「栃木県民の日」である2018年6月15日、栃木県庁正面玄関において、日本国内では初導入となる日産GT‐Rパトカーの贈呈式が、福田富一県知事や坂口拓也県警本部長、寄贈者の中村和男さんらが出席のもと行われた。
当日はあいにくの雨となったが、多数の報道陣をはじめ、GT‐Rパトカーをひと目見ようと県内外から多くのパトカーファンやGT‐Rファンらがカメラを手に集まり、会場は熱気に包まれた。
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贈呈式では関係者らが除幕式を行い、寄贈者である中村和男さんから福田富一県知事にレプリカキーが贈呈され、華々しいデビューを飾った。
本稿ではこの、国内初導入となるR35GT-Rパトカーについて、どういう経緯で寄贈することになったのか? どこに配備されるのか? 装備は? このほかのスーパーパトカーは? などなどじっくり紹介したい。
文&写真:有村拓真
■パトカー用専用装備が盛りだくさん
この日産GT-R、車両価格は1870万円ということであるが、そのうちの1200万円は寄贈者である中村和男さんから、残りは日産自動車が負担。
GT‐Rを製造する日産栃木工場は今年で操業50年を迎えることもあって、今回の導入は節目にふさわしいイベントになった。GT‐Rパトカーの導入に関しては1年ほど前に話があったそう。
(編集部注:中村氏は栃木県在住の会社役員で、事故抑止を目的に寄付の申し入れがあり、関係者と協議して最新車両の導入に至ったとのこと)
関係者を集めて栃木県庁前で実施された寄贈式。あいにくの雨模様だったが約100名が出席した
パトカーとしての装備は速度取り締まりでおなじみのストップメーターをはじめ、散光式警光灯(いわゆる赤色灯)や前面警光灯、ナビミラー、無線機などが装備されているが、赤色灯には雪国仕様でおなじみの防雪カバーと呼ばれるものが付いており、これはサイレン部分に雪が積もってもサイレンの音通りを確保するという優れものである。
ほかにもドア開閉時の後方からの視認性を確保するために青色LEDテープが左右ドア側面に装着されており、特に夜間の高速道路上での効果が期待される。
白黒パトカーに装着される各種専用装備が装着される。抑止効果はむちゃくちゃ高いし、「これに乗りたいから警察官をめざす」という子供も増えそう
■スーパーパトカー大好き栃木県警
栃木県警察ではホンダNSXや日産フェアレディZといった、他県ではあまりお目にかかれないパトカーが導入されている。
かつてはフォード・マスタングマッハ1が同県警高速隊に配備されており、1973年から1984年まで活躍した。現在は同県の運転免許試験場に展示されており、間近でその貴重な車両を確かめることができる。この車両は地元JAからの寄贈だったとのことだ。
ほかにもホンダNSXのNA1型初代モデルが同県警高速隊に配備されていたが、任務中に事故を起こし廃車となった噂話が存在している。
その後1999年にNA2型が栃木県警察高速隊に配備され、現在でも活躍している。初代、2代目といずれもホンダからの寄贈で、いずれもNSXの製造が栃木の高根沢工場で行われていたことに由来している。
また、2007年にはZ33型フェアレディZ NISMOも日産からの寄贈により同県警高速隊に配備されている。こちらも今回のGT-Rパトカー同様に日産栃木工場で生産されたモデルであり、マスタングを除いてこれらのパトカー3台はいずれも栃木県生まれの車両ばかりである。
■違反車の高性能化に対抗したものの…
このような高速パトカーは栃木県ばかりが注目されがちだが、他のスポーツタイプのパトカーは国費(国の予算)で調達され、全国に配備される、というケースが多い。
スバルレガシィ(BL・BM型)やインプレッサWRXSTi、三菱VR‐4などのパトカーが存在しているが、いずれも近年引退傾向にある。
こうした車両は【交通取締用四輪車「高速II型」】という調達名目で導入されているが、かつてのセドリックやクラウンでは高速道路上で性能を上回る逃走車の追尾に支障が出たため、このようなハイパワーパトカーが導入された経緯があるようだ。
現在ではクラウンなどのパトカーの性能も格段に向上していることや、そもそもスポーツカータイプの車が高額であることなどを勘案しクラウンパトカーや覆面パトカーを導入した時期もある。
■東北道や北関東道に行けば見られるか!?
栃木県警に配備されたこのR35 GT‐Rパトカーは、高速道路交通警察隊本隊である鹿沼分駐に配備され、6月18日月曜日より東北自動車道や北関東自動車道などの第一線で活動を開始し、交通安全運動をはじめとする各種イベントにも積極的に運用・公開していくとのことである。
今まで栃木県警では、各種イベントにはNSXとフェアレディZの2台が中心を担っていたが、今後は3台まとめてPR活動に出動する出番がありそうなので目が離せない。ちなみに今回のGT‐RパトカーもNSXやフェアレディZなどと同様、ナンバープレートの数字が「・110」といかにもわかりやすい数字がチョイスされている。
パトカーとしての使い勝手の中で気になるところは、高速道路上などでの違反者に対して違反告知を行う際、違反者を車内の後部へ座らせるのか助手席に座らせるのかだが、県警の担当者に質問したところ「適宜対応していく」との表現に留まった。
(編集部注/「このパトカーに捕まった!」という方、体験談をお待ちしております)
■まだあるこんな、スーパーパトカー
(以下、編集部)
全国には、栃木県警以外にも多くのスーパーパトカーを配備する警察が存在する。ここではほんの一部を紹介しよう。後ろから追いかけられると思うと絶望感しか浮かばないし、正直いって担当者の趣味もだいぶ入ってる気がするし、趣味だとしたら税金の使い道としてちょっとどうなのとも思うが、こうして見るとなんだかわくわくするし頼もしいとも思うから不思議だ。
愛知県警の三菱GTOパトカー。1996年頃に交通取締用四輪車「高速II型」として国費で配備された。愛知県警察では現在でも現役で運用しているが、イベント専従での活躍だ。クロームメッキのアルミが警察車両らしからぬ雰囲気を醸し出している
埼玉県警の日産R34スカイラインGT-Rパトカー。2000年に県費(県の予算)で導入された。グレードは前期Vスペック、後期型、後期型VスペックIIで白黒パトカーとして5台が存在。また同車の覆面パトカーも県費で導入されていた。白黒パトカーは3台が現役である
警視庁のフェアレディZ NISMOパトカー。2016年に都費で3台が導入された。いずれもNISMO仕様であるが、後年に1台が追加配備され、こちらはノーマル仕様のフェアレディZだった。マツダRX‐8パトカーの後継配備で、抜群のインパクトだ
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