ロードノイズの悩みを解決する静音プレミアムコンフォートタイヤ
今、乗っている愛車の車内の静かさに不満がある、あるいは、新車時には静かに走ってくれたものの、走行距離を重ねるうちにロードノイズが目立ってきた・・・そう感じている人は少なくないはずだ。とくに、車内で良質な音楽を聴くため、大金を払ってプレミアムオーディオを注文した人にとって、車内に充満するノイズはリスニング環境を台無しにしてしまう。
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最近のクルマはハイブリッド、PHEV、ピュアEVを含む電動車が増えてきたこともあって、全体的に静かなクルマが増えている。加えて、ガソリン車、クリーンデイーゼル車でも、遮音、吸音にこだわった、最新の静音技術が盛り込まれたクルマも少なくない。
しかし、せっかく静かに快適にドライブしたいのに、パワートレーンや風切り音などのノイズは抑えられていても、それゆえに、路面によってロードノイズがことさら気になることがある。パワーユニットからのノイズがほとんどない静かな走行性能が自慢の電気自動車、電動車(のEV走行時)なら、なおさら気になりがちだ。実際、ここ最近の新型車でも、タイヤに起因する良路と荒れた路面でのロードノイズの差が極端に大きく、路面や車速によって車内にロードノイズが充満するクルマもあったりする。
ところで、タイヤは新品時にロードノイズが小さく、乗り心地が良くても、摩耗してくるとロードノイズが高まり、乗り心地が悪化する傾向にあったりするものだ。また、ゴムで構成されるタイヤは経年劣化もあり、走行距離にかかわらず、推奨交換時期は長くても5年とされる。注意したいのは、新車から3年経過時でも、タイヤが3年前に生産されたものとは限らない。生産年、週の記載を見ると、2020年型のクルマでも、タイヤは前年の2019年製のこともありうるのだ。例えばタイヤに4319とマーキングされていれば、19年の第43週=10月の生産ということになる(2020年10月登録の新車の例)。
ロードノイズや乗り心地&操縦性からウェット性能に妥協したくないならこのタイヤ
そこで、ロードノイズが小さく車内の静粛性が高くなり、乗り心地も良く、さらにウェット性能や操縦安定性にも妥協しなくて済み、走行距離を重ねても、そうした性能が著しく落ちない、そんな贅沢すぎるタイヤはないものだろうか。
実は、筆者の先代の愛車が、新車から5年目のタイヤ交換時に劇的に静かになり、乗り心地、操縦安定性などのあらゆる性能が格段にアップした経緯がある。その走行感覚はまるで新車時に蘇ったようだった。そのときに履いたタイヤがヨコハマADVAN dB V552という、「目指したものは、かつてない静粛性。※ヨコハマ史上最も静粛性が高いことを意味する」というキャッチコピーが躍る、自身が”神タイヤ”と呼んでいたプレミアムコンフォートタイヤだ。
以前の愛車に履いていたADVAN dB V552
その”神タイヤ”ぶりは実際、自動車専門家の中でも高く評価されるとともに、2023年4月に発売されたホンダZR-Vの標準装着タイヤとして採用されたほど。
ホンダZR-V
ホンダZR-V装着のADVAN dB V552
電動車やプレミアムオーディオ装着車ならなおさら静音タイヤが威力を発揮する
すでにADVAN dB V552を履いていた愛車は手放し、現在は別のクルマに乗っているのだが、乗り換える直前までADVAN dB V552を履いていた経験もあって、次なる愛車はとくに、路面によって過大になるロードノイズに悩まされる日々が続いていた。前後席フロアに吸音マットを敷くなどして対策を講じていたものの、ロードノイズの目に見える低減効果は得られず、ゴキゲンなサウンドを聴かせてくれるデンマーク製のプレミアムオーディオ装着車だから、なおさら不満が募っていたのだ。
フロア用の吸音マットも試した
車内でもいい音楽を聴きたい
そんな悩みを抱えていたところ、以前の愛車で大満足していたADVAN dB V552の後継タイヤとして、進化した”優れた静粛性が持続するプレミアムコンフォートタイヤ”のADVAN dB V553が2024年2月に発売されたというので、さっそくその性能をチェックしてみることにした。
ADVAN dB V552に続くプレミアムコンフォートタイヤADVAN dB V553の進化とは
まずは、ADVAN dB V552とADVAN dB V553のスペック、タイヤ性能の違いについて詳しく説明しよう。
