2024年5月1日から発売中の「MotorMagazine6月号」第一特集は「夏が来る前に、スポーツカーに乗らないか」。パート2では、大排気量MTスポーツの面白さと題して、BMW M2クーペとGR スープラRZの「MTで楽しむストレート6」対決を紹介しています。際立つのはやっぱりM専用「S系」ユニットの高い完成度。今回はそのメカニズムについて、過去の記事を振り返ってみました。(MotorMagazine 2024年6月号より抜粋/2021年6月号より再構成/写真:永元秀和、村西一海)
ひとつずつ3Dプリンターを使って型をとり、アルミ鋳造
M3/M4のフルモデルチェンジに合わせ、MotorMagazine誌上で「S58B30A型」エンジンが紹介されたのは、2021年6月号でした。新型M2に搭載される同型ユニットも、ややパワーダウンしてはいるものの同じ仕様となります。以下、記事内からその解説を抜粋してみましょう。執筆は、こもだきよし氏です。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
◆ ◆ ◆
BMW M社はMモデル専用のエンジンを絶え間なく開発している。このMモデル専用エンジンはコードの頭に「S」が付く。通常のBMWのエンジンコードはB(古いのはN)から始まるが、Sから始まるものは一部例外を除いて、存在しない。
エンジンコードの頭文字に関わらずBMWのすべてのエンジンは「TVDI」の要素が入っている。これはターボ、バルブトロニック、ダイレクトインジェクションで、今のBMWエンジンに共通する技術である。
最新型となる6世代目(G80/G82)M3/M4のエンジンは、3L直列6気筒ツインターボを踏襲しており、一見5世代目と大差ないように見えるが、実は中身が大きく変わっている。
シリンダーヘッドの内部を冷却水が巡回するために隅々まで細かい回路が必要になる。それを作るためにひとつずつ3Dプリンターを使って型をとってアルミ鋳造するという丁寧な作業によって成り立っている。
これによりウォーターインジェクターなしでノーマルのM4クーペ(ベースモデル、6速MTのみ)用のS58B30B型は480psと550Nmを発生。さらにM3/M4コンペティション用のS58B30A型は510psと650Nmにパワーアップしている。
さらにS58型から始めた冷却方法は、ピストンを下から冷やすオイルサンプだ。通常は1本の噴射だが、S58型は2本にしたのだ。
モータースポーツシーンからのフィードバックも豊富だ
この他に新しいS58型が先代のS55型と大きく異なるのは、クランクシャフトの受け方だ。クランクシャフトを下から支えるのはアルミニウム製のベッドプレートタイプだったが、新しいエンジンでは鉄製の受けになった。
アルミのベッドプレート方式は高回転で回る分には問題ないが、1回ずつのより大きな爆発力に耐えられるようにするためには鉄製の受けが必要になったからだ。
クランクシャフトといえば、S58型はフルカウンタータイプになっている。ひとつひとつは薄くして質量を減らしているが、これでバランスを取って高回転に対応できるようにしている。
また、サーキットを走ることを前提に作られたエンジンだから、長い高速コーナーでオイルが偏っても潤滑できるように、メインポンプ以外にサクションポンプを複数設けているのも特徴だ。
このS58型エンジン、実はM3/M4の前に2018年にデビューしたX3M/X4 Mですでに採用されていた。ただしチューニングはM3/M4とは異なり、ベースモデルは480psと600Nm、コンペティションは510psと600Nmの仕様となる。
X3 M/X4 Mの場合はエンジンルームの高さに余裕があったから、吸気用のインタークーラーがヘッドの上に配置されていたが、M3/M4ではシリンダーの横に移されている。(ここまで文:こもだきよし)
◆ ◆ ◆
前述したとおり、M2のパワーソースはM3/M4にも搭載されるものと、同型同メカニズムとなっています。高効率な3L 直列6気筒ターボは圧力損失を最小限にするとともに、流体抵抗も極めて低く抑えることでレスポンスが最適化されました。
高効率な吸気ダクトとともに重量を最適化した鍛造ピストンの採用によって、高回転まで最大限かつ安定したパワー供給を実現。ターボチャージャー自体も、ブース圧を最適化することで迅速かつダイナミックなレスポンスを発揮、低回転時でも太いトルクを生んでいます。
本誌ではそんなS58B30Aエンジンを、もうひとつのBMW製ストレート6「B58B30B」を搭載するGRスープラRZと6速マニュアルトランスミッション仕様同士で、比較試乗しています。乗り手は西川 淳氏。「気持ち良さ」を究めた2台は果たして、どんな違いを楽しませてくれたのでしょうか。(Webモーターマガジン編集部)
[ アルバム : MM Another Story:BMW M2の「別腹」 はオリジナルサイトでご覧ください ]
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
「すごい衝突事故…」 東富士五湖道路が一時「上下線通行止め!」 ミニバンが「横向き」で“全車線”ふさぐ… 富士吉田で国道も渋滞発生中
タイヤに記された「謎の印」の意味とは? 気になる「赤と黄色マーク」の“重要な役割”ってなに? 気づけば消えるけど問題ないのか?
「ノーマルタイヤで立ち往生」に国交省ブチギレ!?「行政処分の対象です」2年連続で大量発生…「スタックの7割が夏用タイヤ」今年も緊急警告
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
日産「新型スカイライン」発売! 歴代最強「匠“手組み”エンジン」×旧車デザインの「特別仕立て」登場も「次期型」はもう出ない…? 「集大成」完売した現状とは
いずれスポーツカー[バブル]は崩壊する!! その時あなたは買う勇気があるか!?
新車77万円! ホンダ革新的「コンパクトカー」に「安くて広くて最高!」の高評価! 全長3.7mで「フィット」より小さい“街乗り最強”モデルとは! デザイン&乗り心地も大満足
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?