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ニッポンが誇る世界屈指の名コース! 立体交差もある鈴鹿サーキットの走り方をレーシングドライバーが指南

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ニッポンが誇る世界屈指の名コース! 立体交差もある鈴鹿サーキットの走り方をレーシングドライバーが指南

この記事をまとめると

■鈴鹿サーキットの攻略法をレーシングドライバーが伝授

関東アマチュアの鍛錬場! 市販車テストの聖地! 筑波サーキットの攻略法をレーシングドライバーが指南する

■1987年からF1も開催されている伝統のコース

■世界的にも難しいチャレンジングなレイアウトといわれる

1987年からF1が開催される伝統のコース

東のサーキット一丁目一番地が富士スピードウェイなら、西の代表格は鈴鹿サーキットだろう。1962年に創設され、近くに本田技術工業(ホンダ)の鈴鹿工場がある。ホンダのホームサーキットとして知られ、数々の名勝負の舞台となってきた。

F1も開催される鈴鹿サーキットには伝統と威厳が感じられ、スポーツ走行といえども初めてコースに走り入るのは敷居が高く感じるだろう。

しかし、機会があるなら是非とも走ってみて欲しい名コースであるし、レーシングドライバー志望者なら鈴鹿を知らずして日本のモータースポーツ出身であると語ることはできない。

今回は、そんな鈴鹿サーキットの攻め方を詳しく紹介しよう。

まずホームストレートからアプローチする第1コーナー。800mのホームストレートは緩やかな下り勾配がついていて車速が伸びる。じつは1200mと長さで勝るバックストレートよりホームストレートのほうが到達最高速度は高くなっている。その最高速域からブレーキングしながら100Rの1コーナークリップを目がけてターンインしていくのだ。

近年のサーキットはヘルマン・ティルケがコースレイアウトをデザインしたものが多く、FIAの意向を汲んでホームストレートから続く1コーナーは直角ターンの低速コーナーであることが多い。しかし、鈴鹿サーキットは創立以来の高速1コーナーを維持し、特徴としているのだ。1コーナー手前で直線的にブレーキングし1コーナーのクリッピングポイントをクリアしてから2コーナーアウト側に一度加速し直すという走法が一般的だった。だがダウンフォースの強いレーシングマシンなら1コーナーのCPまで最高速度のままターンインし、2コーナーアウト側に向かい旋回制動をかける。そこで車両姿勢を安定化させて2コーナーCPにノーズを向けられれば成功。

ブレーキングでアンダーステアを出してしまったり、リヤをスライドさせてしまったらそのラップは早くも失敗と諦めざるをえない。それほど1~2コーナーは重要だ。またコーナー外側はエスケープゾーンが広く安全性は高いが、コーナーイン側はガードレールが近く、イン巻きでスピンでもしようものならすぐにガードレールにクラッシュしてしまうことになる。

2コーナーは加速しながら立ち上がるが、アウト側縁石を踏み越えるとスリッパリーなグラベルがあり、ここもイン巻きしてコース右側ガードレールにクラッシュしてしまいやすい。姿勢制御に不安を感じたらエスケープの広い左サイドに一旦退避する判断が求められるところだ。

2~3~4~5コーナーに向けてはS字コーナーとなっていて、若干の登り勾配となっている。トップフォーミュラでハイグリップタイヤを履いていたら4速全開のままクリアする。僕はF3000時代に予選用ハイグリップタイヤで4速全開200km/hオーバーのまま6コーナーとなる逆バンクまでを駆け上ったが、パワーステアリングなしでは操舵力に腕力が追いつかないことから「手アンダー」という言葉が生まれた場所でもある。

ダウンフォースの大きくないツーリングカーやスーパーカー、GTマシンならアクセルオフによるタックインを利用してライントレース性を高め、トラクションを上手くかけてリズミカルに走ると良いタイムが刻めるだろう。

6コーナーは通称「逆バンク」と呼ばれ、コーナー外側が下がるカントがついている。イン側を走るライン取りが常識的だが、次の7コーナー左ターンのダンロップコーナーのイン側を有利な位置に取るため逆バンクを大外回りのアウト側を走るケースもレースのバトルシーンでは起こりえる。1997年のF1GPで鈴鹿を良く知るエディ・アーバイン選手が逆バンクのアウト側からライバルミカ・ハッキネン選手をオーバーテイクしたのは今でも語り継がれている。

7コーナー、通称「ダンロップコーナー」は6コーナー出口のボトム地点から大きく高速で旋回しながら登っていく難所だ。ライン取りが難しく長いコーナーで、ミスを誘発しやすい。コーナーアウト側はダスティで、そこを走ると外側に一気に流されコースアウトしてしまう。イン側にしがみつくようにラインを取り、アクセルを踏み込んで加速し続けなければならない。トップフォーミュラだと大きな横Gと加速の前後Gが首に長い時間かかり苦しめられる。

