トヨタの正統派コンパクトカー、新型ヤリスが正式発表。ヴィッツから大幅刷新で原点回帰&No.1ブランド奪取へ。
トヨタのコンパクトカーとして日本では20年間・3世代続いたヴィッツが、車名を「ヤリス」に変え、本日2019年12月20日、正式発表された。発売は2020年2月10日となる。
【東京オートサロンで世界初公開】新型ヤリス GR-4 緊急試乗!! 期待の新星は庶民派スポーツの救世主に!?
発表解禁が日本時間深夜となることは異例で、そうした意味でも、“日本のヴィッツ”の姿はそこにはなく、“世界のヤリス”がグローバルモデルであることを感じる。
新型ヤリスは、現行ヴィッツが2010年に発売されて以来、約9年ぶりとなるフルモデルチェンジ。そして、価格や燃費もついに判明した。
2020年2月には競合のホンダ 新型フィットも発売されるだけに、注目される新型ヤリスの詳細を、明らかになったスペックも交えながら見ていきたい。
文:永田恵一
写真:奥隅圭之、TOYOTA
【画像ギャラリー】ヴィッツとはモノが違う!? 新型ヤリスの内外装は?
ボディサイズはほぼ据え置き! 新型ヤリスの立ち位置は?
市販型国内仕様の新型ヤリス。5ナンバーサイズは旧ヴィッツから継承したが、中身は大幅に刷新
さまざまなコンパクトカーがあるなかで、ヤリスは、ヴィッツ時代と同様に日本車ではマツダ2やスズキ スイフトが直接的なライバルとなる「コンパクトカーのド真ん中」というポジションは不変だ。
ボディタイプは今のところ5ドアのみ、ボディサイズは全長3940×全幅1695×全高1500mmという5ナンバーサイズで、現行型とほぼ変わらない。
しかし、現行型ヴィッツが、「特に目立つところのない普通のコンパクトカー」という印象も否めなかったのに対し、ヤリスは「コンパクトカーらしさはそのままに、上級車に匹敵する機能や魅力を備える」というコンセプトで開発された。
この点、クラスレスな魅力があった初代ヴィッツに通じるところがある。
1999年登場の初代ヴィッツ。そのクラスレスな質感が好評を博し、2000年には車種別で2位の16万731台を売り上げた
また、ヤリスにはヴィッツ時代を含めれば20年の節目を迎えたことや車名の変更などから、原点回帰や決意表明のようなものも強く感じる。
スタイルは「大胆(BOLD)に、活発(BRISK)に、そして美しく(BEAUTY)」というテーマのもとデザインされ、日本車離れした印象もあるコンパクトカーらしい軽快さ、アグレッシブさを感じさせるものに仕上がっている。
ダッシュボードなどに代表されるインテリアは、最近のトヨタ車に共通するテイストとなっている。
なお、リアシートに関しては前述したコンパクトカーにおけるポジションもありコンパクトカーとしては平均的な広さとなるため、各々の必要性に見合った広さがあるかは実車で確認した方が無難だろう。
新型ヤリスは骨格もエンジンも一新!
パワートレーンも一新した新型ヤリス。ヴィッツでは遅れをとっていた基本性能や「走り」の向上が期待される
コンセプトと同様に、ヤリスは機能面もほとんどの部分が一新されている。
クルマと土台となるプラットホームは軽量かつ高剛性、低重心なコンセプトで開発されたコンパクトカー用のGA-Bプラットホームを初採用している。
GA-Bプラットホームの採用により、ヤリスは現行型ヴィッツに対し、車重はエンジンの3気筒化なども含め50kg軽量化され、ねじり剛性を30%以上強化、重心高は15mm低くなっており、ハンドリングや乗り心地、静粛性といった動的な質感の向上が期待される。
新型ヤリスはコンパクトカー向けTNGAプラットフォーム(GA-B)を採用
パワートレーンは1.5Lガソリン、1.5Lハイブリッド、1Lガソリンの3つで、すべて3気筒エンジンとなる。この点も1Lガソリンが3気筒、それ以外は4気筒だった現行型ヴィッツに比べると思い切った変更といえる。
それぞれ見ていくと、新開発となる1.5Lガソリンは、RAV4などに搭載される2L直4を1気筒カットし3気筒の1.5Lとした成り立ちだ。
技術的にも直噴化やロングストロークであることなど、2L直4エンジンと共通するところが多々あり、スペックもレギュラーガソリン指定で最高出力120馬力&最大トルク14.8kgmとなかなか強力だ。
トランスミッションは、エンジン同様にRAV4などに搭載されるものと共通の「変速幅が広く、アクセル操作に対しダイレクトにレスポンスする」というコンセプトを持つCVTと6速MTが設定される。
燃費&予防安全もクラストップの性能に!
