビートです。このキットは実車発売から程なくしてアオシマからリリースされたものですが、バリエーション違いや痛車仕様にもなって、現在でも幾度かリリースを繰り返しています。僕自身もキット発売と同時に組み立てましたし、その後もう一度作った経験があります。今回制作したのは、その最初に発売された懐かしい当時モノで、エッチングパーツが付属しています。
しかし、実車の特徴であるシートのゼブラ模様はデカールが入っておらず、当時もその再現に頭を悩ませました。その時は、オプションで用意されているシートカバーを被せた仕様、として逃げた思い出があります(笑)。今回はそのゼブラ地の表現、それに加えて、省略された内装ドア周りの再現、そしてリアキャリアの追加を行いました。
まずゼブラ模様のシートですが、オリジナルのデカールを制作したりとかではなく、出来るだけ手軽に再現できる方法を考えてみたのですが、やはり地道にマスキングで対応するのが結果ベストかな。今回はホビータウンのMyStarマスキングシートを使いました。シート地が程々に厚くしっかりしており、かつゼブラ模様にカットしていってもスパッと歯切れ良く切れ、パーツの複雑な形状にも馴染みがよく、さらに細かくカットしたパターンでもボロボロになることもなく、一枚のシートで張り替えつつ塗装できました。フロアマットもゼブラ柄ですのでご注意を。僕は危うく忘れてしまいそうでした(笑)。
ドアの内張りは、オープンボディということもあり目立つ部分なので、手を加えてやると見違える程説得力が増します。ただ、シートとのクリアランスがありませんので、内張に貼って追加していくのではなく、工程は複雑化しますが、一度くり抜いてから作業するとよいでしょう。内装にはシートベルトの追加なども行っています。やはり完成後も内装が見えるキットですので、手を掛ける分の手応えはありますね。
ハンダ付けによるキャリア自作もやってみれば意外と…!
リアキャリアは、真ちゅうパイプや洋白線を使い、ハンダ付けで自作しました。作業性の良さからプラでの再現も考えたのですが、やはり強度面から難しいと判断しました。本格的なハンダ付けでの制作は実は今回初めてで、やる前は取っ付きにくいイメージもありましたが、考えていたよりもスムーズに出来上がりました。
キットは全体的に愛らしいビートのデザインがよく再現されているのですが、ヘッドライトの表現がそのままですとのっぺりしているのが残念です。内側をモーターツールで削り込み、ヘッドライトユニットを再現してやれば、これまた見違える程表情が生まれてくるのでオススメです。今回はリア側は見送りましたが、こちらもやってみても面白いでしょうね。シャシーのバランスはいいのですが、やや腰高感があったので、車高を1mmほど落しています。ホイールハウス内側も、その向こう側が覗けてしまうのが気になったのでフタをしました。しかし余りキツキツにするとボディがハマらなくなるのでご注意!
と、各部の解決に頭を悩ませましたが、全体をリファイン/ディテールアップした結果、小さな可愛らしいボディの中にぎゅっと詰まった存在感を見せる仕上がりになったと思います」
今回、制作工程の写真については、ボディ周りの加工から塗装まで、それと車高の調整をお見せしている。キットをお持ちの方の参考になれば幸いだ。続きについては、追って公開する後編の記事でご紹介するのでお楽しみに。
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