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【写真蔵スペシャル】ランボルギーニ ディアブロの後継モデルとして登場した「ムルシエラゴ」

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【写真蔵スペシャル】ランボルギーニ ディアブロの後継モデルとして登場した「ムルシエラゴ」

ミウラからカウンタックへ、そしてディアブロへと引き継がれたランボルギーニのV12エンジンをミッドシップ搭載するフラッグシップの系譜は、ムルシエラゴへと引き継がれた。その10年にわたるヒストリーを振りかえってみよう。

CAD/CAMシステムを使用してつくられた最初のランボ
ディアブロに続くフラッグシップとして、ランボルギーニのV12エンジンを21世紀へと導く役割を担ったのが、2001年のフランクフルト モーターショーでワールドプレミアされた「ムルシエラゴ」だった。

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その車名はスペイン語で「コウモリ」を意味するが、ランボルギーニのネーミング流儀で、闘牛士との戦いを生き延びた「ムルシエラゴ」という名の闘牛が、著名な闘牛飼育家だったドン・アントニオ・ミウラ(あのミウラは、彼の名に由来する)に贈られ、ミウラの闘牛が繁殖されたという伝説がある。だが実際にはこの伝説を裏づける証拠はなく、時間軸的にも矛盾が見られるという。

ムルシエラゴは、コンピュータ上ですべてを設計・製造するCAD/CAMシステムを使用してつくられた、最初のランボルギーニ車だった。エクステリアは、新設されたばかりのランボルギーニ チェントロスティーレ(スタイルセンター)で、ルク・ドンカーヴォルケの指揮下でデザインされた。全高は約1200mmにおさえられ、ランボルギーニ フラッグシップのアイデンティティのひとつであるシザードアも継承された。

コクピットの後ろに搭載されたV12エンジンは、デビュー時は6.2Lで最高出力580hp/7200rpmを発生していた。潤滑方式にドライサンプを採用して、エンジンはディアブロより50mm低い位置に搭載され、ドライバビリティは明らかに向上した。0→100km/h加速は3.8秒、最高速度は330km/hを誇った。

デビュー当初はハードトップのクーペのみだったが、2004年にロードスターが登場。2007年には第2世代のLP640-4へと進化して排気量は6.5Lに、最高出力は640hpにアップ。2010年には650hpを発生する6.5Lエンジンを搭載した手動ソフトトップのLP650-4 ロードスター、2009~2010年には670hpを発生するLP670-4 SV(スーパーヴェローチェ)も登場した。LP670-4 SVはコンポーネントの多くにカーボンファイバーを使用して100kgの軽量化を果たし、最高速度は341km/hに達した。

ムルシエラゴは、全モデルが4WDを採用した。そのシステムはディアブロから引き継がれたもので、ビスカスカップリングのLSDにより、トルク配分を最大で前30%:後70%にできた。一部にアルミを使用したフロアパネルを含むカーボンファイバー製のシャシは、ランボルギーニ史上もっとも剛性が高められていた。

ムルシエラゴは、機械式トランスミッションを採用した最後のランボルギーニ車でもあった。2004年に追加設定されたセミオートマチックの「eギア」では、ステアリング後方のレバーでシフトを行うようになる。

V12エンジンはアヴェンタドールへ、そして次はPHEVに
ムルシエラゴは、モータースポーツのシーンでも活躍した。GT世界選手権や全日本GT選手権の規格を満たすべく、2004年に「R-GT」が開発されてサーキットデビューを果たす。ほぼすべてにカーボンファイバーを採用して大幅に軽量化され、タイヤ径とブレーキサイズを拡大した後輪駆動モデルで、9台が製造された。

他のランボルギーニ車同様、ムルシエラゴには限定モデルも生産されている。2003年にはランボルギーニ社40周年を記念した50台限定の「40th アニバーサリー エディション」、2006年にはヴェルサーチとのコラボレーション モデルも登場。LP670-4 SVには中国限定の「チャイナ リミテッド エディション」が10台生産されている。

2002年2月、イタリア ナルドのテストコースでムルシエラゴは量産車の世界最高速度の記録更新を目指す。テストドライバーは、現在のランボルギーニ スクアドラ コルセ(レーシングチーム)の責任者であるジョルジオ・サンナ。給油のためのピットストップ時に予定外のタイヤ交換があったにもかかわらず、1時間で305.048kmを走行し、最速ラップの平均速度は325.98km/hに到達。同時に、100kmと100マイルの記録更新にも成功した。

ムルシエラゴは、2010年に生産を終了し、その座をアヴェンタドールに譲る。全シリーズ合計の生産台数は、4099台。そしてランボルギーニ最後の「ピュア」V12内燃エンジンは、アヴェンタドール ウルティマエとともに2022年内に生産を終了する予定だ。2023年に登場するというアヴェンタドールの後継モデルに、プラグインハイブリッドシステムを組み合わせたV12エンジンが搭載される。

■ランボルギーニ ムルシエラゴ(初期型) 主要諸元
●全長×全幅×全高:4580×2045×1135mm
●ホイールベース:2665mm
●重量:1650kg
●エンジン種類:60度V12 DOHC
●排気量:6192cc
●最高出力:580ps/7500rpm
●最大トルク:650Nm/5400rpm
●駆動方式:縦置きミッドシップ4WD
●トランスミッション:6速MT(6速セミATもあり)
●タイヤサイズ:前245/35ZR18、後335/30ZR18

[ アルバム : ランボルギーニ ムルシエラゴ 写真蔵スペシャル はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

7件
  • ディアブロの後継車がザガートのヘンテコなやつにならなくてよかった。ま、ムルシエラゴもそんなにカッコいいわけではないけど無難な感じ。
  • 乳牛やな
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