現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 最高級車の代名詞 クラウンは王冠マークも変わっていた? 変遷と進化の歴史

ここから本文です

最高級車の代名詞 クラウンは王冠マークも変わっていた? 変遷と進化の歴史

掲載 更新 8
最高級車の代名詞 クラウンは王冠マークも変わっていた? 変遷と進化の歴史

 国産セダンの代表格である、トヨタ「クラウン」。トヨタ車は、メーカーエンブレムのほかに、車種ごとに用意されたエンブレムを使うクルマがいくつかあるが、なかでもクラウンには、1955年に登場した初代から現行15代目に至るまで一貫して、エンブレムにその名が示す「王冠(クラウン)」が与えられてきた。フロントに輝く王冠のエンブレムは、トヨタの最上級モデルの証として、重要な役割を担っている。

 このクラウンの王冠エンブレムだが、15世代受け継がれるうちに、実はちょっとずつ形が変わってきている。歴代クラウンエンブレムの変遷を確認していこう。

【車名当てクイズ】この名車、迷車、珍車、ご存じですか? 第23回

文:吉川賢一
写真:TOYOTA、ベストカー編集部

[gallink]

「王冠」を忠実に再現した、初代クラウンのエンブレム

 終戦からちょうど10年後となる1955年、初代トヨペット・クラウンが誕生する。国内初のオートマチックトランスミッションの採用、ダブルウィッシュボーン式フロントサスペンションの搭載など、当時の乗用車としては完成度の高いモデルであった初代クラウンは、観音開きドアだったこともあり、ハイヤー用途として定番のクルマとなった。

 その初代クラウンのエンブレムは、ゴールドの縁取りにワインレッドという、いかにも「王冠」なエンブレムだった。全体的に丸みを帯びたデザインは、2代目以降のシンプル化された形状とは異なる趣がある。なお、4つの袋に分かれた形状は、この初代モデルのみで、2代目以降は3つの袋となっている。

初代クラウンのエンブレム。いかにも王様が被っていそうな王冠だ

ペナント形状に変化した「第2世代」

 1962年に登場した2代目クラウンでは、形状が大きく変わり、2本の寝かせたラインの上に3つのループを置いてシンボル化した王冠マークに。ゴールドで表現された王冠を、枠で囲むペナントのようなデザインが取り入れられた。

 その後、3代目、4代目、5代目、6代目まで、王冠の色や枠のかたちを変えながら、このペナントのようなデザインを継承。クラウンエンブレムの「第2世代」といっていいだろう。

 特に6代目のエンブレムは、日本で高貴なイメージのあるブルーパープルを背景色とするデザインとなっており、クラウンの上質感がよく感じられるものだった。

王冠マークのみに回帰した「第3世代」

 7代目クラウンから、再び王冠マークのみのエンブレムへと回帰する。ゴールドのカラーで、2本の横ライン上に扇状に広がった3つの山を置いたモチーフは、6代目と共通だが、周囲の枠が外れたことで、王冠が一段と目立つかたちに。その後11代目まで、少しずつマイナーチェンジを繰り返しながら、この形式のデザインが継承された。

王冠が際立つ枠無しエンブレムへと回帰した、7代目クラウン。「いつかはクラウン」というキャッチコピーが有名となったモデルだ

機能を持つようになった「第4世代」

 「ゼロクラウン」と打ち出し、ユーザーの若返りを狙った2代目クラウンで、エンブレムは再び変化する。単純なラインで平面的だった王冠が、立体的に見えるようなデザインとなり、尖った頂点やシルバーの縁取りによって、若々しさを感じられるエンブレムに。

 続く13代目は、12代目の派手さが無くなり、シルバーのカラーでシンプルかつ背高の形状となっている。立体的だった王冠が再び平面的になっているのは、このころから、エンブレムが、レーダークルーズコントロールやプリクラッシュセーフティといったセンサーの役割を持つようになっているためだ。

 14代目では、王冠にブルーの背景色が使われているが、これは「ハイブリッド」のイメージを持たせるため、「シナジーブルー」を採用したものだった。

モダンで厳つい雰囲気となった現行では「最上級グレード」の証としても

 そして、現行型の15代目では、左右の山の頂点を尖らせ、モダンで厳つい雰囲気を出すようになった。若々しさと迫力、そして、高貴さを感じられるエンブレムとして、優れたデザインへと進化を遂げている。

2018年登場、15代目となる現行クラウン

 2021年に中国で発売が開始された、クラウンブランドのSUV「クラウンクルーガー」と、ミニバン「クラウンヴェルファイア」にも、この第5世代のエンブレムが「最上級グレードの証」として採用されている。

◆      ◆     ◆

 クラウンといえば、次期型では「セダン」からの脱却が噂されているモデルだ。クラウンが「クラウン」という名のモデルであるかぎり、王冠エンブレムが無くなることはないだろうが、もしクラウンがセダンではなくなったとき、エンブレムがどう進化していくのかは、非常に興味深い。

[gallink]

