いつもベストカーの誌面で鋭い批評を繰り出してくれている評論家8名に「これまでで最も推せるクルマってなに?」を聞いてみた。これまで星の数ほどクルマを見てきた皆さんにとって、全世代と現行車で最推しの一台は何なのか? 気になって尋ねてみた。
※本稿は2024年9月のものです
文:渡辺陽一郎、鈴木直也、国沢光宏、片岡英明、清水草一、永田恵一、齊藤聡、岡本幸一郎、ベストカー編集部/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2024年10月10日号
初代[ワゴンR]の広さに衝撃!! 評論家が選ぶ[イチオシ]のクルマたち
【画像ギャラリー】どれもスゲー良いクルマなのよ! 懐かしのクルマから最新車まで一挙に(38枚)
■渡辺陽一郎は……スズキ ワゴンR(初代)とホンダ フィット
スズキ ワゴンR(初代)
一番の評価していたのは初代ワゴンRだ。発売は1993年で、全高が1600mmを超えるボディにより、当時の軽自動車では車内が抜群に広かった。1990年に登場したミニカトッポも背が高かったが、ワゴンRは着座位置も最適化されて居住性が快適だ。
後席はコンパクトに格納できて広い荷室になり、助手席の下には大きな収納設備がある。今の背の高い軽自動車の機能を網羅していた。
現行車では合理的で買い得なフィットを推奨する。
ホンダ フィット
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■鈴木直也は……トヨタ プリウス(20系)とトヨタ ヤリスハイブリッド
トヨタ プリウス(20系)
ぼくが重視するのは「コイツが世界を変えた!」という視点。ただいいクルマってだけじゃなく、世界を変えるには販売台数も大事、という理屈だ。
その意味で、現行車で最も高く評価するのはヤリスハイブリッド。LCS(ライフ・サイクル・シミュレーション)で見たCO2排出量でBEVに匹敵する環境性能の高さが素晴らしい。
過去モデルでは、20プリウスがいち推し。いまや年間450万台も生産されるトヨタハイブリッドは、ほとんどが20プリウスの子孫なんだからね!
トヨタ ヤリスハイブリッド
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■国沢光宏は……トヨタ プリウス(30系)と現行型トヨタ プリウス
トヨタ プリウス(30系)
30プリウスは圧倒的な普遍性と魅力とクルマとしての実用性を持ってると思う。実際、これほど燃費よくて、安価で、スタイリッシュで、使い勝手よくて、世界どこでも重宝され、中古車まで大切にしてもらっていると言う点でブッチギリだと思う。
ひとつの性能や魅了が突出しているクルマなら下を見て90車種はあるけれど、クルマの本質で考えたら素晴らしい! 現行型も30プリウスほどじゃないけれどプリウスですね。
現行型トヨタ プリウス
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■片岡英明は……スバル インプレッサSTI S204とトヨタ GR86/スバル BRZ
スバル インプレッサSTI S204
最推しは、2代目インプレッサのWRX STIをベースにしたコンプリートカーのS204だ。S203の発展型で、大人のスパルタンスポーツに仕上がっている。フラット4ターボはトルクが湧き出るし、リニアなハンドリングにも磨きがかけられ、楽しい。
現代の新車ではリア駆動のピュアスポーツに惹かれる。GR86/BRZであったり、等身大で操る楽しさに満ちたロードスターもまた満足度の高い1台だ。
トヨタ GR86/スバル BRZ
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■清水草一は……日産 スカイラインGT-Rとマツダ ロードスター
日産 スカイラインGT-R
現行ロードスターは奇跡のライトウェイトスポーツだ。デザインもインテリアも走りも、何もかも本当に素晴らしい。
過去のモデルでは、やっぱり32GT-Rのインパクトが強烈過ぎた。2.6L直6ツインターボのRB26DETTはR34GT-Rまで使われた名機だし、今乗ると未完成だったなぁって思うところもあるけど、そこも含めてすべてが味わいのカタマリ! バブル期のイケイケ感満点。
マツダ ロードスター
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■永田恵一は……トヨタ 86/スバル BRZとトヨタ ハイエース
トヨタ 86/スバル BRZ
全世代ベストは初代86&BRZ。理由は日本のスポーツカーが絶滅寸前だった2012年に誕生してくれたことで、自動車業界全体を活性化する強烈な起爆剤となったから。それだけに「もし2台が登場しなかったら?」と考えるとゾッとする。
現行車ではハイエース。クルマの出来や発展性に加え「売れてる長寿車」という点から、ハイエースには「モデルチェンジの必要性」などを深く考えさせられるくらい、重要な存在だ。
トヨタ ハイエース
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■斎藤聡は……マツダ ロードスター(初代)とマツダ ロードスターRF(現行)
マツダ ロードスター(初代)
初代ロードスターはボクの考えるスポーツカー像の拠り所となっている。推しのポイントは、速さではなく「操る楽しさ」を指標にしている点。個人的にはこれこそが最も大切な性能ではないかと思っている。
付け加えて言えば、初代ロードスターの操縦性には、“こうやって走らせると気持ちいい”という走りのデザインがなされており、この点もボクが強く共感するところ。現行NDロードスターRFも変質することなく初代のマインドを色濃く受け継いでいると思う。
現行型マツダ ロードスターRF
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■岡本幸一郎は……マツダ RX-7(FD3S)とトヨタ ランドクルーザー250
マツダ RX-7(FD3S)
FD3Sを初めて見た時の衝撃はいまでも忘れない。あんなにカッコよくて軽くて速くて、切れ味するどいハンドリングを味わえるクルマはかつてないし、おそらくこれからも出てこない。スポーツカーとしての魅力が凝縮された、奇跡のような1台だった。
現行車ではランクル250にひと目惚れ。まさにこういうランクルを待っていたんだよ。“質実剛健”、なんていい言葉だ。後発の強みで出ていきなり完成されている仕上がりのよさにも感心した。
トヨタ ランドクルーザー250
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■オレにも言わせろ! 編集部が選ぶ最推しベストカー
●イイジマは……スバル アウトバック
スバル アウトバック
4WDのワゴンで都心もアウトドアも、ばっちこいな一台!
●ウメキは……三菱 トライトン
三菱 トライトン
三菱のDNAがビンビンに輝く、注目ピックアップ!
●イイボシは……日産 GT-R(R35)
日産 GT-R(R35)
国産で唯一ポルシェ911相手に肩を並べられる存在だ。
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