現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 和製アメリカンの代表格 ホンダ「スティード」は“体感スペック”にフォーカスした大胆かつ斬新なモデルだった

ここから本文です

和製アメリカンの代表格 ホンダ「スティード」は“体感スペック”にフォーカスした大胆かつ斬新なモデルだった

掲載 5
和製アメリカンの代表格 ホンダ「スティード」は“体感スペック”にフォーカスした大胆かつ斬新なモデルだった

和製アメリカンの流行を突き抜けたヒット作

 1970年台後半に「アメリカン」と呼ばれた新しいスタイルのバイクが各メーカーから相次いでリリースされました。50ccの原付アメリカンから1000ccクラスの本格的なモデルまで、様々な車種が出揃いました。

【画像】ホンダ「STEED 400」(1988年型)の詳細を画像で見る(10枚)

 概ね、どのモデルも既存のスポーツバイクの車体やエンジンをベースに、ワイドなハンドルバーや段付きシートなどでアメリカンスタイルの雰囲気に作り込んでいました。

 そんな中、ホンダは1982年に新設計となる排気量749ccの狭角V型2気筒エンジンを搭載した本格的なアメリカンスタイルのカスタムモデル「NV750カスタム」を市場に投入します。

 1985年には排気量399ccの同じくV型2気筒エンジンを搭載する「NV400カスタム」が登場し、アメリカンスタイルの中型車もVツインエンジンの時代に突入します。

 盛り上がるアメリカンブームに乗って、ホンダはさらなる新型車「STEED 400(スティード400)」を登場させます。

「スティード」はユーザーがイメージするアメリカンスタイルそのもので、低く長いシルエットはそれまでの日本製アメリカンバイクを超えたインパクトを持っていました。

 狭角Vツインエンジンは挟み角52度のSOHC3バルブと「NV400カスタム」と同じですが、ボア×ストロークも異なる新設計エンジンです。クルーザーのユーザーが好む力強い鼓動感を、美味しい回転域で味わえるように低中速のピックアップを最優先して設計されています。

 車体デザインは、ヘッドパイプからリアアクスルまで一直線に見えるように構成され、エンジンを三角形で抱え込むデルタシェイプとなっています。

 視覚的にリアショックを隠し、リジッドフレームのような古典的なスタイルは、低いシート高と長いホイールベースによって「スティード」をより個性的に見せています。

 一方、後方からはリアフェンダーのカーブラインと170/80-15のワイドなリアタイヤにより、ボリューム感のあるリアビューとなっています。

 小ぶりでスタイリッシュなティアドロップ型の燃料タンクやルーズクッションシート、さらにハンドルやメーターまわり、アルミバフ仕上げのトップブリッジや足まわりなど、質感にこだわった作り込みです。

「スティード」は400(398cc)と600(583cc)の2種類の排気量が同時に発売されました。車体の外観は同じで、ハンドルは手前に引いたティラーバー型を装備し、400ではフラットバー型も選べました。

 車体カラーや仕様など細かなマイナーチェンジを繰り返しながら10年以上販売されたヒット作となり、基本的なデザインは完成度が高く、イメージは最終型まで継承された一方、ディテールはユーザーの欲求を敏感に取り入れて、ラグジュアリータイプやクラシックタイプなどのバリエーションを追加します。

 中でも特筆すべきは、1998年に追加されたスプリンガー・フロントフォークを採用した「スティードVLS」です。大径21インチフロントタイヤを装備し、一段とクールなスタイルはマニア垂涎の1台でした。

 2001年に排出ガス規制に対応した最終モデルがあり、その後、ホンダの和製アメリカンは「シャドウ」シリーズや、現行モデルでその名が復活した「レブル」シリーズへと受け継がれています。

 ホンダ「スティード400」(1988年)の当時の販売価格は59万9000円です。

■ホンダ「スティード400」(1988年型)主要諸元エンジン種類:水冷4ストロークV型2気筒SOHC3バルブ総排気量:398cc最高出力:30PS/7500rpm最大トルク:3.3kg-m/5500rpm全長×全幅×全高:2310×760×1130mm始動方式:セルフ式シート高:680mm車両重量:208kg燃料タンク容量:9Lフレーム形式:ダブルクレードルタイヤサイズ(F):100/90-19 57Sタイヤサイズ(R):170/80-15 77S

