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バブル前夜の80年代に大流行! 懐かしの昭和「ハイソカー」5選

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バブル前夜の80年代に大流行! 懐かしの昭和「ハイソカー」5選

「ハイソカー」とは、1980年代前半から後半にかけて大流行した自動車ジャンルの俗称です。「ハイソサエティ・カー(上流階級向け車種の意味。和製英語)」からくる造語で、自動車雑誌「ホリデーオート」が名づけたといわれています。

トヨタ・初代ソアラ(Z10型) 1980年代初頭、日本は世界最大の貿易黒字国になり、好景気が続いていました。それにともないユーザーも、クルマに高級感や先進的な機能を求めるようになっていきました。そうしたなかで流行したのがハイソカーです。

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 ハイソカーは、当時としては珍しかったデジタルメーターやターボエンジン、電子制御サスペンションなど、斬新なアイテムを搭載していました。さらに内装も豪華なグレードが流行し、当時の若者が憧れるクルマになりました。

 ハイソカーの起源は諸説ありますが、1980年に発売されたトヨタの初代「クレスタ」がきっかけになったともいわれています。初代クレスタは、トヨタの新販売チャネル「ビスタ店」の開業と同時に、ビスタ店の最上級車種として発売されました。半年後に兄弟車である4代目「マークII」「チェイサー」も登場しています。

 4ドアハードトップのモデルが人気を集めましたが、それだけではなく、4ドアセダンや2ドアクーペのモデルもハイソカーに分類されます。

 当時人気のあったハイソカーを5種8モデル紹介します。

●トヨタ「クレスタ」「チェイサー」「マークII」(70系)

 トヨタの「マークII」「クレスタ」「チェイサー」は兄弟車で、3車種あわせて「マークII 3兄弟」とも呼ばれています。クレスタはビスタ店、チェイサーはオート店、マークIIはトヨペット店で販売されていました。

トヨタ・クレスタ(70系) そのなかでも、とくに1984年に発売された「70系」と呼ばれる3モデルが大人気となり、ハイソカーブームに火をつけました。クレスタは2代目、チェイサーは3代目、マークIIは5代目となります。

 2代目クレスタは、そんなマークII 3兄弟のなかでも当時一番人気だったモデルです。サッシュドアを採用した4ドアセダンですが、全高1385mmと低く抑えた端正なスタイリングで、先代から引き継がれた角目4灯ヘッドライトが特徴でした。

 3代目チェイサーは4ドアハードトップのみの展開でした。斜め格子のセンターグリルが印象的なモデルです。

 5代目マークIIは4ドアハードトップ、4ドアセダンが用意され、ステーションワゴンやバンもありました。

 70系クレスタ、チェイサー、マークIIは、TEMS(トヨタ電子制御サスペンション)や4輪ESC、2モードプログレッシブパワーステアリングをオプションで用意するなど、当時としては斬新なメカニズムを持ったクルマでした。さらに、スーパーラグジュアリーシートや世界初のクイックハンドウォーマーなど、インテリアも充実した内容でした。

 1988年にはクレスタ、チェイサー、マークIIとも80系にフルモデルチェンジ。バブル景気の波に乗り、70系以上の販売台数を記録しました。

●日産「セドリック」「グロリア」(Y30系)

 70系マークII 3兄弟に比べると爆発的な人気ではなかったのですが、1983年6月に登場した、Y30系と呼ばれる6代目「セドリック」/7代目「グロリア」も当時ハイソカーブームで人気のあったモデルです。2車をあわせて「セドグロ」と呼ばれていました。

日産・セドリック4ドアハードトップ(Y30系) 日産伝統の直列6気筒L型エンジンに代わり、国産量販車としてはじめてV型6気筒エンジンを採用したのがこのモデルになります。4ドアハードトップのほか4ドアセダン、5ドアステーションワゴン/バンと多彩なボディバリエーションがありました。

 1987年にY31系セドリック/グロリアにフルモデルチェンジされましたが、スポーティな「グランツーリスモ」グレードの登場もきっかけとなり、バブルの好景気も手伝って、先代以上のヒットとなりハイソカーブームをけん引しました。

初代ソアラ、初代レパードなど懐かしの「ハイソカー」●トヨタ「ソアラ」(Z10型)

 1981年に登場した2ドアパーソナルクーペが初代「ソアラ(Z10型)」です。

トヨタ・ソアラ(Z10型) ソアラはトヨタのイメージリーダーとして、先進の技術が詰め込まれた上級スペシャリティカーでした。4輪独立懸架や4輪Vディスクブレーキの採用、2リッターエンジン用2ウェイオーバードライブつき4速ATなど、グランドツーリングカーとしての操縦安定性や快適性を実現するためにさまざまな先進技術が投入されました。

 またインテリアにおいても、デジタルスピードメーターやグラフ表示式タコメーター、ソフトタッチ式のマイコン制御オートエアコン、デジタル任意速度警報装置など、未来感のある装備が満載でした。

 初代ソアラは空前の大ヒットを記録。1986年に発売された2代目(Z20型)も初代のコンセプトを踏襲し、こちらも人気モデルになりました。

●日産「レパード」(F30型)

 1980年10月に登場したのが初代「レパード」です。初代ソアラよりも前に発売されています。

日産・レパード 2ドアハードトップ(F30型) ロングノーズでスクエアなエクステリアは当時でも斬新なデザインで、2ドアハードトップのほか、4ドアハードトップも存在していました。

 初代レパードは、ドライブコンピュータやワイパー付きフェンダーミラー、オートエアコン、チルト&テレスコピックステアリングなど、さまざまな先進機能を搭載していましたが、前期型は翌1981年2月に発売されたソアラに比べるとパワー不足が否めず、人気を奪われました。

 1986年に発売された2代目レパード(F31型)は、発売当初はソアラの陰に隠れた存在でしたが、TVドラマ「あぶない刑事(デカ)」で主人公が乗る劇中車として登場して以来、人気モデルの仲間入りをしました。いまでも中古車市場では高値で取引をされている1台です。

●日産「ローレル」(C32型)

 1984年に登場した5代目「ローレル(C32型)」もハイソカーブームをけん引した1台です。ヨーロッパ車のようなデザインだった先代(C31型)ローレルから一新、直線基調のエクステリアに変更されました。

日産・ローレル 4ドアハードトップ(C32型) いまでは当たり前の装備である「電動格納式カラードドアミラー」は、このC32ローレルが世界初採用となりました。

 4ドアハードトップと4ドアセダンのふたつのボディタイプがあり、直列6気筒や直列4気筒エンジンのほか、2リッターV型6気筒ターボエンジン搭載車も設定されていました。このモデルは中古車市場でも人気でした。

 1989年にローレルは6代目(C33型)にフルモデルチェンジ。4ドアハードトップのみとなりました。

※ ※ ※

 ハイソカーと呼ばれて親しまれたクルマには、ほかにもトヨタ「クラウン(12系、13系)」、ホンダ「レジェンド(初代)」、日産「スカイライン(R31系)」などがありましたが、その中心となったのはマークII 3兄弟などのトヨタ車でした。

 バブル景気もあり、80年代後半には各社から高級路線のモデルが続々と登場しましたが、バブル崩壊による景気後退により、ハイソカーブームも終焉を迎えます。

 その後は、世の中がRVブームやミニバンブームに移っていきます。4ドアハードトップや4ドアセダン自体の人気がなくなり販売台数が激減。今回、紹介したモデルの車名はすべて日本で消えています。

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