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「新型スペーシア」が絶対王者の「新型N-BOX」に勝てる4つのポイントとは? 軽スーパーハイトモデル市場は激戦区に!?

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「新型スペーシア」が絶対王者の「新型N-BOX」に勝てる4つのポイントとは? 軽スーパーハイトモデル市場は激戦区に!?

 ついに登場した新型スペーシアは軽スーパーハイトの絶対的な王者である新型N-BOXにどのような部分でアドバンテージがあるのか? 新型スペーシアの事前撮影で実車を見た渡辺陽一郎氏が両車を細かく分析する。

文/渡辺陽一郎、写真/奥隅圭之

「新型スペーシア」が絶対王者の「新型N-BOX」に勝てる4つのポイントとは? 軽スーパーハイトモデル市場は激戦区に!?

■果たしてどんな要素で新型スペーシアは優れているのか?

新型スペーシアカスタム。先代モデルに比べると、フロントマスクのオラオラ感はやや薄められた印象

 軽自動車の人気車種、スズキスペーシアが2023年11月9日にフルモデルチェンジを行った。ライバル車は国内販売1位のホンダN-BOXだ。両車とも全高が1700mm以上で、後席側にスライドドアを備えたスーパーハイトワゴンになる。N-BOXも2023年10月にフルモデルチェンジを実施したから、両車は同じカテゴリーに属する新型車同士でもある。

 販売台数はN-BOXが国内の1位とあって圧倒的に多く、2022年には先代型が1カ月平均で約1万7000台を届け出している。先代スペーシアは約8400台だったから半数以下だった。

 しかし、新型スペーシアと、絶対王者の新型N-BOXを比べると、意外にスペーシアの優れた機能も目立つ。スペーシアは果たして絶対王者に斬り込めるのか、その優れた機能をポイント別にガイドしたい。

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■スペーシアの勝ちポイント/1:燃費性能

NAのマイルドハイブリッド仕様は最高でWLTCモード燃費25.1km/Lをマークする新型スペーシア

 新型スペーシアのノーマルエンジンは、先代型のR06A型から、設計の新しいR06D型に刷新された。そのために2WDのWLTCモード燃費は、ベーシックグレードのハイブリッドGが25.1km/Lで、それ以外の売れ筋グレードも23.9km/Lに達する。

新型N-BOXで最もWLTCモード燃費の優れているのは標準ボディの2WDで21.6km/L

 一方、N-BOXで最もWLTCモード燃費の優れた標準ボディの2WDは21.6km/Lだ。従ってスペーシアは、23.9km/Lの売れ筋グレードを選んでも、N-BOXに比べて燃料代を約10%節約できる。

 また、ターボのWLTCモード燃費も、2WDの場合でスペーシアが21.9km/L、N-BOXは20.3km/Lという差が生じている。

■スペーシアの勝ちポイント/2:安全&快適装備

ステアリングヒーターなど快適装備の設定も抜かりない新型スペーシア

 スペーシアの衝突被害軽減ブレーキは、右左折時にも、横断歩道上の歩行者や自転車を検知して作動すると明記されている。

 そのほか快適装備も充実する。エアコンなどの冷気を後席へ送るスリムサーキュレーター、メーターの情報を高い位置に表示するヘッドアップディスプレイ、ステアリングヒーターなどをグレードに応じて装着している。これらの装備は、N-BOXには見られない。

 新型スペーシアの開発者は「ステアリングヒーターは快適装備に思われるが、ステアリングホイールをしっかりと保持できるため、機能的には安全装備にも含まれる」と述べた。

新型N-BOXにはスリムサーキュレーターの設定はなし

 また、N-BOXはエアコンの冷気を後席に確実に送れるため、スリムサーキュレーターは不要という見方もしているが、扇風機のように風を直接乗員に当てられるメリットもある。安全&快適装備は、スペーシアのほうが多彩で充実している。

■スペーシアの勝ちポイント/3:収納設備

助手席の前側を見ると、最上段に大型トレイが装着されている新型スペーシア

 スペーシアは実用的な収納設備やトレイが豊富だ。助手席の前側を見ると、最上段に大型トレイが装着される。

 先代型では同じ位置にフタの付いたボックスが備わり、新型はコストダウンを行ったのかと思ったが、開発者は「コロナ禍以降、車内で食事をするお客様が増えた。そこで弁当箱などを乗せられる大型トレイに変更した」と述べた。

 さらにトレイの下にはボックスティッシュも収まる引き出しがあり、その左側には引き出し式カップホルダー、最下段にはグローブボックスも備わる。このほか助手席の座面の下には、大型の収納ボックスも設置されている。ハンドルが装着されているから、車外に持ち出すことも可能だ。

N-BOXのインテリア。助手席前のグローブボックスは先代型から2倍の容量に増やされているという

 N-BOXは新型になって収納設備をシンプルにする代わりに、グローブボックスの容量を2倍に増やした。その点でスペーシア、車内のさまざまな部分に収納設備やトレイを配置している。

■スペーシアの勝ちポイント/4:後席のマルチユースフラップ

新型スペーシアのリアシートには3つのモードで利用できる「マルチユースフラップ」が座面先端に備わっている

 新型スペーシアのハイブリッドX、カスタムXS、カスタムXSターボには、マルチユースフラップが装着される。後席の座面の前端に備わり、ミニバンのオットマンに似ている。

 マルチユースフラップを前側へ引き出すと、オットマンのようにふくらはぎが支えられ、リラックスして座れる。反転させて高い位置にセットすると、後席の座面の上に置いた荷物が走行中に床に落ちにくい。

 以上のようにスペーシアは、燃費性能、収納設備、安全&快適装備を向上させた。細かな機能や装備が目立つが、日常的な使い勝手が優れている。

新型N-BOX標準モデル(左)とN-BOXカスタム(右)。先代型よりも視界のよさや運転のしやすさに加え、乗り心地などを改善している

 その点でN-BOXは新型になって、視界と運転のしやすさ、動力性能、ステアリング操作に対する車両の反応、乗り心地などを改善させた。つまり、クルマの基本性能を高めている。

 このようにスペーシアとN-BOXでは、重視する機能が異なるため、実際に両車を乗り比べて自分の好みや使い方に合った車種を選ぶといいだろう。

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みんなのコメント

39件
  • ネオオレジン
    現行モデルとなる二代目もあれこれ考えぬかれて、対Nボック 勝負を挑みましたが、毎月半分程度の販売台数でしか売れずで、想定を遥かに越えていたことを悟り、今回の三代目では必ずやライバルを打ちのめし、良い車を作り、これなら欲しい!と思わせる質感や装備、デザインや便利さを追及した結果の現れそのものだと思ったね。この三代目は、スズキさんの努力の結晶と、諦めず軽のスーパーハイトカテゴリーで出来る事全てを追及してった根性と本気度が伝わりますね。
    気になる実走行の燃費と走りの質感ですね。
    いつ試乗出来るのかをスズキさんに問うと,今月末辺りには用意出来そうだとのことなので試乗してみます。
  • ぼだいち
    退化部分が色々見られる新型NBOXに対して、新型スペーシアはこれでもかと装備を充実させてきた。NBOXの今までのブランドですぐに販売台数1位を空け渡すとは思えないが、スペーシアも結構売れそうと思う。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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