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「サポカー」ってだけじゃ足りない? 高齢者がプラスで選ぶべきイマドキの安全装備とは

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「サポカー」ってだけじゃ足りない? 高齢者がプラスで選ぶべきイマドキの安全装備とは

安全運転支援機能でクルマを選ぶ時代

 補助金関連の話といえば今は国民1人10万円の特別定額給付金の話題で持ちきりだが、忘れてはいけないのが、2020年3月9日から申請受付が開始された、高齢運転者(65歳以上)を対象にした「サポカー補助金」だ。

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 その内容は、65歳以上になるドライバーが「対歩行者の衝突被害軽減ブレーキ」と「ペダル踏み間違い急発進抑制装置」 の両方を搭載した「サポカー」を購入する場合、乗用車で10万円、軽自動車で7万円、中古車で4万円の補助金が交付されるというもの。

 また「対歩行者の衝突被害軽減ブレーキ」のみ搭載の場合は、乗用車で6万円、軽自動車で3万円、中古車で2万円を補助。すでに乗っている(購入済みの)自動車に後付けの「ペダル踏み間違い急発進抑制装置」を設置した場合でも、障害物検知機能付きで4万円、同機能がない場合で2万円の補助金が支給される。

 そこで、高齢ドライバーにオススメしたい先進安全運転支援機能について改めて紹介しよう。高齢ドライバーのみなさんはもちろん、高齢の親御さんのクルマ選びでも、重要なポイントとなってくるので注目してほしい。

「サポカー」認定を受ける機能は“最低限ほしい”装備

 まず大前提として、サポカーに認定されるための「対歩行者の衝突被害軽減ブレーキ」=自動プレーキは当然として、やはり高齢ドライバーに多いペダル踏み間違いによる事故をなくすために、「サポカーS」の条件となる「ペダル踏み間違い急発進抑制装置」も必須の機能・装備と考えたい。ただし「ペダル踏み間違い急発進抑制装置」に関しては、日産デイズなどに採用される、抑制だけでなくブレーキ機能付きがより安心・安全だろう。

 繰り返しになるが、この「対歩行者の衝突被害軽減ブレーキ」と「ペダル踏み間違い急発進抑制装置」のどちらも付いている新車なら乗用車で10万円、軽自動車で7万円、中古車で4万円の補助が受けられるのだ。

ブラインドスポットモニター(BSM)

 しかし、それ以上の安全・安心を求めたい人のために、自動車メーカーはさらなる先進安全運転支援機能を用意している。まず筆者が勝手に“自動ブレーキの次に重要”だと考えているのが、低価格のコンパクトカーのマツダ2(旧デミオ)にも採用されるブラインドスポットモニター(BSM)だ。

 車体後方の死角から接近する車両を検知し、ブザーやドアミラーのランプ点灯で知らせてくれる先進技術で、レーンチェンジ時などでの接触事故低減に大いなる効果がある。高齢者だと“ついうっかり”の危険な車線変更をしがちだが、その回避に役立ってくれるに違いない。

 実際に筆者も、ブラインドスポットモニターのおかげで何度となく車線変更での接触事故を未然に防げた経験がある。ボルボやBMWなどの輸入車では、それでも車線変更を実行しようとすると、ステアリングをグイっと強い力で戻す「ステアリングアシスト機能」まで付いているから鬼に金棒である。

 高速走行をする機会の多い高齢ドライバーには、車線維持支援制御機能もあると良いだろう。スバルの「アイサイト」や日産の「プロパイロット」などが国産車では代表格となるが、機能をONにすると、クルマが勝手に(!?)車線の中央をビシリと走ってくれる。うっかり車線をはみ出して事故を起こすことを未然に防いでくれるのだ。以前は、車線をはみ出すとステアリングの振動などで警告してくれるだけの機能だったが、いまでは自動運転に近い制御が可能になっている。

アラウンドビューモニター

 高齢ドライバーのなかには、若いころから日々運転を楽しみ、高齢になってもある程度の運転スキル、駐車スキルを維持しているかもしれない。それでも駐車時には緊張するハズだ。もはやバックモニターは、自動車を運転することを生業としている筆者にだって、ないと困る装備だが、高齢者にさらにうれしいのが「アラウンドビューモニター」と呼ばれる、空から見下ろしたような合成画像(映像)をモニターに映し出してくれる機能だ。

 これならバックモニターではカバーできない車両周辺の死角をカバーでき、自宅の駐車場に出し入れする際、クルマの周りにいるかもしれない子供やペットも確認しやすく、不幸な事故も防げるというわけだ。

標識認識機能

 モニター類でひとつ付け加えさせてもらうなら「標識認識機能」も、うっかり運転が多くなりがちな高齢ドライバーに推奨したい機能だ。例えば一時停止の標識をカメラが読み取り、モニターなどにチャイムととも表示してくれたりするから、一時停止違反も防げ、安全性が手に入る。同時に進入禁止の標識も認識するから、高齢ドライバーによる事故も多い“逆走”の防止にもなりうるのだ。

ヘルプネット(=SOSコール)

 高齢ドライバーのみならず、ドライブレコーダーのように誰にでも薦められる“つながる”機能のひとつが「ヘルプネット(=SOSコール)」だ。搭載車種は国産車だとトヨタ、レクサスが主で、日産、ホンダの一部となるが、エアバッグが展開するような事故ではヘルプネットセンターに自動通報。車載のマイクとスピーカーによる、オペレーターの呼びかけにドライバーが応じない場合は、GPSによる位置確認と同時に、消防(救急車)と警察に連絡してくれる緊急通報サービスだ。

 また、ヘルプネットは運転席頭上の赤い「SOSコールボタン」を押すことで、任意にオペレーターに接続することもでき、あおり運転被害にあったときなどにも威力を発揮してくれる。ホンダのフィットでは、SOSコールボタンとともに青い「トラブルサポートボタン」もあり、こちらは故障時などにオペレーターが対応。2重の安心が得られ、高齢者や運転初心者にもうってつけである。

遠隔見守り機能

 最後に紹介したいのは、まさに高齢者ドライバーの見守り機能と言える、ダイハツのロッキーから採用された、「ダイハツコネクト」の機能のひとつである「見えるドライブ」だ。クルマが出かけたこと、帰宅したこと、事故やトラブルの発生、普段と違う場所を走っていることなどを検知し、見守り者=家族にメールで知らせてくれるとともに、クルマの現在地をGPSによってスマートフォンのマイページのマップ上に表示。1分ごとに更新されるから、両親など高齢ドライバーの運転状況や走行位置確認ができ、家族も安心して高齢者のお出かけを見守れるというわけだ。

 以上の高齢ドライバーにオススメしたい安全運転補助機能のすべてを満たすクルマは、まだまだ普及途中。けれど、できるだけ多くの機能を備えたクルマを選び、乗ることで、サポカー補助金に対応するだけでなく、運転する高齢者自身はもちろん、それを見守る家族も安心していられるのである。

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日刊自動車新聞

みんなのコメント

2件
  • 運転させないのが一番の安全装備
  • 「SOSコールボタン」は、自分の体の調子が悪くなった時、対処して(救急車を呼んで)くれるのかなぁ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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