Goodwood 77th Members’ Meeting
グッドウッド 77th メンバーズ ミーティング
「グッドウッド 77th メンバーズ・ミーティング」レポート! 今年も名車&名マシンが激走!
注目は、ポルシェ917、BMCミニ、ベントレー!
ヨーロッパのヒストリックカー・レースのシーズンインを飾るイベントとして知られるグッドウッド77thメンバーズ・ミーティング(以下、77MM)が、4月6~7日の両日にわたり、イギリス・チチェスターにあるグッドウッド・サーキットを舞台に行われた。例年は3月に行われる77MMだが、一昨年は冷たい大雨、昨年は季節外れの雪(!)と悪天候に見舞われてきたこともあり、今年から4月にずらしての開催となった。
9月に同じグッドウッド・サーキットを舞台に行われるリバイバル・ミーティングと違い、1980~90年代の比較的新しいカテゴリーにもスポットを当てることで知られるこのイベントは、これまでも70年代ツーリングカー、ウイングカーF1、グループA、FIA GT1など、いくつものヒストリックカーシーンにおけるトレンドを作り出してきた。
そんな77MMが今回スポットを当てたのが、50周年を迎えたポルシェ917、60周年を迎えたBMCミニ、100周年を迎えたベントレー、そしてまだ記憶に新しい2000年代のNASCARとLMPマシンだった。
他にも1923年までに製造されたヴォワチュレットによるレースや、1960年代のスポーツプロトのレース、さらにはジュネーブ・ショーでお披露目されたばかりのマクラーレン・セナGTRの走行披露など、様々な話題が詰まった2日間となった。
熱いバトルを見せた「BMCミニ60周年記念レース」
1959年に誕生した偉大な実用車、BMCミニの60周年を記念して開催された1967年までのMk1を対象としたワンメイクレース「ベティ・リッチモンド・トロフィー」。60台のエントリーを2つにわけ予選レースを行い、上位15台ずつ計30台の決勝レースが行われた。ちなみにベティー・リッチモンドは、現当主のリッチモンド公爵の祖母の名前。
事前に200台の申し込み(!)があった中から選ばれた60台は、いずれもかなりの腕利き揃い。その中で光る走りを見せたのが、アストン・マーティンのエースとして知られるダレン・ターナー。「1コーナーから奥のセントメアリーズまでずっとノーブレーキなんだ。このメンバーの中でトップ10に入れば最高だね」と言いながら、さすがのレースコントロールで最終レース5位に食い込んだ。
ヒストリックF1のチャンピオンであるニック・パドモアと予選レースからマッチレースを繰り広げ、決勝でドラマチックな逆転勝利を飾ったニック・スウィフト。ミニのチューンショップとして知られるSwiftune(今回のエントラントの最大勢力がSwiftuneエンジンだった)のボスで、グッドウッドの常連のひとりだ。ボディについたタイヤ跡と取れたモールがレースの激しさを物語る。
今後に期待「BMW M1 プロカーレース」
毎回、様々なジャンル、カテゴリーに目をつけるメンバーズ・ミーティングが目をつけたのが1979年、80年にF1ドライバーを擁して行われたBMW M1のワンメイクレース“プロカーレース”だ。残念ながら5台のみのエントリーとなってしまったが、昨年グループ5人気に火をつけた同イベントだけに、これからの動向に注目である。ちなみに3台目を走るM1はゲルハルト・ベルガーの所有車で、リッチモンド公爵の息子チャーリー・マーチがドライブした。
今回集まった中の1台、1981年のル・マン24時間に出場したミュンヘン・カラーのBMW M1をドライブしたのは、当時のチームクルーであるプリンツ・レオポルド・フォン・バイエルン本人! 旧バイエルン王国ヴィッテルスバッハ家の末裔で、1994年、95年にはBMWワークスの一員としてJTCCを戦ったこともある。
生誕50周年を記念した「ポルシェ917」
悲願であったル・マン24時間の総合優勝をもたらすなど、ポルシェのモータースポーツ活動に最初の黄金期をもたらした傑作マシン、917の生誕50周年を祝うスペシャルプログラムも開催。レストアが仕上がったばかりの917-001を筆頭に、JWチームの917K、917/10-71、そして2台の917-30 が集結しデモランを行った。この詳細はまた後日ご報告する予定だ。
2000年代のLMPマシンによるデモラン
77MMで、もうひとつ注目を集めていたのが“LE MANS PROTOTYPE”と名付けられた2000年代のLMPマシンによるデモラン。実はヨーロッパでは一昨年からマスターズ・ヒストリック・レーシングによる、ヒストリックLMPレースが開催されており、個人所有のアウディR8やベントレー・スピード8なども出場し盛り上がりをみせている。今回はベントレー100周年を祝い2003年の優勝車No.7も参加。当時のクルーであるガイ・スミスとトム・クリステンセンがドライブした。
往年のツーリングカーレースに圧巻!
