「SU7」のハイパフォーマンスグレードが登場
中国シャオミが、すでに発売中のSU7のハイパフォーマンスグレードとして、0-100km/h加速1.97秒、最高速度350km/h以上、最高出力1500馬力以上というハイパーカー級のスペックの「Urtla」を発表。そのシャオミに関する最新情報を一挙にアップデートします。
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まず、シャオミについては2024年4月3日にも初のEVであるSU7の正式納車をスタートしました。
このグラフは、4月頭から納車をスタートしているSU7の月間販売台数の変遷を示したものです。4月から7058台、8656台、そして6月単体では14296台と、大幅に販売台数を伸ばすことに成功。このことからも、初期の生産地獄などには一切直面せず、予定どおり生産体制を拡張することができているということになりそうです。
また、SU7の販売台数が競合のEVセダンと比較してどれほどを実現できているのかを確認してみると、現在のプレミアムEVセダンセグメントは、これまでの王者であったテスラ・モデル3を筆頭に、Zeekr 001、そしてシャオミSU7の3車種が、月間1万台オーバーという人気車種として君臨。そして白で示されたSU7は、すでにZeekr 001と同等規模の販売ペースに到達。
さらに、このグラフは四半期ベースにおける販売台数の変遷を示したものです。直近の2024年Q2は、これまで王者に君臨してきたモデル3を上まわり、Zeekr 001が新たにトップに君臨。もちろん今回のSU7も、初四半期であるにもかかわらず、すでに3万台の販売台数に到達しており、このQ3以降、モデル3の販売台数を上まわるのではないかと期待されています。
実際にシャオミは、その生産能力の増強にコミットしており、当初の目標でもあったSU7の2024年納車台数10万台という目標値を12万台に引き上げながら、当初の納車台数10万台という目標を11月中に達成するという目標の前倒しを行っています。
そして、そのような背景において、SU7のハイパフォーマンスグレードとしてUltraグレードの正式発表を行なってきました。というのも、現在SU7は73.6kWhバッテリーを搭載する、素の標準RWDグレードとともに、94.3kWhのShenxingバッテリーを搭載するProグレード、そして101kWhのQilinバッテリーを搭載するAWDグレードのMaxグレードという3グレード展開であるものの、シャオミのスマートフォンのグレード展開から見ても、さらなるフラグシップグレードとして、Ultraグレードをあとで追加設定してくるのではないかといわれていたわけです。
そして今回、発表されたのが、そのUltraプロトタイプの存在。SU7をベースにしながら、サーキット走行に特化する形でさまざまな改良を行い、まずドイツのニュルでのサーキット走行において、10月中にもタイムトライアルを実施予定です。そして2025年中にも、このUltraプロトタイプをベースにして、量産車両の正式発売もスタート予定です。
プロトタイプの最高出力は1548馬力!
そして、まず今回のUltraプロトタイプは、さらに後輪側にモーターを追加してトライモーターシステムを構成しながら、その搭載モーターは、前輪側に現在Maxグレードの後輪側に搭載している275kWものV6sと名付けられたモーターを搭載しながら、さらに後輪側には、最新のV8sと名付けられた、最高回転数が毎分2万7200回、最高出力425kW、最大トルク635Nmを発揮可能という、量産モーター最強クラスをふたつも搭載しています。
このモーターの性能は、たとえば現在すでにSU7 Maxに搭載済みのV6sの場合、最高回転数、最高出力、最大トルク、そしてエネルギー密度というすべての項目において、テスラ・モデルS Plaidに搭載されているハイパワーモーターを上まわっており、その上で今回のUltraプロトタイプで初搭載されるV8sは、もちろんあらゆる指標で量産モーター最高レベルのスペックを実現。
エネルギー密度に関しても、モデルS Plaidの6.22kW/kgと比較しても、はるかに上まわる効率性を実現するなど、搭載モーターだけでもポテンシャルの高さが見て取れます。
よって、Ultraプロトタイプは最高出力が1548馬力に到達。たとえばモデルS Plaidが1020馬力であることを踏まえると、まさに化け物級の動力性能です。ゼロヒャク加速も、ロールアウトを含めて1.97秒を実現。最高速度も350km/hオーバーと、モデルSのワンフットロールアウト2.1秒、最高速度も322km/hを上まわります。
さらに、ハイパーカー達と比較してみても、ブガッティシロンが1500馬力であることからも、その異次元の動力性能が見て取れます。
そして、その異次元のゼロヒャク加速を支えるのが、ダウンフォースの最適化という観点です。大型リヤスポイラーをはじめとしてダウンフォースを最大化することによって、2145kgものダウンフォースを生み出すことに成功。コーナリング時や超高速走行などにおける安定性に寄与します。
その上、今回のUltraプロトタイプにおいて注目するべきは、その軽量化に対するコミットという観点です。具体的には、その車両重量は1900kgと、バッテリーEVとしては驚異的な軽量化を実現。ボディに対してカーボン素材を多用することで、500kgもの軽量化を実現し、実際にモデルS Plaidやポルシェ・タイカンターボGTよりも軽量化することで、車両重量よりもダウンフォースの方が勝るというレベルにまで到達しています。
よって、制動能力についても、最大減速Gは2.36Gに到達し、時速100kmからの制動距離も25mと、強力なストッピングパワーも実現しています。
また、バッテリーEVのコアテクであるバッテリーについて、現在SU7 Maxに搭載されているQilinバッテリーの最新バージョン、Qilin 2.0を初搭載しています。バッテリー容量などの詳細は不明ながら、総電圧は897Vと、量産バッテリーとしては最高電圧に到達しながら、最大放電出力も1330kWと、搭載モーターのパワーを最大限発揮可能です。
SOC20%状態における最大放電出力も800kWと、SOC20%の段階でモデルS Plaid級の加速性能を実現できるとイメージしてみると、バッテリーEVの弱点もカバーされているように見えます。また、充電性能もCレートで5.2Cを実現しており、急速充電性能も地球上最速クラスに到達しています。
さらに、バッテリーEVのサーキット走行において極めて重要となる冷却性能について、とくにV8sモーターについては冷却性能に特化しており、放熱効率が50%アップ、最大30度もの温度低下を実現しています。
いずれにしても、EVのサーキット走行における最大の課題である冷却性能について、バッテリー、モーター、もちろん車重を含めたブレーキングがどの程度を実現しているのかは、10月中に開催されるニュルのテスト走行の結果に注目です。
そしてシャオミは、このSU7 Ultraの市販車バージョンを2025年前半に発売スタートする方針を表明しました。具体的には、通常バージョンとトラックバージョンのふたつのグレード展開を予定。残念ながらコストの関係で、カーボン素材の全面採用は見送られるものの、Qilinバッテリー2.0、V8sを含めたトライモーターセットアップ、およびシャシーについてはすべてUltraプロトタイプを踏襲するとも発表されています。
果たして、SU7 UltraプロトタイプがEV最速の称号を獲得することができるのか。そして量産バージョンとなるSU7 Ultraがどれほどのスペックを実現して、ガチンコの競合となるテスラ・モデルS PlaidやポルシェタイカンターボGT、さらには中国国内最強のZeekr 001 FRなどに、動力性能やサーキット走行性能でどれほどの実力を発揮できるのか。
さらには2025年中に発表される予定である、SU7に続く2車種目のSUVモデルの最新動向についても、最新情報がわかり次第情報をアップデートしていきたいと思います。
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