クルマに限らず商品の拡販には宣伝をはじめとしたプロモーション活動も重要だ。
プロモーション活動の中にはアニメなどのキャラクターとコラボした宣伝や商品という手段もあり、ここでは日本の有名キャラクターとコラボしたクルマを国内外から8台厳選し、振り返っていく。
実はユーザーにはデメリットが多い!? トヨタの全車全店扱いの明と暗
文:永田恵一/写真:MITSUBISHI、DAIHATSU、TOYOTA、MITSUOKA、MERCEDES-BENZ JAPAN、ベストカー編集部
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三菱ミラージュ×ハローキティ
多数のキャラクターを持つサンリオの猫をモチーフとしたハローキティは、1974年の誕生以来現在まで無数の商品に描かれた。
三菱自動車は2006年からハローキティを宣伝、販促に使用する包括的ライセンス契約を結んでおり、現在も新型コロナウイルス禍で増えた家で過ごす時間を楽しむための三菱車とハローキティの塗り絵などで、その関係は続いている。
そんな関係もあり、2013年には現行ミラージュにハローキティの40周年を記念した「ハローキティ 40th アニバーサリー パッケージ」というパッケージオプションが400セット限定で販売された。
2013年に400台限定で販売された40周年記念アニバーサリーパッケージのカタログ。三菱は海外のキャラクターではスヌーピーともコラボ実績あり
具体的な内容はハローキティのシンボルであるリボンをあしらったホイールキャップ、リアエンブレム、助手席側フロントバンパーコーナー、運転席側ドアミラー、左右リアドア、運転席側テールランプ上、給油口に付くオリジナルデザインのデカールが特徴だ。
そしてハローキティ柄のシートカバー、オープントレイアクセントマット、それぞれシートカバーと同じ絵柄のクッション、マスコット、車検証カバーの装着&付属と多岐にわたる。
価格は11万6970円と、ハローキティのコアなファンなら決して高くないものだった。
またハローキティとコラボしたクルマはダイハツもミラ、ムーヴ、ミラジーノに設定したことがあり、過去にあった海外でのハローキティブームの時に輸出すれば、セレブが高い金額でも争うように買ってくれたかもしれない。
ダイハツもハローキティとコラボ経験あり。人気の高かったのはミラジーノで、ボンネットに装着されるエンブレムもハローキティだった
トヨタオーリス×ガンダムのシャア
1979年にテレビアニメが放送された搭乗者が操縦するロボットが戦いを繰り広げる機動戦士ガンダムは、現在も公式な大規模な施設が東京お台場にあるほどの人気をキープする作品だ。
シャア専用オーリスの初代モデルで、ガンダムでシャア様が大好きという人にはたまらないコラボレーションだった。価格は273万2175~330万6825円
現在のカローラスポーツの前身となったトヨタのVWゴルフ級5ドアハッチバックとなるオーリスの2代目モデルの前期型には、2013年からガンダムとコラボした「シャア専用オーリスMS-186H-CA」が設定された。
これはモデリスタと純正ディーラーオプションの組み合わせという形でだった。なおシャアはガンダムに搭乗するアムロと対峙する、赤い服を着た宿命のライバルである。
シャア専用オーリスに仕上げるパーツとしてはフロントスポイラーやサイドスカートといった専用エアロパーツ、シャアの属するジオン軍のものとなる各部のエンブレム、赤いインテリアのパネル、専用カーナビなどが設定された。
さらにシャア専用オーリスは2015年にマイナーチェンジされた後期モデルでも、コンプリートカーという形も加わり設定が続いた。
こちらがマイチェン後をベースにした2代目のシャア専用オーリスII。価格は初代より高い321万6437~370万9310円だったが好評だった
なお、この頃コンセプトモデルとしてジオン軍のロボットであるザクをイメージした「MS-185H 量産型ザクモデル コンセプト」も公開されたが、こちらは残念ながら市販化されなかった。
2代目オーリスをシャア専用オーリスにコンプリートするにはそれなりのお金が掛かったが、それも熱狂的なガンダムファンには惜しくない金額だったようだ。
トヨタ86×ウルトラマン
M78星雲の光の国からやってきたウルトラマンは、普段は科学特捜隊に属するハヤタ隊員の姿で怪獣や宇宙人が現れた際にはウルトラマンとなり戦うヒーローである。
なおウルトラマンシリーズは現在も、昨年の東京モーターショーに出展され、AIなどを搭載し「新しい時代の愛車」を具現化したというトヨタのコンセプトカーLQが劇中に登場する最新作のウルトラマンZが放送される人気作だ。
