現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【昭和の名車 156】カローラの2BOX版「FX」には、ファン待望の1600GTも登場した

ここから本文です

【昭和の名車 156】カローラの2BOX版「FX」には、ファン待望の1600GTも登場した

掲載 更新 3
【昭和の名車 156】カローラの2BOX版「FX」には、ファン待望の1600GTも登場した

昭和は遠くなりにけり・・・か。以前に連載した「昭和の名車」では、紹介しきれなかったクルマはまだ数多くある。そこで、1960年代以降の隠れた名車を順次紹介していこう。今回は「トヨタ カローラFX」だ。

トヨタ カローラ 3ドア1600FX-GT(AE82型):昭和59年(1984年)10月発売
フォルクスワーゲン ゴルフの登場以来、FF 2BOXが定番となった欧州小型車市場に進出するため、トヨタの世界戦略車としてカローラFXは企画・開発された。1983年(昭和58年)5月に登場した5代目カローラセダンをベースに、ボディ後部を大胆にカット。全長を165mm切り詰めて軽快な3&5ドア 2BOXとしたものだ。中でもファンを喜ばせたのが、「ホットハッチ」3ドア1600FX-GTがラインアップしたことだった。

【くるま問答】アイドリングストップ機能はよいことばかりではない。OFFスイッチはいつ使う?

FXの登場は1984年10月3日だが、その21日後にはホンダがシビックにZC型1.6L DOHCを搭載するSiを追加投入するなど、ホットハッチ市場はにわかに活気を帯びる。4A-GE型を搭載するAE86 レビン(1983年5月)/MR2(1984年6月)/FX-GTを擁するトヨタと、ZC型を搭載するシビック/CR-X(1984年11月)が1.6Lクラス最強の座を争って激突する構図ができたのだった。

FX-GTのエンジンは4A-GEを横置きに改良したもので、基本的にはミッドシップ搭載されるMR2用と同じだが、FF 2BOX用としては日本初のDOHCだった。ディープスカートの鋳鉄製ブロックにヤマハが開発したベルト駆動DOHCヘッドを架装したもので、センタープラグのペントルーフ型燃焼室にカムダイレクト駆動される吸気径30.5mm×2/排気径25.5mm×2の4バルブを狭角50度で配置。最高出力は130psを発生した。

高回転に対応するため、高強度・高剛性のピストンやクランクシャフト、カムシャフトなどを採用。さらに、吸気抵抗を減らすためEFIの吸入空気量検出をバキュームセンサーによるDジェトロに変更、マルチバルブ化による低回転域のトルク不足を解消するため吸気マニホールドを2系統にし、低回転時に片側をバタフライバルブで閉じて慣性吸気効果を高める可変吸気システムT-VIS(トヨタ バリアブル インダクション システム)も採用。これにより800rpmのアイドリングから許容回転数の7700rpmまで一気に吹け上がる切れ味と、扱いやすさの両立に成功している。

シャシはカローラセダンと同じプラットフォーム及び4輪ストラットサスペンションを採用するが、GTはスプリング/ダンパー減衰力の強化に加え、パフォーマンスロッドの追加でボディ剛性を高めたほか、バリアブル ラック&ピニオン式ステアリング、大型のフロント ベンチレーテッドディスクブレーキ、175/70HR13タイヤ(オプションで185/60R14も設定)などで、高い直進安定性と応答性に優れたハンドリングを実現していた。

しかも、トランスミッションは5速MTの9万9000円高で電子制御の4速ATも設定するなど、単なるハードマシンに仕上げていないところがトヨタらしい心配りと言えた。

内装でも7ウエイスポーツシート&シートリフター、フットレスト、チルト機構付き本革ステアリングを標準装備してスポーツ心を煽る一方で、エレクトロニックディスプレイメーターをオプション設定して、シティ派にも対応している。

FX-GTは高い基本性能を生かしてモータースポーツにも積極的に参加した。1986年のインターTECでは総合9位、ディビジョン1(1600cc以下)クラス優勝を遂げている。このレースにはAE86レビンもエントリーしていたが、速さではカローラFXに及ばなかった。市販車の比較でも、車重940kgのレビン3ドアGTVに対しFX-GTは930kgとほとんど変わらない。FF、FRの差というより、先代TE71のシャシを使うAE86レビンより、新開発シャシのFX-GTのほうが総合力で勝ることを如実に示した例と言って良いだろう。



トヨタ カローラ 3ドア1600FX-GT 主要諸元
●全長×全幅×全高:3970×1655×1380mm
●ホイールベース:2430mm
●重量:930kg
●エンジン型式・種類:4A-GELU型・直4 DOHC
●排気量:1587cc
●最高出力:130ps/6600rpm(ネット)
●最大トルク:15.2kgm/5200rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:175/70R13
●価格:136万5000円

[ アルバム : カローラFX-GT はオリジナルサイトでご覧ください ]

