Bentley Continental GT V8
ベントレー コンチネンタルGT V8
ベントレー コンチネンタルGT V8、国内初試乗! ロングツーリングで光った英国流「ワイルドネス」
V8エンジンを得て極まる洗練
新型となったベントレー コンチネンタルGTにV8エンジンが加わった。W12とは異なる個性を備えるパワーユニットの追加で、コンチネンタルGTの魅力はさらに深まることだろう。モータージャーナリストの山田弘樹が、東京から長野へのツーリングを通じて、コンチネンタルGT V8の魅力に迫る。
「積極的に走りたいベントレーボーイズに、このスポーティさを捧げたい」
他を圧倒するオーラを放ちながらも、思わずその優雅な姿態に目を奪われる。そんな、プレミアムクーペの魅力を存分に振るうベントレー コンチネンタルGTに、待望のV8搭載モデルが登場したのは昨年秋のこと。そしてこの度そのクーペモデルが日本に初上陸となった。
問答無用のパワーと質感を備えるW12ツインターボに対し、新世代のV8ツインターボはいかなるキャラクターを備えるのか? 500kmを超えるロングドライブを経てつかんだ、その片鱗をここにお伝えしよう。
「コールドスタートの起爆音からは想像できないほど紳士的」
4.0リッターの排気量をもって、770Nmもの最大トルクをわずか2000rpmという低い回転数で発揮。そのトルクバンドを4500rpmまで維持する新型V8ツインターボの出足は、コールドスタートの起爆音からは想像できないほど紳士的だった。
背中を蹴飛ばされるような発進に身構えながら、右足をゆっくり踏み込んでみる。するとむしろ若々しいスタートを切るには踏み込み方が甘かったのかと思うくらい、全長4.8mの巨体は静かに走り出した。それがグループ由来の気筒休止システム(4気筒を休止)によるものか、ベントレーの流儀なのかすら測りかねるほどその躾けは穏やかで、思わず拍子抜けしてしまったほどである。
混み合う都内を走り抜くハンドリングは、いきなり色濃い英国テイストを示した。3チャンバー式エアサスペンションはしなやかな乗り心地と同時に、絶妙な初期ロールでスッと小回りを効かせ、都内の喧噪を軽々と縫って走る。試乗車は走行55kmのまっさらな新車だったが、ブッシュの馴染みも必要ないと思えるくらい、その乗り味は整っていた。
渋滞の首都高をACCで切り抜け、白馬を目指して中央高速道路へ。ほどよくアップダウンのある中速コーナーの連続では、ブリティッシュGTの個性がさらに強く発揮される。
「W12で得られる完全無欠の包容力に比べ、格段にスポーティ」
しなやかな足まわりがもたらすターンインは予想以上に鋭い。ロールを使ってボディ全体で向きを変え、アクセルでトラクションを与えていくと、まるでレールの上を滑走するかのように走って行く。
それはW12で得られる完全無欠の包容力に比べ、格段にスポーティな身のこなしだった。FRベースとはいえ4WDとは思えないほどニュートラル寄りな操舵バランスだ。
もっとも試乗車は22インチタイヤを履いており、これが標準の20インチになれば、初期操舵感はもっと穏やかになるだろう。またリヤサスからのわずかな突き上げをも、吸収することができるはずだ。そしてスタビライザーとエアサスを協調制御する「ダイナミックライド」を装着すれば、この22インチタイヤの鋭い初期グリップをも、ハンドリング下に抑え込めるのではないかと感じた。
「2500rpm近辺からサウンドがあからさまに豹変する」
そしてこのピュアなハンドリングにV8ユニットをリンクさせると、走りは一気に野性味を帯びる。
前述した躾けによるものか、その加速はカタパルト的ではない。しかし正に馬へ鞭を入れるがごとく、アクセルでピシャリと一撃を加えれば、2500rpm近辺からそのサウンドがあからさまに豹変する。
エンジンの回り方は緻密で、振動も少なく極めてクリーン。排気音も見事に抑えられており、急激なアクセルオフでもアンチラグ的な炸裂音は最小限に留められている。
派手好みを演出するのは吸気サウンドで、アメリカンV8とまではいかないが立体感のある吸気サウンドが響き渡り、それと同時にスピード感がグッと増す。大人しく走っている限り8速ATによるエンジン回転は1500rpmにも満たない。しかしアクセルひとつでこの眠りから、エンジンが解き放たれるのだ。そしてこの両極端なキャラクターこそが、W12との明確な違いとなる。
「アクセルを踏み抜けば、強烈に刺激的な世界が待っている」
ゾーンに入ってからの人馬一体感は格別だ。V8エンジンの中間トルクは2165kgの車重に羽根を生やし、サスペンションがその速さをきっちり受け止めた上で、ヒラリ、ヒラリとリズムを作る。550psを発揮する、5570rpmの領域は刹那の瞬間。日常においては、ほぼ無縁の世界と言ってよいだろう。しかしその向こう側へとアクセルを踏み抜けば、強烈に刺激的な世界が待っていると確信できる。
そんな快楽への誘惑に乗ぜずにいられるのは、ベントレーがこのコンチネンタルGTを、日常で“疾らせる”術を心得ているからだ。
数ある中から「B」モードを選べば、エンジン、電動パワステ、足まわりといったすべての要素が協調制御され、たとえ“こちら側”で走っていても、そこに退屈はない。むしろそのしなやかな中にも芯のある、 完成されたセッティングを味わえば、もはやコンフォートやスポーツといったモードが、便宜上のものだとすら思えてくる。ベントレーモードとは、よく言ったものである。
「富裕層が移動に求める快適性を完全に理解している」
夜の長野道をマトリクスヘッドライトで駆け抜ける走りはストレスフリー。漆黒の室内ではダッシュトリムにLEDのイルミネーションライトが一閃し、厳かな中にも近未来的なゴージャス感を盛り上げる。欲を言えば助手席までモニターを大胆に延長し、パッセンジャーを映画やYouTubeでもてなす演出も欲しいところだが、エアバッグとの兼ね合いもあるのだろう。そのパーソナル感に満ちた移動は実に優雅なひとときであり、富裕層が移動に求める快適性を、ベントレーが完全に理解していることを強く印象づけられた。
総じて新世代V8ユニットを搭載したコンチネンタルGTは、W12モデルに対し若さを備えたモデルであった。今後そのエンジン制御がどう練り込まれていくかはわからないが、現状ではひとまずオンとオフの切り替えが比較的はっきりしたキャラクター。それを単にエントリーモデルと評するのは陳腐に過ぎる。だから筆者としては、積極的にコンチネンタルGTを走らせたいベントレーボーイズにこそ、V8モデルのスポーティさを捧げたいと感じた。これぞ大人の走りを堪能できるGTである。
REPORT/山田弘樹(Kouki YAMADA)
PHOTO/市 健治(Kenji ICHI)
【SPECIFICATIONS】
ベントレー コンチネンタルGT V8
ボディサイズ:全長4850 全幅1966 全高1405mm
ホイールベース:2851mm
車両重量:2165kg
エンジン:V型8気筒DOHCツインターボ
総排気量:3996cc
最高出力:404kW(550ps)/5750rpm
最大トルク:770Nm(78.5kgm)/1960-4500rpm
トランスミッション:8速DCT
駆動方式:AWD
サスペンション形式:前ダブルウイッシュボーン 後マルチリンク
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:前265/45ZR20(8.5J) 後295/40ZR20(11J)
0-100km/h加速:4.0秒
最高速度:318km/h
価格:2498万1000円
【問い合わせ】
ベントレーコール
TEL 0120-97-7797
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