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ハスクバーナ新型「スヴァルトピレン801」試乗 独特デザインのまま2気筒エンジンのスポーツネイキッドに

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ハスクバーナ新型「スヴァルトピレン801」試乗 独特デザインのまま2気筒エンジンのスポーツネイキッドに

「ピレン」シリーズ最高峰がツインエンジンを搭載して8月より発売開始!

 ハスクバーナ・モーターサイクルズ(以下、ハスクバーナ)の「Svartpilen 801(スヴァルトピレン801)」は、前作の「Svartpilen 701」とは車名の数字が異なるだけですが、車体の全てが刷新されました。どのメーカーにも無い未来のネオクラシックを醸した世界観はそのままに、フルモデルチェンジしました。

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 2018年に発売され、新しいトレンドを生み出した「ヴィットピレン(Vitpilen)」と「スヴァルトピレン」の「ピレン」シリーズは、デビュー以来ファッション感度の高いライダーに支持されています。

 2024年はシリーズ全モデルがリニューアルし、すでに発売となっている「スヴァルトピレン250」、「スヴァルトピレン401」、「ヴィットピレン401」に続き、フラッグシップである「スヴァルトピレン801」がいよいよ登場です。日本では2024年8月より、138万9000円(消費税10%込み)で発売となります。

 ちなみにスウェーデン語で「スヴァルト」は「黒」、「ヴィット」は「白」、「ピレン」は「矢」という意味です。そして「801」に「ヴィットピレン」がラインナップされないのは、マーケットからの声が「スヴァルトピレン」の方が大きかったから、とのこと。

 エンジンは、「701」では排気量692.7ccの単気筒でしたが、「801」では排気量799ccの並列2気筒となり、パワーは105PSを発揮。また、この並列2気筒エンジンはKTMとハスクバーナだけが採用する独自の爆発間隔が与えられています。KTMの75度Vツインエンジンと同じ爆発間隔とすることで、独特の鼓動感とパワー感を提供してくれるのです。

独創的なパッケージが生み出す未来的ネイキッド

 フランスのマルセイユ近郊で開催されたメディア向け試乗会に参加した僕(筆者:小川勤)は、実際に「スヴァルトピレン801」の前に立ってみると、とても存在感がある印象を受けました。小さく、コンパクトに作ると言うよりは、そのスタイルに主張を持たせていることが伝わってきます。タンクやシート、マフラーなどの各意匠も個性的で、大きめの丸目ヘッドライトはクラシカルさとモダンさを両立。タイヤは前後17インチのブロックパターンで、これがスクランブラーらしさを醸しています。

 上記のディテールから高いスポーツ性を感じることはできませんが、サスペンションは高性能なWP製で、シフトアップ&ダウン対応のイージーシフトも装備。エンジンは電子制御をフル装備。デザイン性の高いディテールとスポーツ性を生み出す機能パーツの組み合わせは不思議にも感じましたが、走り出すとすぐに独特のバランスに虜になってしまったのです。

 試乗日の早朝は極寒。身体もタイヤも冷えているため、「ストリート」「レイン」「スポーツ」のモードの中から「ストリート」を選択しました。走り出して数分で峠に突入しますが、試乗会のペースはかなり速め。途中、トラクションコントロールを効かせてみますが、その介入に違和感はなく、とても自然です。

 ハンドリングはとても穏やかで馴染みやすさを優先した味付け。これはタイヤによるところも大きいでしょう。サスペンションは反応がよく、どこまでも正確にライダーの操作を感じ取ってくれます。乗り心地も良好で、自然なポジションと合わせて常にリラックスして乗ることができます。

 タイヤと身体が温まったところで、モードを「スポーツ」に。するとエンジンレスポンスが上がり、独特の不等間隔による爆発感も明確に。一気に速さを得ることができ、走るほどにスロットルの開け方が大胆になっていきます。それでもタイヤは、ブロックパターンであることを忘れるくらい頼れるグリップを伝えてくれるのです。

自分だけのバイクに仕立てる楽しさもある

 午後は気温も上がってきて気持ちの良いツーリング日和。ここでオプションのダイナミックモードを試してみます。「ダイナミック」は、パワー感はもちろんトラクションコントロールやABSの介入度を自分の好みで調整できるモードです。

 僕の好みをバイクに反映させます。エンジン出力を穏やかにし、トラクションコントロールやABSの介入度を減らした「ツーリングスペシャル」を試したり、エンジン出力を高めてトラクションコントロールをカットし、リアのABSをキャンセルした「ワインディングスペシャル」をテストしてみました。

 しかもこういったモード変更が直感的にできるのです。バイクにライダーが合わせるのではなく、バイクをライダーに合わせることで走りの楽しみはどんどん広がっていきます。

 試乗後半は「ワインディングスペシャル」一択。このモードで走り込んでいくと、もう少しスポーティなタイヤが欲しくなってきます……。

 休憩時、欧州の街並みに、自然に溶け込む「スヴァルトピレン801」の精悍な佇まいを見ると、さっきまでのスポーツ性が嘘のようです。でも、このギャップこそが「スヴァルトピレン801」の魅力なのだと思います。

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