現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「弱者優先」を振りかざしても事故ったら自分が痛い! 身を守るために知っておくべき大型トレーラーや大型トラックの動き

ここから本文です

「弱者優先」を振りかざしても事故ったら自分が痛い! 身を守るために知っておくべき大型トレーラーや大型トラックの動き

掲載 9
「弱者優先」を振りかざしても事故ったら自分が痛い! 身を守るために知っておくべき大型トレーラーや大型トラックの動き

 この記事をまとめると

■大型トラックやトレーラーには死角が多い

120km/h区間で「3車線横並び」も見かける! 90km/hリミッター付き大型トラックの高速3車線区間の「追い越し車線走行」は禁止すべき?

■大型トラックやトレーラーは乗用車とは異なる特殊な動きをする

■周囲のクルマが気をつけるべきことを解説

 サイドミラーによる安全確認ができないこともある

 世の中にはさまざまな種類の自動車が存在する。なかでも特徴的なのはトレーラーや大型トラック。特別な運転技術が要求される車両であるために、当然のごとく誰にでも運転できるというシロモノではない。そんなトレーラーや大型トラックを手足のように扱うドライバーたちは、文字どおりハンドル職人であるといえるだろう。

 トレーラーとは、エンジンや運転席などが装備されたトラクタ(ヘッド)と、牽引されるトレーラー(台車)のふたつが連結されたトラックのことを指す言葉。本来であればトラクタがトレーラーを牽引した状態を「牽引自動車」と呼ぶのが正しいのだが、トレーラーと呼ぶのが一般的になっている。

 対する大型トラックとは、読んで字のごとく国内最大級の大きさをもつトラックのことを指す言葉。トータルの全長ではトレーラーのほうが長いというのが一般的だが、(トレーラーではない)単車では全長12mが日本国内では最大のサイズとなっている。

 そんなトレーラーや大型トラックには、とにかく死角が多い。また、特殊な動きをするために、周囲の乗用車や自転車、そして歩行者にも注意が必要。事故が起きた場合はトレーラーや大型トラックに原因があるかもしれないが、そんな巨体に巻き込まれたりしたらたまったものではない。最悪の場合は命を落としてしまう結果にもなりかねないため、我が身を守るという意味でも、トレーラーや大型トラックの特性を理解しておいて損はないだろう。

 まずトレーラーは、サイドミラーによる安全確認ができなくなるシーンが発生する。車体が「く」の字に折れた状態では、サイドミラーや目視で後方の確認ができなくなるのだ。そのため、トレーラーが曲がってきているときやバックで入庫しようとしているところなどには接近しないのが吉。トレーラーをやり過ごす時間が必要になってしまうが、事故に遭うよりはよっぽどマシだろう。

 右左折の際は後方部分がふくらむ

 大型トラックにはさまざまな種類が存在するが、ここではもっとも大きな全長12mの箱車を例に考えてみたい。トレーラーと同様に運転席が高い位置に存在するため、下部の確認は思いのほかしづらくなる。発進や右左折の都度にサイドミラーや対策ミラー、アンダーミラーなどで安全確認をするのがドライバーの義務なのだが、自転車や歩行者からすれば注意するほうが無難。ましてや左折体制に入った大型トラックには左側の側面に死角が多くなるため、巻き込まれる危険性が高くなる。動いている大型トラックに無理矢理突っ込むのではなく、やり過ごすことを考えるほうが懸命だろう。

 いくら歩行者や弱者優先だからといって、なにをしてもいいというわけではない。たとえ賠償責任は大型トラックに発生したとしても、命を落としてしまうことと比べれば割に合わないだろう。弱者優先はそのとおりだが、その言葉が身の安全を保証してくれるものではないということは、つねに覚えておきたいものである。

 そんな大型トラックには、巻き込みのほかにも右左折の際「後方部分が左右にふくらむ」という特性がある。自動車は行きたい方向へとハンドルを回すことで進路を定めることができるのだが、その場合は後輪が軸となる。さきほどの巻き込み事故は、前輪と後輪の間を意味するホイールベースが長くなればなるほど起こりやすいものだが、大型トラックの場合は後輪から車体最後部までの長さ、つまりオーバーハングが長いというのも特徴のひとつ。後輪を軸にして車体が左右に曲がるということは、自ずとオーバーハングも左右に振れてしまう。

 そのため、オーバーハングの長い大型トラックが左折をする場合は車体の後部が右側へとふくらみ、右折をする場合には後部が左へと振れてしまうのだ。それは乗用車でも同じ原理だが、その振れ幅が大きく異なってくる。そのため、大型トラックが急旋回するときはオーバーハングが隣の車線や路側帯を塞いでしまうことがあるため、スレスレを走ることは避けたほうがいいだろう。車体の高さから乗用車の運転席にヒットする可能性が高くなるため、安全を確保することが重要。

 自転車から大型トラック、そしてトレーラーという多種多様の乗り物が共存する道路を走行する際には、ぜひとも自分の安全を第一に考えた(予測も含めた)行動をとってほしい。いくら運転技術に優れたプロのトラックドライバーであるとはいえ、相手は機械ではなく人間である。

 ましてや死角が多い対象であるため、必要以上に注意するぐらいが丁度いいかもしれない。それを面倒くさいとか、まどろっこしいとか思うのではなく、無事に帰宅するためにも意識すべきだ。ルールだからといって相手を信じるのではなく、自分で自分を守るという考えで交通社会を乗り切って欲しいと願うばかりである。