ADVAN dB V553はADVAN dB の大きな特徴となる上質な静けさを実現するため、新開発のパターンデザインを採用している。路面に接するブロックは一つ一つのブロックが路面をたたく音を小さくするため、細かな144ブロックで構成され、ロードノイズの元凶となるパターンノイズを低減。同時に溝の量を増やして排水性を確保し、高いウェット性能をも実現しているという。具体的にはタイヤのイン側をウェット性能、アウト側をドライ 性能に役割分担させ、4本の主溝をイン側に向かうにつれて太くなるよう配置することで、排水性と操縦安定性のバランスを高次元で実現しているとされる。合わせて、ブロック剛性を向上させたことで操縦安定性や耐摩耗性能を高めるとともに、車外騒音の抑制にも寄与するわけだ。
タイヤの摩耗進行による性能低下への対策も万全だ。つまり、パターンデザインが、新品時からの変化が少なくなるようら設計され、パターンノイズの悪化とウェット性能の低下を抑制してくれるのだ。
もちろん、ADVAN dB V553はプレミアムコンフォートタイヤと謳うだけに、上質な乗り心地も自慢だ。ADVAN dB V553専用設計コンパウンドを用いているところがポイント。もちろん、静粛性にかかわるサイレントカバー、サイズごとに最適化されたサイレントベースゴム、幅広サイレントベルトなどを採用。しかも、重量級となるプレミアムカーやSUVはもちろん、バッテリーの積載で車重が増すBEV(電気自動車)にも対応する、電動車への対応商品であることを示す 独自のマーク「E+」が刻印されたタイヤでもある。つまり、ADVAN dB V553はクルマの電動化時代にもマッチした静音プレミアムコンフォートタイヤということになる。
ここで、横浜ゴムのデータによる、ADVAN dB V552と最新のADVAN dB V553の性能データ比較について説明すると、ハイレベルな静けさを実現していたADVAN dB V552に対して新しいADVAN dB V553はパターンノイズ15%低減。タイヤ摩耗時(23000キロ走行時相当)のロードノイズ22%低減、耐摩耗性能11%向上、摩耗時ウェット性能9%短縮、ADVAN dB V552でも定評があった操縦安定性に関して2%向上・・・とプレミアムコンフォートタイヤとして全方位の進化、向上が見られるのだ。
ロードノイズの小ささと操縦性&耐摩耗性の高さを高次元で両立
そんなデータから読み取れるのは、タイヤの剛性を高めるほどロードノイズには不利で、ロードノイズを小さくするためにはタイヤをソフトにしなければならないのだが、ソフトにしてしまうと操縦性や耐摩耗性に期待できなくなりがちだ。ADVAN dB V553はそうした相反する性能を高次元で両立できた、最新のプレミアムコンフォートタイヤということになるだろう。なお、一般社団法人日本自動車タイヤ協会による低燃費タイヤなどのラベリング制度で、ADVAN dB V553は転がり抵抗性能でAAまたはA(タイヤサイズによる)、ウェットグリップ性能は全サイズで最上級のaグレード、そして全サイズともに低燃費タイヤ、低車外音タイヤに認定されている!! タイヤは距離を走り、摩耗してくるとロードノイズに起因する静粛性や乗り心地が悪化するものだが、摩耗しても静粛性が持続するところは、ロングライフ、経済性の点でも評価できるというものだ。
ADVAN dB V552の前愛用者が最新のADVAN dB V553をテスト
さて、以前、新車から5年経ったクルマに以前のADVAN dB V552を履いて、乗り味がまるで新車のように蘇ったように思えた(個人の感想です)経験のある筆者が、新しい静音プレミアムコンフォートタイヤのADVAN dB V553を、これまで、荒れた路面、粒の大きいアスファルト舗装路で過大なロードノイズに悩まされていたクルマに装着して走り出すことにしよう。なお、クルマに詳しい人、タイヤに詳しい人には、釈迦に説法だが、新品タイヤを履いたら”慣らし運転が”必要だ。夏タイヤ(冬タイヤではない一般的なタイヤ)では走行100kmまでは80km/h以下で走行し、急発進、急ブレーキを避けた穏やかな運転でタイヤの皮むきをする必要があり、タイヤを交換後、1週間ぐらいで空気圧を調整、1カ月後ぐらいにはホイールナット増し締めを行うこと。そうすることでタイヤ本来の性能が発揮されるのである(テスト車はすでに皮むき済み)。