続くは8~9コーナー、通称「デグナーカーブ」だ。デグナーは建立当初は一つのコーナーだったが、アウト側エスケープが狭く、先の見えないブラインドカーブだったためF1開催を睨んでショートカットさせ2つのコーナーからなる複合カーブへと改められた。これで外側エスケープゾーンが広がり、見通しも改善されて安全性が高まった。

ただし入り口でミスった時にじたばたして2個目出口カーブにアプローチしてしまうと減速が効かず、そこでは旧来の狭いエスケープゾーンしかなく、世界的にも珍しい立体交差のある橋桁下に激突してしまう。一つめをミスったら素直に一旦広いエスケープに出て車速を落とし仕切り直す心構えが必要だ。

後半区間には超高速コーナーの130Rが待ち構える

デグナーを抜けるとヘアピンコーナーへ向かうが、その手前に高速の右ターンをクリアする。ハイダウンフォースマシンはアクセル全開のまま抜けるが、通常車両は手間でアクセルオフし慎重にクリアしてヘアピンカーブへの姿勢を最適化する必要がある。

ヘアピンカーブ自体は単調で低速だが、コース幅があるのでインサイドにCPを取らずともアウト側ラインで車速の高いままクリアする走法も現実的だ。ただ耐久レースなど長時間の走行後はタイヤカスなどのデブリがコーナーアウト側に多く散らばってくるので、そこに踏み入れるとそのままコースアウトしてしまいかねない。

ヘアピンの立ち上がり加速でトラクションを最大限有効に発揮させ車速を上げて行くことが続くスプーンコーナーへのアプローチ速度を高めるために重要だ。スプーンコーナー手前の高速右カーブは通称「松ちゃんコーナー」と呼ばれ、とくに2輪で走るには危険でテクニックが必要だ。4輪では全開で行けるクルマがバランスのいいクルマと評価できる場所で、タイヤのグリップが落ちてくると全開で行けなくなり性能変化に応じて対応が求められるのだ。

スプーンカーブは入り口が60R、出口に向け200Rで構成される複合コーナーだが、一つのコーナーとして捉え、立ち上がり重視でライン取りと車両姿勢をコントロールする。

スプーンコーナー出口での速度が続くバックストレートでの初速となるので、いかに高い速度で抜けられるかがポイントだ。トップフォーミュラだと4速全開200km/hオーバー、RRのポルシェ911なら入り口から出口までドリフトしっぱなしとなるなど車両特性の違いが大きく出る。

バックストレートは直線区間だが、初めは下り、中程から登り勾配がつき路面もバンピーだ。とくに最高速に達する立体交差上は構造的ダンプがあり、ここでサスペンションが底づきしたり跳ねたりしてダウンフォースが減少すると続く超高速130Rコーナーに大きな影響を与えてしまう。

130Rコーナーは鈴鹿で最も難易度の高い超高速コーナーとして知られ、F1ドライバーも手こずるほどの難しいコーナーだった。ただ近年は130Rとは名ばかりで、入り口こそ85Rと小さいものの、出口に向け340Rと大きなRに変化し、ほとんど直線的にアクセル全開で抜けられる形状に改修されていて走り易くなっている。

F1だと300km/hを超えるコーナリングスピードとなるので超ダイナミック。それだけにミスすると代償も大きく、イン巻きして内側ガードレールにクラッシュするとほとんどのクラス、マシンで全損になってしまうリスクの高いコーナーなのだ。

130Rを高速で駆け抜けたら、もっとも低速となるシケイン「日立オートモーティブシステムズシケイン(旧カシオトライアングル)」を迎える。このアプローチに於けるブレーキングゾーンはオーバーテイクポイントとして有効で、セナ・プロ事件を始め多くのアクシデントや名勝負を生み出してきた。そういえば僕自身もここで命を落としかねないアクシデントに見舞われたこともあった。

シケインを立ち上がったら、下り勾配の最終コーナーを加速しながら立ち上がる。ハイパワー車であるほどトラクションコントロールが難しく、またタイヤのグリップダウンも加速性能、旋回性能に大きく影響するポイントだ。

こうしてホームストレートへ戻り、最高速でまた1コーナーへと進入していくのだ。

世界的にも難しく、チャレンジングだがドライブしていて楽しいと高い評価を受けている鈴鹿サーキット。レーシングドライバーとしての高い資質が求められる攻略しがいのある名コースであるといえるのだ。

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