Moto2マシンへの適応は「あとちょっと」が多い
MotoGP第16戦日本GPのMoto2クラス決勝レースは、スタート直後の1周目に、雨により赤旗中断となりました。ここでのタイヤ選択がレースの明暗を分けました。佐々木歩夢選手(ヤマハVR46マスターキャンプ・チーム)は、多くのライダーのようにレインタイヤを選択。一方、同じ日本人ライダーの小椋藍選手(MTヘルメット – MSI)をはじめとする、8名のライダーはスリックタイヤを選んでいました。
【画像】2024年シーズンのMoto2クラスに参戦する佐々木歩夢選手を見る(6枚)
結果的に、タイヤ選択はスリックタイヤが正解でした。12周で再開されたレースが始まって序盤の数周、スリックタイヤ勢とレインタイヤ勢のラップタイム差が明らかになったのです。
今回の母国グランプリで2位表彰台を獲得した小椋藍選手(MTヘルメット – MSI)をはじめ、トップ6がスリックタイヤ勢で、レインタイヤ勢のトップは7位でゴールしたチェレスティーノ・ヴィエッティ選手(レッドブルKTMアジョ)でした。スリックタイヤ勢6位のライダーとヴィエッティ選手との差は約18秒。それほどラップタイムの差があったのです。
佐々木選手も多くのレインタイヤ勢と同じように苦戦を強いられ、21位でレースを終えました。
「完全に、選択ミスでしたね」と、佐々木選手はレースを振り返ります。赤旗中断になったときに雨が降っているように感じ、佐々木選手は自分でレインタイヤを選択したということです。
「降ってきたときに雨かなと思ったんですが、霧雨だったんです。霧雨だからあまり路面が濡れなくて。完全に自分の選択ミスですね。残念な形で終わってしまいました」
そんな佐々木選手は、日本GPレースウイーク中の10月5日に、2025年、2026年は「RW-Idrofogliaレーシング」からMoto2クラスに参戦することが発表されました。
「ヤマハさんと継続して来年もこのチーム(ヤマハVR46マスターキャンプ・チーム)から参戦する予定だったのですが、このチームから走らなくなると決まったのが結構遅くて、オーストリアくらいでした。急に予定が変わったんです。その時点ですでにMoto2のシートの多くが埋まっていました。シートの空きがある中でベストな選択肢が、RWレーシングさんでした。良いチームだと思うし、一番良い選択肢だと思って、来年はRWさんと(共に)戦うことになりました」
また、現在のMoto2マシンへの適応について話を聞くと「あとちょっと、というところが、まだまだ多いですね」と答えています。レースウイークだけで適応を進めるには、どうしても難しいところもあるそうです。
「レースウイークだけだと自分の走り方に集中する時間がなくて。自分の走りを変えるのは簡単じゃない。30分、40分で変えられるものじゃないですから。自分の走りも、もう少しスムーズに対応できるようにしたいとは思っています」
「昨日(土曜日)の夕方、結構分かったところも多いんです。どうやって走らなくちゃいけないのか。気づけたことも多いので。次のオーストラリアにつなげていけたらと思います」
次戦第17戦オーストラリアGPは、10月18日から20日にかけて、オーストラリアのフィリップ・アイランド・サーキットで行なわれます。
■Moto2クラスとは……
Moto2クラスは、トライアンフ「ストリートトリプルRS」の排気量765ccの3気筒エンジンをベースに開発されたオフィシャルエンジンと、シャシーコンストラクターが製作したオリジナルシャシーを組み合わせたマシンによって争われる。タイヤは2024年よりピレリのワンメイクとなった。クラスとしてはMotoGPクラスとMoto3クラスの中間に位置する。
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