マツダロードスターに代表される純粋に走ることに特化した“ピュアスポーツカー”。ロータスもまた現代にピュアスポーツを作り続けるブランドだ。そんなスポーツカーブランドの最新モデルへと続く、過去から現在を紐解いてみよう。
純粋に“走る”ことだけを追い求めて
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“ピュアスポーツカー”という言葉がある。純粋に走ることに特化したクルマという意味だ。明確な定義があるわけではないが、いくつか具体的な要素を挙げれば、ボディサイズは小さく車両重量は軽く、重心が低く重量配分が最適化されていて、乗車定員は1人もしくは2人で、サーキットのラップタイムなど絶対的な速さよりは、操ることの楽しさを求めるべくマニュアルトランスミッションを採用する、といったものになる。
実用性、快適性、衝突安全性など、時代の要請に応じて現代のクルマはどんどん大きく重くなってきた。したがってピュアスポーツを求める向きは自ずと古いクルマを愛好することになる。でもクルマは機械だし新しいほうがいいという人もいるだろう。
実は日本には、それらの条件を満たしつつ約30年間、4世代にわたって作り続けられているクルマがある。マツダロードスターだ。現行型のベースモデルは、細部に至るまで涙ぐましいほどの減量を行い、現代の安全基準などを満たしながら念願の車両重量1トン切りを果たしている。
そしてそのマツダロードスターが範を求めたというロータスもまた現代にピュアスポーツを作り続けているメーカーだ。
エリーゼが救ったピュアスポーツカーブランド
ロータスは、1952年に天才エンジニアのコリン・チャプマンが創業したスポーツカーメーカー。レーシングカーの開発にも長けており会社設立からわずか10年で当時のF1に勝利したというずば抜けた才能の持ち主だった。市販モデルとしては「セブン」、「エリート」、「エラン」、「ヨーロッパ」など今も世界中にファンをもつ“ピュアスポーツカー”を世に送り出した。
ちなみに「セブン」は現在もケータハム社から新車が販売されている。もとは1957年にチャプマンが発表したモデルだが、ロータスが生産中止を決めた際に製造権を譲り受けたケータハム社が現在も基本コンセプトはそのままに新車をつくり続けている。近年はエントリーモデルとして、スズキの軽自動車用660ccのエンジンを搭載した「セブン160」を発売しているが、車両重量490kgという圧倒的な軽さで乗れば誰もが思わず笑ってしまうほど軽快に走る。
ロータスは1982年にチャプマンが急逝し経営難に陥った。1986年にはGM傘下におさまり、同グループのシボレーコルベットのエンジン設計や、オペル、いすゞの開発にも携わってきた。1980年代後半に日本で人気を博したいすゞのピアッツァやジェミニには“ハンドリングbyロータス”というモデルが販売されたこともあった。その後はブガッティ、マレーシアのプロトンなど傘をかえながら、2017年よりボルボなども傘下におく中国のジーリーの小会社となっている。
現在のロータスはイギリス・ノーフォークに本社を構え、グループ企業として乗用車の製造、販売を行うロータス・カーズと、自動車技術に関するコンサルティングなどを行うロータス・エンジニアリングからなる。
近年のロータスを経営難から救ったのが、1995年に発表されたピュアスポーツカーの「エリーゼ」だった。航空機製造用の技術を用い、アルミ合金製の部材を接着することによって、軽くて精度と強度の高いシャシーを開発した。1.8リッター4気筒エンジンをミドに横置きし、後輪を駆動する本格派ながら、スタートプライスは500~600万円と比較的安価なこともあり世界的なヒット作となった。2007年からは日本国内でもロータスカップジャパンというワンメイクレースが開催されており、ドライビングスキルを磨きたい猛者たちが集うハイレベルなレースとして知られる。
走りに合わせたバリエーションをもつ、現行3モデル
現行のモデルラインナップは、最軽量クラスの「エリーゼ」、パワフルな「エキシージ」、4シーターGTカー「エヴォーラ」の3本柱だ。モデルごとに出力やサーキット志向の程度によるグレードが設定されており、バリエーションは豊富だ。またときにフロントウインドウもドアもないレーシングカーさながらの「3−イレブン」といった限定車が登場する。
エリーゼは1999年の発売から、エクステリアやエンジン、サスペンションなど度重なる改良が施されており、現行型は一般的にフェイズ3と呼ばれるものだ。エンジンはトヨタ製1.8リッター4気筒スーパーチャージャーで最高出力220ps、最大トルク250Nmを発揮する。トランミッションは6速MTだ。
エキシージの成り立ちはタルガトップボディのエリーゼでレースをするため、ワンメイクレース用にクーペボディに仕立てたものだ。当初はレース専用マシンだったものが、2000年にエキシージとして市販されることになった。エリーゼに対して、トレッドを広げ、より高出力なエンジンを搭載しており、エリーゼの進化とともに現行型はシリーズ3に発展している。従来はエリーゼと同じく4気筒1.8リッターエンジンを搭載していたが、最新型ではリアのサブフレームを新設計し、トヨタ製3.5リッターV6エンジン+スーパーチャージャーを搭載する。400馬力を超えるハイパフォーマンスカーになり、エリーゼとの役割分担を明確にしている。
エヴォーラは、2006年~2010年まで生産されたヨーロッパSのコンセプトを受け継いだGT(グランツーリスモ)。後席を設け2+2の4人乗り仕様とし、エンジンはトヨタ製3.5リッターV6にスーパーチャージャーを組合わせて搭載する。トランスミッションは6速MTのほかGTらしく6速ATを選ぶこともできる。コンセプトカーはGTカーといっても車両重量を1320kgに抑えているのがいかにもロータス流だ。
先日、あらためて最新のエキシージ、スポーツ410を試乗する機会があった。次回はそのインプレッションを報告する。
文・藤野太一 写真・LCI Limited/郡大二郎 編集・iconic
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みんなのコメント
でもそのピュアで軽快な操縦性を安価に楽しめるクルマが日本にはある。
マツダのロードスター。誰もが笑顔になる、世界に誇れるジャパニーズライトウェイトスポーツと言える。