関連タグ

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

違反じゃないけど最低限これぐらいはできてくれ! まわりをイラつかせるマナー違反の運転5つ
違反じゃないけど最低限これぐらいはできてくれ! まわりをイラつかせるマナー違反の運転5つ
WEB CARTOP
頼むからヤメてくれ! トラックドライバーが頭を悩ませる乗用車の運転ダントツ1位は「速度が安定しない」だった
頼むからヤメてくれ! トラックドライバーが頭を悩ませる乗用車の運転ダントツ1位は「速度が安定しない」だった
WEB CARTOP
あおり運転は論外! だけどあおりを誘発するドライバーがいることもまた事実! もし該当したら見直すべき4つの迷惑運転
あおり運転は論外! だけどあおりを誘発するドライバーがいることもまた事実! もし該当したら見直すべき4つの迷惑運転
WEB CARTOP
バスジャックにカーチェイスが連日TVニュースで流れるなど大荒れ! いまのアメリカでは大都市の治安の悪化が深刻化していた
バスジャックにカーチェイスが連日TVニュースで流れるなど大荒れ! いまのアメリカでは大都市の治安の悪化が深刻化していた
WEB CARTOP
重労働の「除雪」から100万円で解放されるかも!? シニアカーなどと同等扱いの「小型除雪ドローン」に期待大
重労働の「除雪」から100万円で解放されるかも!? シニアカーなどと同等扱いの「小型除雪ドローン」に期待大
WEB CARTOP
新車を買ったのに納車の時に見たら10km以上走行してる! 0kmから乗りたいオーナーがいても叶わないワケ
新車を買ったのに納車の時に見たら10km以上走行してる! 0kmから乗りたいオーナーがいても叶わないワケ
WEB CARTOP
「盾と光線!?」ヘッドライトにまつわる謎用語! 旧車乗りには常識の「シールドビーム」ってなに? 
「盾と光線!?」ヘッドライトにまつわる謎用語! 旧車乗りには常識の「シールドビーム」ってなに? 
WEB CARTOP
路線バス「シートベルト義務化」にすべき? 死亡率大幅低下も、立ちはだかる「短距離移動」という辛らつ現実
路線バス「シートベルト義務化」にすべき? 死亡率大幅低下も、立ちはだかる「短距離移動」という辛らつ現実
Merkmal
ハザードにパッシングにブレーキ5回点灯!? 誰が始めたか「暗黙の」灯火類コミュニケーション6つ
ハザードにパッシングにブレーキ5回点灯!? 誰が始めたか「暗黙の」灯火類コミュニケーション6つ
WEB CARTOP
首都高出口から「逆走車がきた!」 衝撃の映像公開 「怖い思いしただろうなあ…」
首都高出口から「逆走車がきた!」 衝撃の映像公開 「怖い思いしただろうなあ…」
乗りものニュース
私道はもちろん空き地にサーキットの外周路も「道交法違反」で取り締まられる可能性あり! 「みなし公道」って一体何?
私道はもちろん空き地にサーキットの外周路も「道交法違反」で取り締まられる可能性あり! 「みなし公道」って一体何?
WEB CARTOP
ドライバー不足で「修学旅行」がドタキャンってマジか! 「働き方改革」はバス業界にもバス利用者にも大打撃を与える「愚策」か
ドライバー不足で「修学旅行」がドタキャンってマジか! 「働き方改革」はバス業界にもバス利用者にも大打撃を与える「愚策」か
WEB CARTOP
「走行距離の短い中古車=程度がいい」と思ってないか? 中古車選びでハマリがちな低走行車のワナ
「走行距離の短い中古車=程度がいい」と思ってないか? 中古車選びでハマリがちな低走行車のワナ
WEB CARTOP
悪路を激速で走るタイヤってどんなもの? じつは公道走行も可能な「ダートタイヤ」の中身をプロドライバーに聞いてみた
悪路を激速で走るタイヤってどんなもの? じつは公道走行も可能な「ダートタイヤ」の中身をプロドライバーに聞いてみた
WEB CARTOP
ハイテクなぶん普通の旧車より難しい! NISMOが頑張る「第二世代GT-R」でさえ乗り続けることが難しい時代がきていた
ハイテクなぶん普通の旧車より難しい! NISMOが頑張る「第二世代GT-R」でさえ乗り続けることが難しい時代がきていた
WEB CARTOP
デコトラ乗りはヤンチャな荒くれ者……は映画の刷り込み! じつは優しい人が多いオーナーの素顔
デコトラ乗りはヤンチャな荒くれ者……は映画の刷り込み! じつは優しい人が多いオーナーの素顔
WEB CARTOP
街中の「軽車両を除く」意味は? 軽自動車は通行できる? 勘違いしてる人は「免許返納レベル…」 軽車両の対象は
街中の「軽車両を除く」意味は? 軽自動車は通行できる? 勘違いしてる人は「免許返納レベル…」 軽車両の対象は
くるまのニュース
コロナ禍あたりから増えてきた「展示車」「試乗車」の販売! 潜む「リスク」と「お得に買うコツ」
コロナ禍あたりから増えてきた「展示車」「試乗車」の販売! 潜む「リスク」と「お得に買うコツ」
WEB CARTOP

みんなのコメント

9件
  • reg*******
    特性を理解するトラック運転手側が注意しろと言われればそれまでだが、安全確認には限界がある。
    ケツ振りや内輪差に突っ込んでくる車やバイク、大型車の キャビンの直前に立つ、信号待ちなどで停止線からはみ出し曲がるのを妨げる車(守られていても曲がれないことすらある)なんてしょっちゅういる。
  • MINTIA
    何かにつけてすぐ悪者扱いされる大型車の方がよっぽど弱者です。でかければ強いとは限らない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村