こんにちは! ラリー コ・ドライバーの松本優一です。
今回はスバルのユウイチとしてWRC(世界ラリー選手権)FORUM8 ラリー・ジャパン 2023のレポートをお届けしようと思います。スバルのユウイチでも、なんと今回はPWRCで2度のチャンピオンを獲得している新井敏弘選手のコドラとして、SUBARU TEAM ARAIからラリー・ジャパンに参戦してきました!
トヨタが昨年のリベンジ成功で1-2-3フィニッシュ! 勝田貴元は地元愛知でステージベスト10本をマーク【WRC ラリー・ジャパン2023】
世界の新井選手からオファーを頂いたのはなんと申込締切の1週間前。世界選手権を2度も制覇している新井選手とWRCに出場することは大きな経験を得られると思い、受けた電話で即OK。エントリーを決めました。
ラリーレポートに移る前に、これまでレポートしてきたJRC(全日本ラリー選手権)とWRCのスケジュールについて簡単に触れておきましょう。
JRCでは通常金曜日にレッキ(コースの下見)を行い、土日2日間で競技を行います。ところがWRCではなんと前週の日曜日に参加受付、レッキは月曜日から水曜日までの3日間、その後木曜から日曜日までの4日間で競技を行います。とっても長い! 仕事を休むのも大変です…(笑)
■800kmのレッキ! 4冊のロードブック!
ラリー・ジャパンでは12か所のコースをレッキしてきました。前回のユウイチ日記で安藤選手が「レッキで300km」とお伝えしていましたが、なんとラリー・ジャパンではレッキ3日間の走行距離が約800km! 倍以上です(笑)。ラリー中に通るルートを示したロードブックも、レッキ専用のものが用意されており4冊もあります。
レッキ車には、過去にPWRCやJRCで使用していたGRB型インプレッサを使用しました。レッキの距離が長いため、レッキ中の車両トラブル等に備えてメカニックが待機しており、最悪の場合はレッキ車両の入れ替えもできるよう別のWRX STIも用意してレッキに臨みました。
WRCのレッキでは専用のトラッキングアプリを使用して、選手の車両の位置や走行速度を運営で監視しています。特にレッキ中の速度違反について厳しく監視しており、60km/h以上で走行すると警告灯の点灯と警告音が鳴り響くシステムで、過度な速度違反をすると罰金もあるのです。ちなみにレッキ中は、林道でトヨタGAZOOレーシング(TGR)のセバスチャン・オジエ選手とよく遭遇しました。
■華やかなセレモニアルスタートの裏で……
WRCではラリースタートの前にシェイクダウンというイベントがあります。これは車両の動作確認やセッティング確認のために、指定されたコースを走行できるものです。今年のシェイクダウンコースは昨年ラリー・ジャパンのSS1で走行した鞍ヶ池公園の中…。新井選手にとっては苦い思い出のあるコースでしたが、3本走って車両のチェックを無事に完了しました。
シェイクダウンのあとは豊田スタジアムでのセレモニアルスタート。スタジアム内でのライトや花火の演出はとても非日常感のあるすばらしいものでした。ちなみに、セレモニアルスタートの最中には新井選手とTGR-WRJの勝田範彦選手、眞貝知志選手の3人でお互いのGRYaris Rally2 ConceptやWRX S4 JP4に乗り込みあい、誰の足が長いとか短いとかそんなことをしていました。
比べた結果については伏せておきます(笑)。ほかの選手たちもお互いのクルマに乗り込んでいる姿を見かけたので、足の長さを比べていたのかもしれませんね。
■デイ2は一日中波乱続き
セレモニアルスタートのあとはすぐにSS1 TOYOTA STADIUMのスーパースペシャルステージ(SSS)でラリースタートです。豊田スタジアムでのSSSは2台同時に走行する、ラリーではあまり見ることのできないバトル形式。なんと私たちは全体のトップバッターとして1番最初にスタートすることに! 対戦相手は勝田範彦選手です。残念ながら負けてしまいましたがラリー・ジャパンのスタートを飾らせていただきました。まだ免許のない学生時代、札幌で開催されたラリー・ジャパンで札幌ドームのSSSを観たときと同じような舞台を走れるのはうれしいものですね。
