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タイのポルシェ・ミーティング「ダス・トレフェン」を舞台に披露された斬新なアートワーク

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タイのポルシェ・ミーティング「ダス・トレフェン」を舞台に披露された斬新なアートワーク

4回目を迎えたタイ最大のポルシェ・ファンイベント

ポルシェをテーマにしたアートワークを手がけ、インスタグラム・アーティストとして活躍するジェフリー・ドハーティ。12月14日、タイ・バンコクのインパクト・スピードパークで行われたイベント「ダス・トレフェン(Das Treffen、ドイツ語で「ミーティング」の意味)」において、彼はコンテナとポルシェを絡めたグラフィックアートを披露した。

タイのポルシェ・ミーティング「ダス・トレフェン」を舞台に披露された斬新なアートワーク

ポルシェとデザインへの情熱、そしてソーシャルメディアを介した運命的な邂逅により、アメリカを拠点とするクリエイティブディレクターのドハーティは、バンコクで行われるイベントへの参加を実現させた。

ニュージーランド人のドハーティがタイを訪れるのはこれが初となる。彼はタイ語を話せないが、何年にもわたって彼のインスタグラムをフォローしてきた多くのファンと出会うことになった。彼らの共通点はポルシェへの熱い想いである。

タイ全土から400台以上のポルシェが集結

タイのポルシェ・マニアにより毎年開催されている「ダス・トレフェン」は今年で4回目を迎えた。イベントを立ち上げたのは“テン”こと、シハブトル・ショムサイ。『GTポルシェ・タイ』の編集長に任命されたテンは、タイのポルシェ・マニアのためのイベントを開催することで、ファンコミュニティを育てようと考えた。

今回の「ダス・トレフェン」にはタイ全土から400台以上のポルシェが集結。参加条件はポルシェをドライブしている、それだけだ。「ポルシェをドライブしているのであれば、すぐにダス・トレフェンに参加できます。あなたもショーの一部ですし、このファミリーの一員になれます」と、テンは説明する。

例えば、建築家のコーン・トーントーは、1969年製ポルシェ 911Eに妻と6歳の双子を乗せてイベントに参加した。彼はバンコクにガラス張りのガレージを保有しており、911Eはそのコレクションのひとつだという。言葉の壁があるにも関わらず、トーントーとドハーティはポルシェとデザインへの深い愛により、SNSを通じて長年絆を深めてきた。

ドハーティが育んできたポルシェへの情熱

ドハーティの生い立ちを考えるとポルシェへの情熱も理解できるはずだ。

「私の父はメカニックです。ある意味メカニックになるべく育てられました。自動車への愛も父から受け継ぐことになったのです。父はレースイベント、クラシックカーショー、ドライバーズミーティングに私を連れていってくれたものでした。クルマへの興味はやがて愛になったのです」

しかし、ドハーティはメカニックにはならなかった。

「私が自動車に目を向けたとき、最も興味を持つのはそのラインとスタイリングだったんです」

彼はニュージーランドの小さな街トワイゼルで幼少期を過ごしたあと、首都のクライストチャーチで大学に通う。オーストラリアのメルボルンに移り、その後ニューヨークで『ニューヨークタイムズ』やいくつかのファッション誌で働いている時、彼は「自分のクルマを所有したり、ドライブしていない」ということに気がついたという。

ナイキの仕事をしながら投稿したポルシェのアート作品

オレゴン州ポートランドでナイキのシニアクリエイティブディレクターの仕事を得たドハーティは、ガレージ付きの家も手に入れた。そして彼は、クルマと離れていた“失われた時代”を取り戻すことを決意する。

「私は1963年製カルマンギアを所有しています。このクルマでフォルクスワーゲンのヒストリックイベントに出かけた時、356や914といったクラシック・ポルシェの魅力に気付き始めたのです。その魅力を知ってしまえば、あとは愛が増すばかりです(笑)」

ポルシェを知ったドハーティは911 SCを購入し、オレゴンのポルシェ・コミュニティにも加わった。「最初はレストアやパーツの情報交換だったものが、いつしか友情へと変わります」と、ドハーティは笑う。

この4年間、仕事以外の余暇を利用してポルシェのスケッチやヒストリック・ポルシェを使ったアート作品を完成させると、彼はインスタグラムなどのSNSでシェアした。ドハーティのアート作品はたちまちポルシェ・ファンの間で有名になる。そして、ポルシェ・アジア・パシフィックは第4回「ダス・トレフェン」のポスターとアートワークを彼に依頼することになった。

「世界中のポルシェ・ファンをつなぐインターネットとSNSの力で、私は本当に幸運に恵まれました。クルマは活気があり、大胆な芸術品です。それを使って何かアートに活かしてみたいと思うのは当然の成り行きでした」と、ドハーティ。

「私が手がけたすべてのアート作品は、すでに存在するクルマの前に立って、視点の異なる芸術的なレンズを通して見ることによって作られます。私が選んだカラーはすべて象徴的なポルシェのカラーに基づいていて、真のポルシェ・コミュニティの住人やマニアも、それを知っています」

タイから海外へと波及する「ダス・トレフェン」の魅力

今回の「ダス・トレフェン」には、ポルシェ初のフル電動モデル「タイカン」が持ち込まれた。タイカンがバンコクで見られるのはこれが初めてとなり、多くのポルシェ・ファンにより熱狂的に迎えられることになった。

こうして4回目のミーティングも大成功に終わった。地元タイのポルシェ・マニアによる情熱、そして中東やヨーロッパ、日本から訪れた多くのファンによって、「ダス・トレフェン」は今後さらに世界へと広がり、成長を続けていくことになるだろう。

「私がアメリカに戻って言わなければならないのは、『ダス・トレフェン』が驚異的な最高のイベントだということです。すべてのポルシェ・ファンに、一度は参加して見ることを薦めるつもりです」と、ドハーティ。

「このイベント中もインスタグラムに写真を投稿していたので、私のスマートフォンの通知は鳴り止まない状態でした(笑)。誰もが『君はどこにいるの? これはアメリカじゃないよね?』ってコメントしてきました。私が『ここはタイ』だと明かすと、ようやく彼らは状況を想像できるようです。こんな素晴らしいことはないでしょう!」

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