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

フィアット『グランデパンダ』、ステランティスのセルビア工場で生産開始
フィアット『グランデパンダ』、ステランティスのセルビア工場で生産開始
レスポンス
首都高中央環状線で「トンネル火災」北行きで通行止め続く 大井JCT~熊野町JCTで広い範囲
首都高中央環状線で「トンネル火災」北行きで通行止め続く 大井JCT~熊野町JCTで広い範囲
くるまのニュース
バイクニュース今週のダイジェスト(7/22~26)
バイクニュース今週のダイジェスト(7/22~26)
バイクブロス
踏み間違い防止装置があるから安心ではない! 覚えておきたい機能の特徴
踏み間違い防止装置があるから安心ではない! 覚えておきたい機能の特徴
LE VOLANT CARSMEET WEB
セゾン自動車火災保険、迅速に保険金支払いへ…クラウド版「ClaimCenter」日本初導入
セゾン自動車火災保険、迅速に保険金支払いへ…クラウド版「ClaimCenter」日本初導入
レスポンス
ホンダ、中国で失速生産能力3割減、日産は北米不振で営業益99%減[新聞ウォッチ]
ホンダ、中国で失速生産能力3割減、日産は北米不振で営業益99%減[新聞ウォッチ]
レスポンス
なぜ「軽で白ナンバー」付けられた? 100万台装着のオリンピックナンバーの現状は? 9割が軽も「万博ナンバー」では変化あり?
なぜ「軽で白ナンバー」付けられた? 100万台装着のオリンピックナンバーの現状は? 9割が軽も「万博ナンバー」では変化あり?
くるまのニュース
いつでもオシャレをしていたい! 教習所はカラコンOKなの?
いつでもオシャレをしていたい! 教習所はカラコンOKなの?
バイクのニュース
【新車価格情報】輸入車 デビュー&改良情報(ダイジェスト)※2024年7月20日時点
【新車価格情報】輸入車 デビュー&改良情報(ダイジェスト)※2024年7月20日時点
カー・アンド・ドライバー
レクサスIS 後継は『HZ』!? 1020hpのトリプルモーターBEVセダン登場へ!
レクサスIS 後継は『HZ』!? 1020hpのトリプルモーターBEVセダン登場へ!
レスポンス
「グランツーリスモ7」大幅アップデートでクルマがよりリアルで躍動感ある動きに! ミシュランタイヤも忠実に再現!
「グランツーリスモ7」大幅アップデートでクルマがよりリアルで躍動感ある動きに! ミシュランタイヤも忠実に再現!
くるまのニュース
スズキが新型「スペーシアギア」初公開! 丸目ライト×縦グリルの“ジムニー顔”で登場! アウトドア仕様の内装がスゴい!
スズキが新型「スペーシアギア」初公開! 丸目ライト×縦グリルの“ジムニー顔”で登場! アウトドア仕様の内装がスゴい!
くるまのニュース
コンチネンタル、ソフト定義自動車や自動運転の最新技術発表へ…IAAトランスポーテーション2024
コンチネンタル、ソフト定義自動車や自動運転の最新技術発表へ…IAAトランスポーテーション2024
レスポンス
BMWジャパン、EVステーションワゴン「i5ツーリング」を披露 小澤征悦さんがオリジナル曲を演奏
BMWジャパン、EVステーションワゴン「i5ツーリング」を披露 小澤征悦さんがオリジナル曲を演奏
日刊自動車新聞
911の進化はとどまるところを知らない!パフォーマンスハイブリッドを搭載した「ポルシェ 911 GTS」の走りは?
911の進化はとどまるところを知らない!パフォーマンスハイブリッドを搭載した「ポルシェ 911 GTS」の走りは?
AutoBild Japan
名古屋~高崎が最短ルートに!? 長野の“山岳地帯”つらぬく新高速道路「上田諏訪連絡道路」のすごさとは 「地味に遠回り」解消図る超短絡路
名古屋~高崎が最短ルートに!? 長野の“山岳地帯”つらぬく新高速道路「上田諏訪連絡道路」のすごさとは 「地味に遠回り」解消図る超短絡路
くるまのニュース
小学生からEV技術者育成へ、日産が英国に世界的な訓練施設を建設
小学生からEV技術者育成へ、日産が英国に世界的な訓練施設を建設
レスポンス
「飛葉ちゃんのCB750FOUR」が青島文化教材社から1/12スケールのプラモデルで2024年11月発売予定!
「飛葉ちゃんのCB750FOUR」が青島文化教材社から1/12スケールのプラモデルで2024年11月発売予定!
モーサイ

みんなのコメント

3件
  • 18歳の時友達が新車で買って、よく運転させてもらいました。
    ハンドルは重かったですが、ノーマルでもとてもよく曲がる足回りで、下手くそな自分でも走りを楽しめる良い車でした。
    86も乗りましたが、ノーマル同士ではFXの方が全然速くて話しにならなかったですね。
  • 2BOX上級生。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

135.6202.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

229.0229.0万円

中古車を検索
カローラFXの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

135.6202.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

229.0229.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村