【取材協力】ホンダコレクションホール(栃木県/モビリティリゾートもてぎ内)※2023年12月以前に撮影

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

自転車の「ながら運転」厳罰化! ドイツにはもっと厳しく複雑な自転車ルールがありました…逆走には要注意です【みどり独乙通信】
自転車の「ながら運転」厳罰化! ドイツにはもっと厳しく複雑な自転車ルールがありました…逆走には要注意です【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
ジュリエッタ・ユーザーを呼び戻す? アルファ・ロメオ・ジュニア・エレットリカへ試乗 HVも登場!
ジュリエッタ・ユーザーを呼び戻す? アルファ・ロメオ・ジュニア・エレットリカへ試乗 HVも登場!
AUTOCAR JAPAN
160万円でガルウイングドアが買えた! トヨタ「セラ」はバブルが生んだマイクロスーパーカーでした…今見ても新鮮なデザインに再注目です
160万円でガルウイングドアが買えた! トヨタ「セラ」はバブルが生んだマイクロスーパーカーでした…今見ても新鮮なデザインに再注目です
Auto Messe Web
オコン&ガスリーの幼なじみペアがダブル表彰台に感無量「最終ラップ、カート時代に思いを馳せた」アルピーヌは6位に
オコン&ガスリーの幼なじみペアがダブル表彰台に感無量「最終ラップ、カート時代に思いを馳せた」アルピーヌは6位に
AUTOSPORT web
F1がまだ「めちゃくちゃ」だった頃の話 ひどいチームで溢れかえった80~90年代 歴史アーカイブ
F1がまだ「めちゃくちゃ」だった頃の話 ひどいチームで溢れかえった80~90年代 歴史アーカイブ
AUTOCAR JAPAN
ジャガー、英国で新車販売終了 ラインナップ総入れ替え 2026年まで中古車のみ
ジャガー、英国で新車販売終了 ラインナップ総入れ替え 2026年まで中古車のみ
AUTOCAR JAPAN
特別な青を纏ったベントレー「ベンテイガS」完成! 英国ファッションデザイナーとコラボした限定車は、電動化延期が影響していた…!?
特別な青を纏ったベントレー「ベンテイガS」完成! 英国ファッションデザイナーとコラボした限定車は、電動化延期が影響していた…!?
Auto Messe Web
ホンダ新型「スーパーカブ×ハローキティ」初公開! サイドカバーの「飛び出すキティ」が凄すぎ! 超人気の「2大巨頭」奇跡のコラボで発売へ!
ホンダ新型「スーパーカブ×ハローキティ」初公開! サイドカバーの「飛び出すキティ」が凄すぎ! 超人気の「2大巨頭」奇跡のコラボで発売へ!
くるまのニュース
スペックはディーゼルに見劣りするトヨタ「ランドクルーザー250」のガソリン車 “気になる街中での印象”は? 充実した装備類で“コスパは最強”
スペックはディーゼルに見劣りするトヨタ「ランドクルーザー250」のガソリン車 “気になる街中での印象”は? 充実した装備類で“コスパは最強”
VAGUE
真夏も真冬も車内で寝る必要があるトラックドライバー! アイドリングが御法度なイマドキの「冷暖房」事情
真夏も真冬も車内で寝る必要があるトラックドライバー! アイドリングが御法度なイマドキの「冷暖房」事情
WEB CARTOP
F1の新規ファンが増えない根本理由 75周年を機に開かれる未来への道筋とは?
F1の新規ファンが増えない根本理由 75周年を機に開かれる未来への道筋とは?
Merkmal
「僕よりも大変な人たちがいる」アロンソ、激痛襲われるもサンパウロ完走でマシン修復のチームや豪雨被害バレンシアに勇姿見せる
「僕よりも大変な人たちがいる」アロンソ、激痛襲われるもサンパウロ完走でマシン修復のチームや豪雨被害バレンシアに勇姿見せる
motorsport.com 日本版
【BMW 1シリーズ 新型】色々なボディカラーで楽しんで
【BMW 1シリーズ 新型】色々なボディカラーで楽しんで
レスポンス
PPのノリス、赤旗で後退しタイトル争いにも打撃「ライバルはラッキーだったが、僕は不運だった。戦略に誤りはない」
PPのノリス、赤旗で後退しタイトル争いにも打撃「ライバルはラッキーだったが、僕は不運だった。戦略に誤りはない」
AUTOSPORT web
「“暗い色”増えたなぁ…」 自動車カラーのトレンドが一気に“地味化”へ!? “とにかく明るい色”から一転のワケ
「“暗い色”増えたなぁ…」 自動車カラーのトレンドが一気に“地味化”へ!? “とにかく明るい色”から一転のワケ
乗りものニュース
「ヘッドライトが眩しいクルマ」なぜ増えた? 信号待ちで「ライト消さない人」が多数派になった理由とは? ヘッドライトの“新常識”ってどんなもの?
「ヘッドライトが眩しいクルマ」なぜ増えた? 信号待ちで「ライト消さない人」が多数派になった理由とは? ヘッドライトの“新常識”ってどんなもの?
くるまのニュース
小さいジープはいかが? ブランド最小のSUV「アベンジャー」がEVで登場! 【新車ニュース】
小さいジープはいかが? ブランド最小のSUV「アベンジャー」がEVで登場! 【新車ニュース】
くるくら
[音を良くするコツをプロが指南]何はなくとも「スピーカー」を換えれば音は変わる!
[音を良くするコツをプロが指南]何はなくとも「スピーカー」を換えれば音は変わる!
レスポンス

みんなのコメント

5件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村