写真は2019年10月に世界初公開された新型ヤリスハイブリッド。ついに燃費も明らかとなり、WLTCモード燃費は最高値で36.0km/Lをマーク
気になる燃費は前輪駆動車(FF)にCVTを組み合わせたガソリン車の代表的なところで、WLTCモード総合21.4km/L、市街地15.7km/L、郊外22.6km/L、高速24.1km/Lとなる。
この燃費は現行ヴィッツの1.3Lガソリンが、WLTCモードほど厳しくないJC08モードで25.0km/Lだったことを考えると、実用燃費では大幅な向上が期待できそうだ。
ハイブリッドは、1.5L・3気筒エンジンに駆動用と発電用の2つのモーターを組み合わせたものだ。
エンジン以外の成り立ちは現行ヴィッツ ハイブリッドに近いものに見えるが、エンジンは74馬力から91馬力、モーターも61馬力から80馬力と大幅にパワーアップされている。加えて前述した軽量化もあり、パワフルな走りも楽しめるに違いない。
それでいて燃費はJC08モードで33.4km/Lだった現行ヴィッツ ハイブリッドに対し、FFの代表的なモデルのWLTCモードは総合35.8km/L、市街地36.9km/L、郊外39.8km/L、高速33.5km/Lと、驚くべき数値をカタログに載せる。
実用燃費がどの程度かも非常に楽しみだ。またヤリスでは今までなかったハイブリッドの4WDも設定される。
ベーシックな1Lエンジンは、2代目ヴィッツから3世代に渡って搭載されるものだが、ヤリスに搭載されるにあたりこちらもエンジン、CVTともに改良を受けている。
なおヤリスのガソリン車はここ10年近くで当たり前になったアイドリングストップを新型車としては珍しく装着しない。
これはアイドリングストップが特に市街地での燃費向上には有効ながら、その反面12Vバッテリーの寿命が短くなるという問題もあるためと思われる。総合的な環境負荷やユーザーの負担も考えると、この選択も1つの見識といえるのではないだろうか。
注目度の高い安全装備&運転支援システムも、ヤリスは前述したように上級車に匹敵するものとなっている。
予防安全装備の「トヨタ セーフティセンス」も最新型が搭載され、夜間歩行者にも対応
具体的には運転支援システムと自動ブレーキがセットになった「トヨタ セーフティーセンス」は、自動ブレーキは夜間の歩行者、昼間の自転車に対応するのに加え、右折時の対向車や右左折後の歩行者も検知するというトヨタで最新のものを搭載。
運転支援システムも、停止までの対応こそしないものの、先行車追従型のアダプティブクルーズコントロール、操舵支援など充実した機能を備える。
注目の価格は139万円から! HVは199万円スタート
新型ヤリス 価格表 ※9 北海道、沖縄のみ価格が異なる
ヤリスのグレード体系はベーシックな方から1Lガソリンが「X“Bパッケージ”」、「X」、「G」、1.5Lガソリンと1.5Lハイブリッドが「X」、「G」、「Z」と、それぞれ3つが設定される。
価格は売れ筋となりそうな「G」で、1.5Lガソリンが175万6000円、ハイブリッドで213万円だ。コンパクトカーとしてみると絶対的に安いとは言えないにせよ、装備など内容を考えれば納得できるところではないだろうか。
また、ヤリスは魅力的なメーカーオプションも魅力的なものが多く、深く考えずに選ぶとイメージよりずっと高額になりそうなので、装備に関しては必要性を吟味して選んでほしい。
◆ ◆ ◆
全体的にヤリスは、これまでの情報通りの非常に力の入ったコンパクトカーであり、カローラやRAV4に続く「いい方向に変わってきたトヨタ」を象徴するモデルだ。
それだけにヤリス自体の完成度が非常に興味深いことに加え、2020年の東京オートサロンで発表されるGR-4に代表されるスポーツモデル、ヤリスから派生すると思われるトヨタのコンパクトカー群など、ヤリスは自動車業界やユーザーの生活を潤いのある豊かなものにしてくれる存在となるに違いない。
【画像ギャラリー】ヴィッツとはモノが違う!? 新型ヤリスの内外装は?
■新型ヤリス 主要諸元(HYBRID X)
全長×全幅×全高:3940×1695×1500mm
ホイールベース:2550mm
車重:1050kg
パワーユニット:1.5Lハイブリッド
出力&トルク(モーター):91ps/12.2kgm(80ps/14.4kgm)
WLTCモード燃費:36.0km/L
価格:199万8000円
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みんなのコメント
ランニングコスト的に意味のないアイドリングストップを装備しないのは個人的には賛成。
フィットを含め他社の価格設定が難しいだろう。