2021年4月、今年秋に予定されていた東京モーターショー(TMS)が中止となった。残念・無念の極みだが、落ち込んでばかりもいられない、
スクープ班が総力を挙げて掴んできた、TMS2021に出展を計画していた各メーカーの「市販確定車」たちの最新情報を徹底的に掘り下げる!
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※本稿は2021年6月のものに適宜修正を加えています
文/ベストカー編集部 写真/HONDA、SUBARU、MAZDA 予想CG/ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2021年7月26日号
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■ホンダ…「2030年電動化」へ向けた新戦略がいよいよ始動
コロナ禍の影響、半導体の供給問題などで商品戦略にも混乱をきたしている印象のホンダ。
英国工場の閉鎖に続き、国内では本年内をもって狭山工場の閉鎖も決まっており、商品ラインナップの見直し、整理が必須となっている。
一方でS660のように、来年3月で生産を終了すると発表した瞬間に予定生産数を超える受注があり、すでに受注を停止しているケースも。
買いたいのに買えないというのは、メーカーにしてみれば販売機会の損失であり、商品ラインナップを含めた整理&再構築の途上にあるホンダの厳しい現実を現したものと言えるだろう。
そんなどこかギクシャクした印象を受けてしまうホンダだが、2030年の完全電動化に向けた象徴的なモデルとして、完全新開発のEVピュアスポーツを投入する。
ホンダeをベースとしたコンパクトEVスポーツではなく、S2000とNSXの中間的サイズのミッドサイズスポーツ。
ホンダeと同じくリアにモーターを搭載する後輪駆動となるというのが最新情報だ。
●ピュアEVスポーツモデル(2024年登場予定)
2030年に完全電動化を目指すホンダ。そのイメージリーダカーとしてTMS2021に出展するはずだったのが、S2000をひと回り大きくしたEVピュアスポーツ。後輪をモーターで駆動する技術はホンダeで得た知見を活用する。
ホンダ ピュアEVスポーツモデル(2024年登場予定・画像はベストカー編集部による予想CG)
●オデッセイ、レジェンド、クラリティ3モデルが年内で生産終了へ
現在狭山工場で生産されるクラリティは8月に生産を終了。レジェンド、オデッセイも狭山工場が閉鎖となる12月には生産を終了し、後継モデルの開発も凍結。
この3モデルは現行型をもって車名が消滅してしまうことになる。オデッセイは一時代を作っただけに、特に残念だ。
オデッセイ
レジェンド
クラリティ
■マツダが目指すカーボンニュートラルへの方策
マツダは6月17日に発表した中期商品計画で、2022~2025年にかけてEVを3モデル、PHEVを5モデル、ハイブリッド5モデルをグローバルに投入することを明らかにした。
また、これとは別に2025年以降、EV専用プラットフォームを開発し、複数モデルを投入する。
興味深いのは、新たに体系づけられた「SKYACTIV内燃機関専用スケーラブルアーキテクチャー」で、これは縦置き直6パワーユニットを軸とした後輪駆動プラットフォームの「ラージ群」と、横置きFF系の「スモール群」に大別される。
直6、FR系では48Vマイルドハイブリッドが設定され、これが来年登場予定の次期型マツダ6、さらに2023年にフルモデルチェンジが計画される次期型CX-5に採用されることになる。
直6、3Lエンジンはガソリン、ディーゼルが設定される。
●CX-5はプレミアムSUV路線を強化(2023年登場予定)
CX-5は現在のFFプラットフォームから、縦置き後輪駆動のラージプラットフォームとなって、よりプレミアム性を追求。登場は2023年の予定だ。
マツダ 新型CX-5(画像はベストカー編集部による予想CG)
●FRサルーンの新型マツダ6(2022年10月登場予定)
右上の直6エンジンを縦置きしたFRレイアウトのラージプラットフォームを採用したマツダ6は来年秋にデビュー予定。
マツダ 新型マツダ6(2022年10月登場予定・画像はベストカー編集部による予想CG)
●MX-30EVにレンジエクステンダー追加(2023年予定)
ロータリーエンジンを発電用に使うレンジエクステンダーEVは2023年MX-30に追加。
マツダ MX-30EV
■スバル…WRX S4、そして注目のWRX STIがいよいよ登場
スバルはトヨタとの協業で新型86/BRZを送り出したが、両社の協業はそれぞれの得意とする領域を活かし、効率よく実現している。
その大きな結果として新開発プラットフォームによるピュアEVだ。トヨタではこれを「bZ」シリーズとしてSUVモデルを上海ショーで公開。
スバルは『ソルテラ』の名称で来年市販する予定。このEVプラットフォームはさらに多くの車形、モデルに展開していくことになり、当然スバルモデルもラインナップ展開が計画されている。
トヨタとの協業で新開発されたEV専用プラットフォームによる「ソルテラ」は来年にも市販開始の予定
そして期待の1台が、新型WRX STIだ。先にWRX S4が間もなく、本年8月 新型に切り替わる。
STIは2.4L水平対向4気筒ターボは同じでも400ps/50kgmまで大幅にパワーアップするとともに、足回りやボディをさらに強化して圧倒的な動力性能とハンドリング性能を手に入れることとなる。
●新型WRX STI(2022年10月登場予定)
新型WRX S4が今年7月に登場するのに続き、WRX STIが来年5月にデビューする。水平対向4気筒2.4Lターボエンジンは最高出力400ps、最大トルク50kgmを発揮する
スバル 新型WRX STI(2022年10月登場予定・画像はベストカー編集部による予想CG)
7月29日に発表されたばかりの新型BRZ。開催されていればこれが直近の新型でありお披露目の機会になっていたはず。残念
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縦置き後輪駆動のCX−5はさらに酷い。