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営業マンも太鼓判!? 残すべきだった絶版トヨタ車 5選

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営業マンも太鼓判!? 残すべきだった絶版トヨタ車 5選

 ライバルとの激しい競争の末、人気がないクルマは、否応なく絶版となっていく。取扱車の入れ替わりが起きるたびに、「このクルマなくなってしまうの?」というユーザーの声を、筆者は数多く聞いてきた。

 営業マンとして、自信をもって勧めていたクルマが絶版となるのもまた悲しい。なかには、間違いなく傑作であるのに、出てくる時代や売り出し方を間違えてしまったクルマもある。

堅調人気もなぜ消滅?? 消えた実力車が生き残れなかった分水嶺

 そこで本稿は元トヨタディーラー営業マンの筆者が、2021年に残すべきだった、絶版トヨタ車をピックアップしていきたい。

文/佐々木亘 写真/TOYOTA

【画像ギャラリー】今こそコイツのようなスポーツセダンが必要だ!? 2019年に惜しまれつつ姿を消したマークXを見る

■ハイラックスサーフ

ハイラックスサーフ(1984-2009)/全長×全幅×全高:4805×1910×1805mm(※4代目)

 ハイラックスの名がピックアップトラックとして残っているものの、ハイラックスサーフ自体は、2009年に日本で絶版となった(海外仕様車4ランナーは販売継続)。中古車市場では、絶版から10年以上経過する現在でも、高値で取引される人気車なのは、皆さんもご存じのとおりだろう。

 エクステリアからは、本格クロカンSUVと都市型SUVのどちらの雰囲気も感じられる。華美な装備は少なく、スッキリとしたカッコよさが際立つクルマだ。

 2010年代、ランドクルーザープラドやハリアーの新車とハイラックスサーフの中古車、どちらを購入するか迷うユーザーが一定数いたが、その多くは、最新プラドやハリアーではなく、3~5年落ちのハイラックスサーフを選んでいった。

 ハイラックスサーフは、オンロード・オフロードの、両方の要素を取り入れて、中途半端にならずに、魅力が突き抜けたSUVだ。ピックアップトラックのハイラックス同様に、新車で復刻させれば、今でも爆発的なヒットを起こすに違いない。

■エスティマ

エスティマ(1990-2020)/全長×全幅×全高:4820×1810×1745mm(※3代目)

 2020年に絶版となったエスティマ。ラージサイズミニバンのなかでは珍しい、流麗なボディラインが特徴的なクルマだった。

 ノア・ヴォクシーからアルファード・ヴェルファイアへ乗り換えるといった、ミニバンからミニバンの乗り換えではなく、セダンやワゴンからの乗り換えが多かったのがエスティマの特徴だ。

 居住性の高さは紛れもなくミニバンであるが、ドライブフィールはセダンに近い。3列目シートは跳ね上げ式ではなく、床下に格納することができるので、5人乗りのワゴンと言われても違和感は少ない。

 ミッドシップレイアウトやハイブリッドの搭載など、驚きの技術とともに、人気を博したエスティマは、また最新技術とともに復活が期待される名車である。

■プリウスα

プリウスα(2011-2021)/全長×全幅×全高:4645×1775×1575mm

 2021年3月に絶版となったプリウスαは、プリウスから派生した、3列シートステーションワゴンだ(ミニバンと括られることもあるが、トヨタ自動車のラインナップでは、ステーションワゴンとして位置づけられていた)。

 トヨタのハイブリッドとしては初めてリチウムイオン電池を採用し(3列7人乗り)、多人数乗車時の乗り心地を高めるため、バネ上制振制御を搭載する。人気絶頂であった30系プリウスを、ただ大きくしただけのクルマではなく、ワンランク上の快適性を提供していた。

 プリウスαの価値は乗れば乗るほどわかってくる。特に、試乗後の反応が抜群に良いクルマだった。高速クルージングでは、重心の低さが安定感を作り出し、風切り音も少なく快適だ。市街地では燃費も良く、大荷物でもどんどん積み込める。走り・環境・機能の3拍子が揃った一台である。

 初代プリウスαの登場から間もなく10年。同コンセプトの新型車を作る予定がないのであれば、プリウスα難民が増え続けていくだろう。筆者は併売によるトヨタの車種整理の対象にプリウスαが入っていたことが驚きだった。絶版が決まり大きな衝撃を受けたクルマの一つである。

■ブレイド

ブレイド(2006-2012)/全長×全幅×全高:4260×1760×1515mm

 2012年に姿を消したブレイド。「大人しくない大人に、ショートプレミアム」というコンセプトは、トヨタの歴代ラインナップの中でも異彩を放つ一台だ。

 欧州プレミアムコンパクトを強く意識し、高級車は大きいというイメージを覆すべく誕生する。特に全長4260mmのボディにV型6気筒3.5Lエンジンを搭載するブレイドマスターは、秀逸な発想だった。

 扱いやすいボディサイズと、しっかりと作り込まれたインテリアは完成度が高く、営業マンから見てもヒットの予感があったのだが、一代限りで幕を閉じてしまう。

 トヨタ店とトヨペット店の社員の中で、特にエンジニアが、マイカーとして購入することが多かったクルマである。ブレイドは通に好まれたクルマであろう。

■マークX

マークX(2004-2019)/全長×全幅×全高:4770×1795×1435mm(※2代目)

 現在も残る、クラウン・カムリとは異なり、スポーツセダンとしてのキャラクターが強かったのが、マークXである。全車併売前は、トヨペット店を代表する上級セダンだった。

 スーパーチャージャーを搭載するモデルや、トヨタのスポーツモデルG’s(現在のGR SPORT)の展開、さらにはスポーツコンバージョンモデルのGRMNが設定されるなど、高い走行性能を生かしたモデルが多く用意されている。

 クラウンと同様に、マークX(マークII)は、新型車が出るたびに、マークXからマークXへ乗り継ぐオーナーが多いクルマだった。近年「走りの良さ」を重点課題としているトヨタにとって、今、マークXのようなスポーツセダンが、必要なのではないかと、筆者は思う。

*   *   *

 絶版車というと、人気がなくなり姿を消したクルマというイメージがあるが、必ずしもそうではない。一定量の人気があり、ファンがついているにも関わらず、惜しまれつつも見送られるクルマは意外なほど多い。

 今後、ニューモデルとして出てくるクルマ達には、過去の絶版車たちの面影が、どこかに見えるはずである。そのポイントを見つけた時には、是非、心の中で「おかえり」と声をかけてあげてほしい。

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