ウルトラマンシリーズを制作している円谷プロダクションはA MAN of ULTRAという「日常の世界にウルトラな男を創り出す」というコンセプトの異業種とのコラボレーションを展開している。
M78×86の価格は337万3800~377万2400円で、八つ裂き光輪をモチーフとしたエンブレムは専用アイテム。5色がラインナップされていた
A MAN of ULTRAにおいてクルマの中から選ばれたのがトヨタ86で、2017年にウルトラマンと86とのコラボカーとなるM78×86が登場した。
M78×86はエクステリアではボディカラーによって赤か黒となるフェンダーアーチや各部のガーニッシュ、ホワイトを基調としたインテリアなどでウルトラマンのパワフルさと主な対象ユーザーとした40代から50代の男性に似合うエレガントな雰囲気を演出。
またシリアルナンバー0000のM78×86はヤフーオークションでの公開オークションで落札したオーナーのものとなり、実費経費を除いた落札金額がウルトラマン基金に寄付され、ウルトラマンが納車してくれるという特典付だった。
光岡オロチ×デビルマン
光岡オロチは日本で10番目の乗用車メーカーである光岡自動車が、トヨタからのV6エンジンと5速ATの供給をはじめとした日本の自動車メーカー各社の協力も得て2006年にリリース。
動力性能云々ではなく、主にスタイルや雰囲気を楽しむ「ファンションスーパーカー」というコンセプトで開発されたスーパーカーである。
光岡自動車の創業者である光岡進氏(左)とデビルマン原作者の永井豪氏(右)。強力なコラボにより世界で1台のスペシャルオロチが誕生
いっぽうデビルマンは悪魔の体と人間の心を併せ持つデビルマンが、デーモン(悪魔)と戦う漫画、アニメだ。
オロチとデビルマンがコラボしたデビルマンオロチは、2018年に光岡自動車の創業50周年とデビルマンの作者の永井豪氏の画業50周年を記念して企画されたスペシャルモデルだった。
デビルマンオロチはこの年に新作としてNetflixで配信された「デビルマンクライベイビー」のアートディレクションを手掛ける阿閉高尚氏と、オロチをデザインした光岡自動車の青木孝憲氏が共同で手掛けたカラーリングなどが施された。
スペシャルなカラーリングが施されたオロチ。極上の中古車をベースに作成された。価格はいわくつきの1968万円だったが、希少性を考えると安い!!
クルマ自体はオロチが2014年に生産終了していたこともあり極上中古車をベースとしたもので限定1台、価格は前述した光岡自動車の創業と永井豪氏が画業を開始した1968年にちなんで1968万円だった。
本当に世界に1台という点も含め、熱狂的なデビルマンファンならコレクションに加えたい1台だったに違いない。
ベンツGLA/GLB×ドラえもん
ベンツのエントリーモデルとなるAクラスファミリーは、「ベンツに対する敷居を下げたい」という使命も持つ。
そのためプロモーション活動でもテレビゲームのスーパーマリオが登場する先代GLAのテレビCM以来、現行Aクラスの音声入力「Hiメルセデス」をドラゴンボールの孫悟空の声(声優の野沢雅子さん)が行うCM、キン肉マンやシティハンターといったアニメで主人公の声を担当された声優神谷明さんを声で起用したCMなど、間接的なものも含めキャラクターとのコラボには積極的だ。
先代GLAはスーパーマリオブラザーズのマリオをキャラクターに抜擢し、TVのCMのほかいろいろなところで積極的にコラボ
その最新作が登場したばかりのAクラスファミリーのSUVとなるGLAとGLBのCMに登場するドラえもんとその仲間たちである。
GLAとGLBのCMは現在公開中の映画「ドラえもん のび太の新恐竜」とタイアップしたもので、アニメのCMは2台が登場して前述のHiメルセデスも使うというストーリーだ。
GLBは日本に導入されたばかりのコンパクトSUVということで、不動の人気を誇るドラえもんとのコラボは知名度アップに大きく貢献するはず
登場するのは2列シートのGLAはのび太とドラえもんの2人、3列シートのGLBはのび太とドラえもんにジャイアン、スネ夫、しずかちゃんも加わり人は合計5人と芸が細かい。
また現在GLAとGLBはドラえもんとコラボしたスペシャルサイトもあり、Aクラスファミリーの人気はキャラクターとのコラボの効果も小さくなさそうだ。
メルセデスベンツの公式ホームページでは、ドラえもんとのコラボの特設ページも要因されている。一度見てみてはいかが
GLA/GLB×ドラえもんスペシャルサイト
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