2014年に登場したレクサスのスポーツクーペ「RC」とその高性能版「RC F」に改良が施されエクステリア、インテリア、パフォーマンスなどがアップデートされた。どこがどのように進化したのだろうか。プレス試乗会からその印象をレポートする。
2005年のRXから始まったレクサスブランドは、2019年2月にグローバルでの累計販売台数1000万台を達成した。ちなみに2018年は、69万9330台を販売、その中でハイブリッドモデルは約20%を占めるという。
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そんなレクサスは、先日マイナーチェンジされたRXやNX、LX、さらにはUXの登場でSUXラインナップに広がりを見せ販売も好調である。さらにLSを頂点にGS、ES、ISとセダンのバリエーションも豊富だ。そしてクーペといえば、LCとRCの2モデル展開で、今回はその中のひとつ、2018年10月に改良されたRCと2019年5月に改良されたRC Fの2モデルの試乗機会を得た。
まずは公道でRC350、続いてRC300hに試乗した。前者は3.5LV6エンジンを搭載し最高出力318ps/6600rpm、最大トルク380Nm/4800rpmを発生、8速ATを組み合わせ、後者は2.5L直4エンジン+モーターで、システム合計出力220psとなるハイブリッドで、こちらは電気式無段変速機だ。
この他にも、245ps/350Nmを発生する2L直4ターボエンジンを搭載するRC300がラインナップしている。好印象だったのはV6エンジンを搭載したRC350 Fスポーツだった。
スポーツクーペとしてのパフォーマンスに不満を感じることはなく、ドライバーの操作に忠実に反応してくれるところなども含めとても扱いやすい。
さらに静粛性も高く綺麗な路面であれば実に気持ちがいい走りが味わえる仕上がりだった。ただし荒れた路面が連続するような場所では、衝撃を直接伝えてくるようなこともあり、そのあたりはもう少し洗練されて欲しいと感じた。
スペシャルなクルマだからこそこだわった部分もある
RCで興味深かったのはテールライトだ。チーフエンジニアの小林氏によれば、後から見たときにテールライトユニットに切れ目がないように見せる工夫がされているという。つまりボディ側にもトランク側にも断面部分が点灯するようにしているというのだ。それも新しいRCのこだわりだというのである。実際に言われた部分を確認してみると、たしかにそのとおりであった。
さらにFスポーツには、ブラックステンレスのウインドウモールが採用された。それを使うことでコストアップになるはずだが、ここにも開発陣の強いこだわりが感じられる。気になる人はぜひショールームで確認してみて欲しい。
さて、RC Fの試乗の舞台は、富士スピードウェイの本コースとなった。ちなみにレクサスのFモデルは、街中からサーキットまで本格的な走りが楽しめるスポーツカーをコンセプトに開発され、現在は、GSとRCにFがラインナップされている。
搭載するのは、5L V8エンジンで最高出力481ps/7100rpm、最大トルク535Nm/4800rpmを発生するが、このパフォーマンスを味わい尽くすのは一般道では難しく、やはりサーキットが相応しいだろう。
さらにパフォーマンスパッケージは、カーボンセラミックブレーキやチタンマフラーなどの採用で従来型比約の軽量化が実現され、よりサーキット向けの仕様となっている。
実際に走ると、V8エンジンが右足の動きに即座に反応する。さらに高回転までストレスなく回りきるので実に気持がいい。そしてどんな場面でも挙動がとてもわかりやすく、クルマを操るといった感覚が強く感じられた。これはブレーキ、ホイール、タイヤといったバネ下を軽量化した効果もあるはずだ。
今回RC Fは、公道試乗こそできなかったが、この完成度ならかなり刺激的な走りが楽しめそうな予感がする。(文 千葉知充・Motor Magazine編集長/写真:村西一海)
■レクサスRC350 Fスポーツ
全長×全幅×全高:4700×1840×1395mm、ホイールベース:2730mm、車両重量:1700kg、パワートレーン:V6DOHC、総排気量:3456cc、最高出力:234kW(318ps)/6600rpm、最大トルク:380Nm(38.7kgm)/4800rpm、トランスミッション:8速AT、駆動方式:FR、燃料・タンク容量:プレミアム・66L、JC08モード燃費:10.2km/L、車両価格:707万円
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