年間300台以上のクルマを見て乗っているGQ自動車エディターが、「これはいい!」と感じた3台を紹介する。今回は個性豊かなスポーツ&GTカーをピックアップ。
クルマのカッコよさとは?
29歳、フェラーリを買う──Vol.146 心を痛めたコメントについて
スポーツカーはなぜ魅力的なのか? 筆者は女優の夏樹陽子さんを思い浮かべた。
夏樹さんは、イエローのフェラーリ「F355」を乗りこなしていて、猛烈にカッコいい。新車から20年以上、一途におなじフェラーリを愛し続ける夏樹さんは、MTを華麗にギアチェンジして〝跳ね馬〟を操る。ものすごく飛ばすとか、カーブを攻めるとか、そういった走りではなく、あくまでエレガントに。それもまたカッコいい。
このカッコよさこそ、スポーツカーにとってもっとも大切なことだと思う。やっぱり、スポーツカーはカッコよくてナンボ。カッコいいスポーツカーをカッコよく乗りこなすと、カッコいい!というわけで、今回はスタイル抜群のスポーツカーを選んだ。
BMW M4 CABRIOLET Competition M xDrive
驚くほど速く、そして快適な超高性能オープンカーだった。真冬の1月でも、強力な暖房&シートヒーター、そしてネックヒーターがあるから、オープン状態でも身体はポカポカ。まさに"頭寒足熱"で、気分はまるで露天風呂状態である。あぁ極楽、極楽……
しかも、アクセルをちょっと踏むだけで豪快な音とともに速度がグングン上昇していくのを"屋根なし"で体感するのは"超気持ちイイ!"(©北島康介さん)。いざとなれば4人乗れるし、それなりに荷物も積める。乗り心地も見かけよりしなやかだから、実用性は意外なほど高い。
オープンでよし、クーペでよし、サーキットでよし(たぶん)。こんな万能選手、なかなかいないのでは? "自動車オリンピック"なるものがあれば金メダル獲得も夢じゃない。(価格:1433万円)
LEXUS LC500
登場から約5年が過ぎた今なお、色褪せぬ和製GTカー。見ても、乗っても素晴らしい。
筆者は改良のたびに乗っているが、まったく飽きないし、どんどん好きになっていく。とくにハンドリングと乗り心地の向上には目を見張るものがある。レクサスの地道な改良の賜物だ。
しかもLC500は、今やレアな5.0ℓV8自然吸気エンジンを搭載するのがイイ。スポーティかつ優雅な走りをいつでもどこでも味わえる。アクセルを踏み込んだときの快音も心地よく、つい長距離を走りたくなってしまう。
でもイマドキ、こんな大排気量エンジン車に乗るのはちょっとね……と、気になる人はハイブリッドのLC500hを選べば良いのだ。いずれにせよ、日本車では類を見ない美しく流麗なエクステリアは変わらないからご安心を。(価格:1327万円~)
NISSAN FAIRLADY Z
東京オートサロン2022の会場で見たとき「超カッコいいじゃん!」と、一瞬で恋に落ちた。国産スポーツカー冬の時代に、こんなカッコいいクルマを世に送り出した日産には感謝しかない。
発表会には歌手・俳優で元レーサー、レーシングチームのオウナー兼監督でもある近藤真彦さんが登壇。新型Zと"マッチ"していた。
限定240台の特別仕様車「プロトスペック」は696万6300円。標準モデルは約500万円スタートと噂されるからオトナ向けスポーツカーのように思われるかもしれないけれど、Zだけに"Z世代"の若い人にも乗ってほしい。きっと運転の楽しさに目覚めるはずだ。
それにEV(電気自動車)化が加速していく今、Zのような"純ガソリン車"に乗れるチャンスはどんどん少なくなっていくのだから……。(価格:696万6300円【Proto Spec】)
PHOTOGRAPHS BY HIROMITSU YASUI
WORDS BY KUNIYASU INAGAKI @ GQ
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