LEG2はラリー・ジャパン名物の伊勢神トンネルSSなど、3本の林道SSを走行しました。しかし、SS2の伊勢神トンネルでRally1車両のクラッシュにより赤旗、SS4は悪天候によりヘリコプターが飛行できないためキャンセルと、午前中から波乱の展開となりました。
ラリージャパンが初めての新井選手とのコンビ、さらに新型WRX S4でのラリーも初めてでしたが金曜日は大きなトラブルもなく、ナショナルクラス2位で豊田スタジアムに戻ってきました。
金曜日の締めは豊田スタジアムSSS。これがまた仕組まれたかのように、対戦相手は新井大輝選手。なんと親子対決です(笑)。正直、狭いスタジアム内でのコースで勝てるとは思っていませんでしたが、まさかの大差で負けてしまいました…。濡れた路面とタイトなコースに手も足も出ませんでした。
しかし、ここでも大波乱! ナショナルクラストップを快走していた勝田範彦選手がアクシデントに見舞われリタイア。なんとナショナルクラストップで金曜日を終えることになりました。
■まさかの車両トラブル
クラス首位で迎えた土曜日、天候も回復し、ラリー・ジャパン名物の熊野神社前を通過する三河湖SSや、たくさんのギャラリーが待つ岡崎SSを走行するアイテナリー。新城ラリーでも使用した額田SSで2位以下を大きく離した私たちですが、なんとここで車両トラブル(泣)。SSの途中でオルタネーターが壊れたようで、リエゾンにてエンジンがかからなくなり無念のLEG離脱となってしまいました。SNS等では新井選手を待っていた等のコメントもあり、非常に申し訳なかったです。
マシンを修復し戦線復帰したWRX S4。WRCではLEG離脱した場合でも、ペナルティを課されて競技に復帰することができます。一つでも順位を上げるために全力でアタック! SS2本を終えた時点で前走者を抜き、順位を一つ上げることができました。
■ウエットなんて聞いてないよ
迎えたSS19、ここでまた私たちに悲運が待ち受けていました。日曜日はドライタイヤのソフトを選択して出走していた私たち。なんとSS19では前日に降った雪が解けた水が道路に流れ出しコースは完全にウエット状態に…。タイトコーナーの立ち上がりでグリップを失いコース脇に鎮座する岩にヒットしてしまい、足まわりを破損したことによってリタイアとなりました。ちょっと想定外でした…。
ギャラリーポイントとなっていた恵那山荘には雪だるまとラリー・ジャパンの旗が飾ってありました。
また、マシンを停車した場所がギャラリーポイントだったこともあり、何人かのギャラリーの方と写真撮影やサインをさせていただきました。恐縮なことに元WRC世界王者のペター・ソルベルグ選手や新井選手のサインの隣に自分のサインを書くことに! こんなところに書いて大丈夫なのかと思ってしまいます(笑)
■ナショナルクラス優勝はトヨタのユウイチ!
最終的に、SS1でトラブルに見舞われながらも見事に追い上げたTGR-WRJの眞貝知志選手/安藤裕一選手のGRYaris DATが、ナショナルクラスでの優勝を飾りました。おめでとうございます! お子さんを抱いての表彰台センターはうらやましいですね。
しかし悔しいラリーでした。大きな忘れ物をしてきたので次の機会にリベンジしたいと思います。
さて、4月から始まった「トヨタとスバルのユウイチ日記」ですが、今シーズンはこれで最後になります(来シーズンはあるのでしょうか?)。安藤選手と交代でラリーのあれこれをお伝えしてきましたが、お楽しみいただけたでしょうか? SNS等での反響コメントをいただくこともあり、私は楽しく書くことができました。1年間ありがとうございました。
来シーズンも2人の”ユウイチ”の応援、よろしくお願いいたします。
<写真と文=松本優一>
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