このイベントの花形レースのひとつが、1970年から82年までのツーリングカーによって行われる“ジェリー・マーシャル・トロフィー”。当時のBTCC参加車を彷彿とさせる、フォード・カプリ、ローバーSD1、シボレー・カマロZ28、フォード・フィエスタなどによるガチンコレースは圧巻! 土曜にはオーナードライバーとエマニュエル・ピロ、ヨッヘン・マスなどプロがタッグを組むセミ耐久レースも行われ、大いに盛り上がった。
最新の「マクラーレン セナGTR」と名作「F1」も激走!
すべてがヒストリック一色に染まらないのもこのイベントの特徴。マクラーレン・オートモーティブは、ジュネーブ・ショーで生産型がお披露目されたばかりのマクラーレン セナGTRの走行を、マクラーレンF1試作5号車、P1、P1 GTR、そしてセナを従え初披露した。ドライバーを務めたのはブルーノ・セナ。「マクラーレンの中でもこのクルマは僕にとって特別な存在。825psのパワーはもちろん、ロードバージョンに比べダウンフォースも200kgほど増加しているので、サーキット専用車に相応しいものすごいパフォーマンスだ。75人のオーナーは幸せだね」
オールド・ベントレーも大量エントリー!
1931年までのスポーツカーを対象とした“ジョン・ダフ・トロフィー”。ベントレーとともに1923年のル・マンに初挑戦し、1924年に総合優勝を飾ったベントレー・ボーイズのひとり、ジョン・ダフの名を冠したレースとあって、オールド・ベントレーが大量エントリー。ジョナサン・ターナーがオーナーのNo.10の3リッターは、1925年のル・マンでJ.ダドリー・ベンジャーフィールドとハーバート・ケンジントン・モイアがドライブしたマシンそのものだそうだ。
77MMを象徴するカテゴリーがこの1925年までの自動車によって行われる“S.F.エッジ・トロフィー”。古くは1903年型のメルセデス60hpから、1925年のブガッティT13ブレシアまで、29台ものマシンが集まるというだけでも驚きだが、そんな太古のクルマで本気のレースをしてしまうのだから、彼の地の自動車趣味の奥深さには恐れ入る。
8月の“BH AUCTION SMBC SUZUKA 10HOURS”にマクラーレン720S GT3でミカ・ハッキネン、石浦宏明とともに出場することが発表された、ジェントルマン・レーサーの久保田克昭も、1960年代のプロトタイプ・スポーツを対象とした”ガーニー・カップ“に愛機ロータス23Bで出場していた。フォードGT40やマクラーレンM1Aなどのビッグマシンの中、1.6リッターのロータス23Bで26台中13番グリッドを確保した久保田は、好スタートでジャンプアップ。ポルシェ910などとのバトルを制し総合8位でフィニッシュする大健闘をみせた。
ヒストリックイベントで新世代EVハイパーカーがワールドプレミア!
先日の本サイトでもご紹介した、ロンドンの超低排出ゾーン(ULEZ)用にピニンファリーナが開発したEVスーパーカー、ピニンファリーナ・バティスタのワールドプレミアも行われた。ピニンファリーナのアンバサダーで、バティスタの開発を手がけるのは、元F1ドライバーのニック・ハイドフェルド。「1900psのパワーは凄く、4WDでハンドリングはとてもクイック。まさにモダンF1マシンのようだよ。来年までに開発を終え、フェスティバル・オブ・スピードで僕の持っているコースレコードを破りたいと思ってるんだ!」
TEXT/藤原よしお(Yoshio FUJIWARA)
PHOTO/藤原功三(Kouzo FUJIWARA)/ 藤原よしお(Yoshio FUJIWARA)
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