こんな記事も読まれています

顔が…いや全身変わった!? ホンダの売れ筋コンパクトSUV「ヴェゼル」改良 ハイブリッドはEVに近づく?
顔が…いや全身変わった!? ホンダの売れ筋コンパクトSUV「ヴェゼル」改良 ハイブリッドはEVに近づく?
乗りものニュース
ワイパー「高速運転」はゴム寿命縮める? 面倒な交換ケチって「ゆっくりモード」本当にコスパは良いのか
ワイパー「高速運転」はゴム寿命縮める? 面倒な交換ケチって「ゆっくりモード」本当にコスパは良いのか
くるまのニュース
スバルとスカイラインにフィーチャー…第4回アリオ上尾 昭和平成オールドカー展示会
スバルとスカイラインにフィーチャー…第4回アリオ上尾 昭和平成オールドカー展示会
レスポンス
MS&AD新社長の舩曵真一郎氏が会見 代理店への「週末イベントの手伝いはやめる」
MS&AD新社長の舩曵真一郎氏が会見 代理店への「週末イベントの手伝いはやめる」
日刊自動車新聞
【MotoGP】最高峰クラスデビュー以来好調のアコスタ、浮足立たずにいるための鍵は『普通の生活を見ること』
【MotoGP】最高峰クラスデビュー以来好調のアコスタ、浮足立たずにいるための鍵は『普通の生活を見ること』
motorsport.com 日本版
レクサスLBXが生まれる工場【池田直渡の5分でわかるクルマ経済】
レクサスLBXが生まれる工場【池田直渡の5分でわかるクルマ経済】
グーネット
日産、欧州向け「キャシュカイ」に新たな「ニッサンコネクト」を採用
日産、欧州向け「キャシュカイ」に新たな「ニッサンコネクト」を採用
日刊自動車新聞
渥美心がボルドールから遂げたル・マンでの成長、新クルーチーフの存在に「速く走らせる方法が理解できてきた」/EWC
渥美心がボルドールから遂げたル・マンでの成長、新クルーチーフの存在に「速く走らせる方法が理解できてきた」/EWC
AUTOSPORT web
ハジャーが総合最速。マルティ2番手でカンポス1-2。宮田莉朋は2日目午後にトップタイム|FIA F2バルセロナテスト
ハジャーが総合最速。マルティ2番手でカンポス1-2。宮田莉朋は2日目午後にトップタイム|FIA F2バルセロナテスト
motorsport.com 日本版
【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】全国の道路別・渋滞予測まとめ!
【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】全国の道路別・渋滞予測まとめ!
くるくら
<新連載>[低予算サウンドアップ術]“超基本機能”を駆使して「低音増強」を図る!
<新連載>[低予算サウンドアップ術]“超基本機能”を駆使して「低音増強」を図る!
レスポンス
GW期間中に多いクルマのトラブルは何? JAFが2023年に救援した出動理由TOP10を紹介!
GW期間中に多いクルマのトラブルは何? JAFが2023年に救援した出動理由TOP10を紹介!
くるくら
レッドブル離脱のニューウェイはどこへ行く……アロンソとホンダが待つアストンマーティン? それともハミルトン加入のフェラーリ?
レッドブル離脱のニューウェイはどこへ行く……アロンソとホンダが待つアストンマーティン? それともハミルトン加入のフェラーリ?
motorsport.com 日本版
「背の低いマツダ」ついに出た! 新「マツダ6」じゃないよ「EZ-6」中国で発表 “電動専用車”に
「背の低いマツダ」ついに出た! 新「マツダ6」じゃないよ「EZ-6」中国で発表 “電動専用車”に
乗りものニュース
マツダが新型「ロータリースポーツ」登場へ!? 美しすぎる「和製スポーツカー」のスペックは?価格は? 期待高まる「アイコニックSP」どうなるのか
マツダが新型「ロータリースポーツ」登場へ!? 美しすぎる「和製スポーツカー」のスペックは?価格は? 期待高まる「アイコニックSP」どうなるのか
くるまのニュース
SHOEI「GT-Air 3 SCENARIO」 “REALM”に続くグラフィックモデル登場
SHOEI「GT-Air 3 SCENARIO」 “REALM”に続くグラフィックモデル登場
バイクのニュース
フィアット500/500C、新グレード「ドルチェヴィータ」追加、ブルーカラーの限定車も発売
フィアット500/500C、新グレード「ドルチェヴィータ」追加、ブルーカラーの限定車も発売
レスポンス
ミツビシが新SUV時代を迎えるSCBに電撃復帰。ランサー以来の『エクリプスクロス』でトヨタ、シボレーに挑む
ミツビシが新SUV時代を迎えるSCBに電撃復帰。ランサー以来の『エクリプスクロス』でトヨタ、シボレーに挑む
AUTOSPORT web

みんなのコメント

8件
  • クラウンがスカイライン化している!
    他の車の状況が変わっているから、クラウンも変わらざるを得ないのはわかるが、心情的に何となく納得出来ないものが残る。
    やはり「今まで通りのクラウン」「新たなスポーティクラウン」の、せめて二本立てにしてほしかった。
  • 昔のクラウンは立体的なエンブレムだったけど
    最近のはシールみたいで貧相
    なんで変わったの?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

509.9575.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

26.8873.0万円

中古車を検索
クラウンの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

509.9575.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

26.8873.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村