■2021年に惜しまれつつ生産を終えたホンダ車を振り返る
もうすぐ2021年も終わろうとしていますが、今年も数多くの新型車がデビューしました。しかし、その一方で生産を終了したクルマもあります。
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どんなクルマでも、発売から一定の期間が経つと、フルモデルチェンジするか販売を終了するかの選択が迫られます。
人気が高いクルマの場合はフルモデルチェンジしても多くの販売台数が期待できますが、人気が低迷しているクルマでは、どんなに長い歴史があっても生産終了となり、ラインナップから消滅するケースは珍しくありません。
人気が低下する理由はさまざまですがニーズの変化という面が強く、かつて人気があったクルマでも抗うことはできないといえるでしょう。
そこで、2021年に生産終了となることが大いに話題となったホンダのモデルを、3車種ピックアップして紹介します。
●アクティトラック
ホンダは1948年に創立されオートバイメーカーとして成長。そして、1963年に同社初の4輪自動車として、軽トラックの「T360」を発売しました。
その後も、ホンダは軽トラックの生産を続け、一時的に軽乗用車の生産から撤退した時も軽トラックはつくり続けてきました。
しかし、近年は農業規模の縮小という背景が大きく影響し、軽トラック市場の需要はピーク時の半分以下に減少してしまいました。
さらに、直近ではホンダ、スズキ、ダイハツの3社のみが軽トラックの製造をおこなっていましたが、ホンダのシェアは1割ほどと低迷が続いていたことから、2021年4月に「アクティ トラック」の生産を終了。
ホンダはアクティ トラックのフルモデルチェンジも検討していたようですが、安全基準と排出ガス規制の強化に適応させるコストの回収が見込めないということから、生産終了という経営判断を下し T360から58年続いたホンダの軽トラックの歴史は、幕を下ろしました。
●オデッセイ
1980年代の終わりから1990年代の初頭、日本は未曾有の好景気に湧いていました。いわゆる「バブル景気」です。
しかし、好景気は長くは続かず、1991年から1992年にかけて景気は急激落ち込み、バブル景気は崩壊しました。
バブル崩壊の影響はさまざまな業種に及びましたが、自動車メーカーもそのひとつで、なかでもホンダの経営状態は危機的な状況となり、経済界では三菱の傘下になるのではという噂も飛び出したほどです。
そんな状況だったホンダの救世主となったのが1994年に発売された初代「オデッセイ」で、5代目「アコード」のプラットフォームをベースに開発され、乗用車と変わらないドライブフィーリングに、FFの恩恵である広い室内空間から大ヒットを記録。
すでにミニバンは各メーカーから発売されていましたが、オデッセイのヒットによってミニバン市場はさらに活性化し、ブームとなったほどです。
その後、ホンダは初代「ステップワゴン」、初代「CR-V」と立て続けにヒット作を発売し、経営状況は好転。まさにオデッセイの登場がきっかけとなりました。
オデッセイは順調に代を重ねましたが、近年はかつてほどの存在感は薄れ、生産工場である狭山製作所の閉鎖にともない、5代目をもって国内向けモデルの生産終了が決定しました。
2020年11月に、ビッグマイナーチェンジを受けて大きく商品力の向上が図られましたが、それから1年ほどで国内から消えることになったのです。
●レジェンド
ホンダは1985年に、同社初の高級セダンとして初代「レジェンド」を発売しました。洗練されたデザインと優れた走行性能を誇り、ホンダらしさあふれるスポーティな高級車ということから、ヒットを記録。
また、初代レジェンドは翌1986年にアメリカで設立されたアキュラブランドのフラッグシップという重責も担いました。
さらにレジェンドは常に先進的なモデルであり、1986年には日本車で初めて運転席用SRSエアバッグを搭載し、1990年に登場した2代目では初の助手席用エアバッグも設定。
2004年にデビューした4代目は国産乗用車で初の最高出力280馬力自主規制値をオーバーする300馬力を誇り、さらに高級セダンながら卓越したコーナリング性能を発揮する「SH-AWD(スーパーハンドリングAWD)」を搭載するなど、スポーティラグジュアリーサルーンというコンセプトを明確にしました。
そして、2015年に発売された5代目では、世界初の自動運転レベル3を実現した「Honda SENSING Elite」を搭載する「レジェンド Hybrid EX・Honda SENSING Elite」を、2021年3月に限定100台で発売(リース販売のみ)するなど、技術的に世界をリードする存在となったのです。
しかし、近年は販売台数が極端に低迷する状態が続いていて、オデッセイと同じく狭山製作所の閉鎖にともない、2021年をもって生産を終了することになりました。
※ ※ ※
前出のオデッセイは、中国など海外では好調なセールスを記録しており、将来的に日本市場で復活する可能性はゼロではありません。
ミニバンはファミリーカーの定番車種で、子育て世代のファミリー層からは今も絶大な支持を得ていますが、今後高齢化がさらに進めば、SUVよりも使い勝手に優れるミニバンの需要が再び高まるという見方もあります。
その鍵となるのがEVで、各メーカーでEVの販売が本格化すれば、新時代のオデッセイが登場するかもしれません。
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みんなのコメント
逆に言うと、日本のマーケットを切り捨てたとも取れるけど。