ADVAN dB V553装着車で走り出せば、まずはタイヤの1回転目で感動である。とにかくクルマの動きが滑らか。転がり抵抗のなさが感じ取れる。速度を上げていくと、これまで履いていたタイヤ(走行1万kmちょっと。8分山)で大いに気になっていたロードノイズの低減に、再度、感動だ。良路でのロードノイズの差はそれほどでもないが、荒れた路面、粒の大きいアスファルト舗装路でのロードノイズの差は歴然。スマートフォンの騒音計では、同じ荒れた路面でのノイズレベルがグッと低まり、あくまでスマートフォンの簡易騒音計の数値とはいえ、体感的にもずいぶん静かになった印象を、以前のタイヤのロードノイズのうるささを知る数人の乗員とともに確認することができた。とくにちょっと荒れた路面での中周波、高周波ノイズはほとんど気にならなくなったのだ。テスト車はガソリンターボモデルだが、エンジンが低回転を保つ巡行時の総合的な車内の静かさは、前後して乗る機会のあった大径スポーツタイヤを履いたBEV(電気自動車)と大きく変わらないと感じたほどである。つまり、ロードノイズがノイズの主体となるBEVなら、さらに車内の静かさのレベルアップに貢献してくれるタイヤということだ。
それは、新開発のパターンデザイン=サイレントブロック、ベルト部の剛性をコントロールしてタイヤの振動を抑制するとともにロードノイズを低減するサイレントカバー、人間が耳障りに感じる100~160Hz周波数帯のロードノイズを低減するサイレントベースゴム、一般的なタイヤのベルトより幅広のベルト採用でノイズの原因となるショルダー部の振動を抑制して静粛性を高めるサイレントカバーの総合力の面目躍如と言っていいだろう。
静粛性だけでなく走りのスムーズさや乗り心地まで変わった
さらに、走り出しでも感じられた抵抗感のない転がり抵抗がもたらすタイヤの滑らかな回転によって加速時のスムーズさが高まるとともに、ステアリングフィールのスムーズさも増し、具体的にはより少ない舵角でカーブを曲がれ、レーンチェンジが行えるようになった印象だ(ゆえにタイヤの摩耗も起こりにくくなる)。乗り心地に関しても、段差、マンホールの乗り越えをじつにしなやかにこなし、音、振動といったショックが低減。大げさに言えば、ワンランク高い車格のクルマに乗り換えたかのようでもある。
以前、V552を初めて装着した時もそうだったが、クルマが見違えるほどの、いや、その時以上の静かさ、上質な走行性能、直進安定性、ADVAN dB自慢の高い操縦安定性を手に入れたことを確認できた。それは一般道の走行はもちろん、高速走行、山道走行でも同様だ。タイヤを変えただけで静かさはもちろん、走りの質全体が、誰にでも分かるほど大きくレベルアップしたように感じられる(なので、これまで国産自動車メーカーの開発陣にADVAN Dbを”勝手に”お薦めしてきた)。
タイヤの摩耗後の性能にもこだわりが
新しいタイヤなら、印象が変わって当然・・・という意見もあるだろうが、V553の場合、距離を重ねたあとの摩耗時のロードノイズ低減、摩耗時ウェット性能短縮といった、将来のタイヤ性能にまで踏み込んだ造りになっているのだから、心強く、経済的でもある。残念ながらウェット性能を試す機会はなかったが、摩耗時ウェット制動で国産自動車メーカーが純正採用しているV552に対して9%短縮・・・というデータがなによりもの安心材料だろう。雨の日はスリップなど危険を伴うが、一流メーカーのタイヤなら新品時のウェット性能に優れていて当然。が、タイヤ摩耗時のウェット制動まで頼りになるのが、ADVAN dB V553ということだろうか。
なお、ヨコハマタイヤのHPに示されているタイヤ選びで、ADVAN dB V553は「燃費をよくしたい方へ」、「雨の日の不安を解消したい方へ」の項目でも推奨されている。
扁平タイヤの交換は信頼できるショップに任せたい
ちなみに、筆者はこれまで、タイヤ交換はタイヤメーカーのショップにお願いするようにしている。とくに扁平タイヤの場合、交換の際の適切な機材や高い技術力が必要で、ガソリンスタンドなどでは対応できないこともあるし、お店によってはホイールをキズつけてしまう可能性もないでもない。ヨコハマタイヤであれば、タイヤの専門店、プロである、例えばヨコハマタイヤのタイヤガーデンなどにお任せするのがいいと思う。ホイールの締め付けトルクはレンチとタブレットがBluetoothでつながっていて、締め付けトルクが目に見えるといった安心感がある。
加えて、タイヤの皮むきが終わったあとの空気圧チェック、ホイールの増し締めなどのサービスを受けることもお忘れなく。
日頃から新車のテストを行っていて、V552の装着経験(3年2万km走行)もある筆者の個人的な印象では、新しいADVAN dB V553はその”神タイヤ”ぶりを一段と高めた、車内の静粛性やプレミアムオーディオの視聴環境、乗り心地、タイヤの耐摩耗性にこだわるユーザーにぴったりのプレミアムコンフォートタイヤと結論づけることができる。
ADVAN dB V553
文/青山尚暉(モータージャーナリスト)
写真/青山尚暉 雪岡直樹(ホンダZR-V)
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