ルノーの新型「アルカナ」に小川フミオが試乗した。新しいハイブリッド・システムの完成度はいかに?
凝ったハイブリッド・システム
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心に刺さるようなクルマに乗りたい……そう思っているクルマ好きに、「これはいいよ」と勧めたいのが、2022年5月に日本発売が開始されるルノー「アルカナR.S.ラインE-TECHハイブリッド」。車名は長いけれど、いいな!と、一瞬でわかる気持ちのよいクルマだ。
パワーユニットが凝っている。1597cc直列4気筒ガソリン・エンジンに、ふたつのモーターが組み合わされているのだ。1基のモーターは従来のストロングハイブリッドと同様に駆動を担当。もう1基のモーターは変速に使う。
69kW(94ps)の最高出力と205Nmの最大トルクを持つエンジンに、205Nmのメインモーターの組み合わせだ。アクセルペダルを静かに踏めばだいたい60km/hまでモーターで走り、そのさきはエンジンに切り替わる。静かで、エンジンなのかモーターなのかは、メーター内の表示をみないとまずわからない。
ドライブした印象は、パワーユニットの上手な設定によって、気持ちよく走る。トルクがたっぷりあって、かつ静粛性が高く、乗り心地がいいのと合わせて、”おとな”むけのいいクルマ、という印象だ。
それには変速機がいい仕事をしているのも大きいんです、と、ルノージャポンの技術担当者。アルカナのパワーユニットは、シリーズパラレル式。基本的な動作は、トヨタのTHS-IIやホンダのe-ハイブリッドと近い。しかし、変速機がまったく違う。
「日本のハイブリッドの弱点は高速走行、というのがルノー本社の技術陣の見るところです。そこで、E-TECH(イーテック)の名のもとに、今回は変速機に凝りました。“ドッグトランスミッション”といって、ラリーやF1でも使われるタイプに電子制御を組み合わせました」
冒頭に書いた2基のモーターのうち、2つめがこの変速機に組み合わされる。ドッグトランスミッションは、一般的な変速機と違ってクラッチを使わないため、変速がすばやく、かつパワーの伝達がダイレクトというメリットをもつ。
ルノーはこのトランスミッションを、アルカナに採用。基本的にはエンジンからの出力と変速機のギアとをかみ合わせるのに、習熟が必要であるが、それを電子制御されたモーターでおこなうようにした。
はたして、ショックはなく、どんな速度域、どんなエンジン回転域でアクセルペダルを踏み込んでも、クルマは瞬時に加速してくれる。ルノーが強調するように、「ハイブリッドにつきもののモタモタ感がいっさいない」は本当だ。
魅力的な内外装と価格
サスペンション・システムの設定もよい。よく動いて、路面への追従性が高く、車両は終始姿勢を乱すことなく、いわば“フラット感”が強い。べつの言葉でいうと、上質な乗り心地だ。騒音レベルも低いため、長距離も楽チンそうだ。
日本仕様は車名にあるとおり、ルノースポールに因る「R.S.」の名を持つ。ただし「R.S.ライン」なので、バケットタイプのサポートがしっかりしたシートや、太いグリップのステアリング・ホイール、それに独特の形状のエアダムや、専用ホイールといった“コスメティクス”が中心である。
本国には、もうひとつ「インテンス」という仕様もあるというが、あちらでは「R.S.ライン」が売れ筋なんだそうだ。たしかに、乗りこむと“さあ、走るゾ”と気分がアガる。
スタイリングも目をひく。メルセデス・ベンツGLシリーズや。BMWのX(+偶数)シリーズやアウディQシリーズのスポーツバックなどとどこか共通する、流れるようなシルエットのクーペライクなボディが魅力的だ。
実車をみると、シンプルで強いルーフの輪郭と、前後にふくらみをもたせたボディとの組み合わせが、いかにも走りがよさそうと思わせてくれる。タイヤは数字の上ではそんなに大きくない18インチだけれど、ボディのプロポーションがよくて、躍動感がしっかりある。
全長4570mm、全幅1820mm、全高1580mmのボディに、2720mmのホイールベース。4人のおとなが乗るのに充分なサイズだし、SUVがこれだけ売れているのに車高制限が多くて不便な東京の市街地でだって使えるのも、よく考えられている。
先行して日本発売されたルーテシアやキャプチャーと同様、アダプティブ・クルーズ。コントロール、ハイウェイ&トラフィックジャム・アシスト、車線維持アシスト、360度カメラ、パーキングアシストなどの運転支援システムもそなわる。燃費はリッターあたり22.8km(WLTCモード)。
429万円は魅力的な価格といっていいだろう。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)
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